いつもなら名前を呼んだら出てきてくれるのに。
家中探し回ってもどうしても見つからない場合、不安で胸が圧し潰されるような思いです。
完全室内飼いをされる飼い主が多くなったご時世ですので、外の世界を知らない猫ちゃんが多いと思います。
それに、外に出れば何が起こるかわかりません。すぐに見つからなければお腹は空かせてしまうだろうし、雨が降ったら寒さも心配。車やバイクが危険なことだって知らなかったりします。
時間が経てば経つほど心配と危険は増すもので、猫ちゃん自身も苦しい状況にあると思います。
だから絶対に見つける。
飼い主の愛情と強い気持ちも大事だと思います。
こちらでは、様々な視点で猫の探し方をまとめてみました。試したことや知ってることなども含まれるかと思いますが、捜索の役に立つことを願っております。
▼目次
- 今一度、屋内を探す
- 本当に重要なこと
- 捜索方法
- いなくなった当日の夜の捜索
- 早めにしておくべきこと
- できるだけ早めにしておくべきこと
- どうしても見つからないなら
家の中、敷地内の盲点を今一度、探す
迷子になってから数日が重要。その理由
翌日の仕事は、休む覚悟を
捜索範囲について、猫の縄張り・行動範囲
捜索範囲を絞り込むなら
探す場所について、隠れていそうな場所
猫用トイレを玄関先などに置いておく
時間経過で猫の匂いがなくなってしまったら
名前を呼んで探すのは、飼い主がいい
ツイッターや掲示板などで呼び掛ける
張り紙、ポスターに載せるべき情報
敷地内に監視カメラを設置
外では飼い主でも警戒される事が多い。フードでおびき寄せよう
フード(餌)を置いておびき寄せるのは下策の場合もある
夜の捜索に備えて、人数分の懐中電灯を用意
警察に遺失届を出す
保健所、動物愛護センターに迷子猫の連絡
路上死した動物を回収している業者への連絡
ご近所さんに迷子猫の事を伝えておく
ポスティングもいいけど、自治会があるなら回覧がいい
張り紙は、許可を取りましょう
専門のペット探偵などの業者に依頼
捕獲器の設置
今一度、屋内を探す
おそらく家中くまなく探されたとは思うのですが、今一度、探していない場所がないかあたってみるのもいいかと思います。猫はかくれんぼが上手ですので、人が思いも寄らない場所に入り込んでしまっていることもありえます。
家の中、敷地内の盲点を今一度、探す
- 洗濯機の下
- 下駄箱の下
- テレビの裏
- クローゼット
- 床下
- 天井裏
他にもなぜかトイレに閉じ込められていたりする場合も。
床下や天井裏などはどうやって入り込んだかわかりませんが、そこでじっとしていることもあります。戸建ての住宅など、壁と壁に隙間があるような場所も入り込んでしまっていないか確認しましょう。壁に耳を付けて澄ませば発見できることもあります。
また、飼い主が見つけられないだけで家の中にいるのであれば、ゴハンの時間になれば出てくると思います。(それが一番なのですが)
本当に重要なこと
素早い行動が大事です。
迷子になってから数日が重要。その理由
猫がつれない動物である例えに
「猫は三年の恩を三日で忘れる」
というものがあります。だから・・・というわけではありませんが、得てして妙なところがあるもの。
猫は、嗅覚が優れておりますので、自分の匂いを感じ取り、匂いを辿って家に戻ることができます。また、自分の匂いだけでなく、飼い主やその家の匂いも自分の匂いと混ぜ合わせ、家である住処を居心地の良い安心できる空間にしています。
自分の匂い、知っている匂いがあるからこそ、家に戻ってこれるのですが、この匂いが薄まったり、消えてしまえばこの術を失います。
猫のマーキングであれば、2週間程度は匂いが残ります。猫用トイレも1週間程度であれば、匂いは残っているでしょう。
匂いが残っていて、匂いを辿り帰ってきやすいうちに・・・という意味で、迷子になってから数日内が重要と言えるでしょう。
それから、全く別の視点で考えると、野良猫に追われたり、交通事故に遭う危険などを考えても早く見つけることが大事だと言えます。
交通事故に関して例を挙げると、1日に7匹以上が交通事故などで亡くなっている市もあります。それほど猫にとっての外の世界は、危険が多いのです。
※大分県大分市では、交通事故などによる死体の回収頭数が、1日に7匹以上になります。
大分県大分市が公表している交通事故などによる死体の回収頭数
http://www.city.oita.oita.jp/o245/kurashi/pet/documents/b.pdf(PDF)
翌日の仕事は、休む覚悟を
いなくなったその日のうちに見つからず、翌日仕事がある場合の話です。
探すなら早いうちが絶対にいいですし、探すなら人手があった方が絶対にいいです。
仕事は大事です。突然休むのも調整が大変なのも事実です。しかし、何を優先すべきなのかはよく考えた上で判断した方がいいという話です。後悔しないためにも。
捜索方法
様々な観点から捜索方法を記載しています。
捜索範囲について、猫の縄張り・行動範囲
室内飼いの猫の場合、縄張りの範囲は、家の中と窓から見える範囲になります。
猫が犬のように逸走して一直線に走り去るということは、よっぽどパニックになっていなければまずありません。
雷に驚いたり、野良猫に追い立てられたり、車に轢かれそうになるなど危険な目にあっていないのであれば、そう遠くには行っていません。
家を中心に考えても、半径200m内 のどこかにいると考えていいと思います。
※ただし、去勢していないオス猫の場合、メス猫の発情に釣られて行動範囲が広がってしまうこともあります。
捜索範囲を絞り込むなら
探す人手が足りているなら手分けして探すのもいいでしょう。状況によっては、一人で探さなければならないこともあるので、優先して探す方面を決めておいた方がいいと思います。
近所に保育園、幼稚園があれば、その逆方向。ひと気の少ないところに行くと考えて。
野良猫がよくいるところ、犬を飼われているお宅には寄り付かない。
上り坂より下り坂。疲れてくれば、上りより下りの方に向かいます。
風上より風下。これは逆も然りです。嫌な臭いがすれば、風下に。好きな匂いがすれば風上(匂いのする方に)というのも考えられます。
また、あの子ならこっちの方に行きそう。という飼い主ならではの直感に頼るのも全然ありだと思います。
何か思い当たる節があれば、それを頼りに探す方面を決めるのもいいと思います。
探す場所について、隠れていそうな場所
探す場所は、視点を 上・中・下 の範囲で考えた方がいいです。犬は平面で生活しているので、地続きを探せばいいのですが、猫には上下があります。探し歩く場合、つい下の方ばかりに気を取られてしまうことが多いので、上の方にも多少の注意を払った方が良いでしょう。
- 排水溝、側溝
- 植木鉢の間(の隠れられる場所)
- 物置の中や物置の下
- 室外機の下
- 車の下
- 表通りに面していない、家と家の間
- アパート、マンションの階段下
- 草むら
- 木の上
- 屋根上
室内にいる時も、狭くて静かな場所って好む子が多いと思います。隠れる時は、ベッドの下、テーブルの下、カーテンの隙間、ダンボール箱がお気に入りなど。普段どんな場所によくいるのか?考えるのも大事なことだと思います。
猫用トイレを玄関先などに置いておく
猫が自分の匂いを辿って帰れるように匂いが付いたものを置いておくというものです。とりわけ臭いの強い猫用トイレは有効です。
猫用トイレをそのまま置くのもありかもしれませんが、猫砂をビニール袋に入れて、穴を開けて玄関などに吊るしておくのもいいでしょう。多少なりとも風通しがよく臭いが飛散する場所の方が気付いてもらいやすいと思います。
また、置いて使う脱臭剤を消臭に使われている場合は、トイレから避けておいた方いいです。
時間経過で猫の匂いがなくなってしまったら
猫用トイレの臭いは十分ではありますが、時間経過とともに臭いが薄れます。猫の寝床に使っていたタオルなどもいいかと思いますが、これも時間が経てば薄れてしまいます。
猫の匂いのついているものがない場合は、飼い主の匂いの付いたもの、衣類などを代用してみてもいいでしょう。自分の匂いでなくても、嗅ぎなれた記憶にある匂いでも気付いてもらえる可能性はあるのですから。
名前を呼んで探すのは、飼い主がいい
猫の聴覚は、鋭敏で、音を聞き分ける能力が優れています。
人は、単語の音の意味を理解して判断ができますが、猫は音色、音量や周波数、音程で理解していると考えられています。
例えば、「タマ」という猫がいたとして、「タマ」だと反応できるけど、「タマちゃん」だと反応できないことがあるということです。とは言え、いろんな呼び方で呼ばれていて普通に反応できる飼い猫の方が多いと思いますが、単語の意味を理解しているかはわからないという話です。
名前を呼ぶのは飼い主がいいというのは、聞き慣れない声で呼ばれても逃げられてしまう可能性もあるからです。
飼い主やそのご家族以外の方は、猫が好きな音(猫缶の音)などの方が反応してくれるかもしれません。
ツイッターや掲示板などで呼び掛ける
今時であれば、ツイッターや自治体の掲示板で呼び掛けるなどの方法もあります。地域のコミュニティに呼び掛ける方法があれば試してみるのも一つの手です。
張り紙、ポスターに載せるべき情報
なかなか見つからない場合、張り紙やポスターなどを用意して近所に張ったり、配ったりします。
- 猫の写真
- 猫の名前
- 猫の性別
- 首輪、迷子札の有無
- 不妊・去勢の有無
- 保健所、警察への届け出
- いなくなった日時
- いなくなった場所(地域)
- 飼い主の連絡先(電話、メールアドレス)
迷子猫の張り紙は、ネット上で検索すればフォーマットが出て来ます。そちらを利用するのが早いでしょう。
猫の写真は、できれば色んな角度のものがあった方が見る人がわかりやすいです。それから、保健所、警察への届け出をしてあるかも載せておく方がいいと思います。善意で保護される方ばかりではないので。
敷地内に監視カメラを設置
家の人がいない時に、家に戻ってきていることも考えられます。これが分かれば、捕獲器の設置なども検討ができます。(簡易の猫ハウスを用意して帰ってきやすくしたりも)
また、監視カメラの中には、動体検知が可能なものがあり、検知した際にメールで知らせてくれる機能を持つものもあります。もちろん録画をしておいて、後で確認することも可能です。
監視カメラというと費用がかかり設置の手間などもありますが、やるだけの価値もあります。
監視カメラの価格は、1万円以内で購入できるものもありますので、検討してみるのもいいかと思います。
※監視カメラは、屋外用のものを選んでください。屋内用のものだと埃やチリなどですぐにダメになってしまいます。
外では飼い主でも警戒される事が多い。フードでおびき寄せよう
飼い猫を発見しても警戒心が強くなっている場合があります。飼い主であっても警戒されて逃げられたりすることもありますので、不用意に捕まえようとすると機会を逸してしまいます。
猫が警戒している様子であれば、ある程度距離を取り、フードでおびき寄せた方がいいでしょう。抱っこできないことを考え、キャリーも一緒に持っていくのが無難です。
また、飼い主の方なら重々承知のことと思いますが、匂いが強い物の方がいいです。(ドライフードよりウェットフード)
フード(餌)を置いておびき寄せるのは下策の場合もある
フードを玄関先や庭などに置いておびき寄せる方法もあります。お腹を空かせていれば、餌をもらえる場所に戻るのは考えられることですし、匂いがすれば匂いに釣られて家に戻ってくる可能性が高まるからです。
しかし、この方法には難点がある場合があります。
野良猫が多い地域の場合、野良猫を呼び寄せることにもつながります。野良猫がフードに寄ってきてしまうと、野良猫に警戒して家に戻りづらくなるし、野良猫に追い立てられることも考えられます。
もし、野良猫が多い地域であるならば、ゴハンを与えていた時間帯だけ置いておくなど工夫が必要です。
いなくなった当日の夜の捜索
夜探すために準備するもの。
夜の捜索に備えて、人数分の懐中電灯を用意
いなくなった当日、日中に見つからなければ、日中時間帯は身を隠していて、夜に行動をする場合も多いです。猫は夜行性と言われており、元来は獲物であるネズミが活発になる夜が狩りの時間になるからです。ネズミを狩らない現代の猫の場合でも、日中の人や車が多い身の危険を感じる時間帯よりも行動するなら静かになった夜の時間帯というのも考えられなくはないでしょう。
また、翌日になれば日中は車の行き来が多くなってしまいます。交通事故に遭う確率も高まりますので、夜に探して見つけておくのは大事なことです。早ければ早い方がいい。
もし、夜探す人達の人数分の懐中電灯がなければ夜になる前に準備しておきましょう。もちろんコンビニで買うのもありです。
懐中電灯がないと夜目が利かない人間は暗い中探せないというのはもちろんですが、ライトを猫に照らせば目が光るので発見をしやすいです。夜探すなら絶対に必要です。
それから、鈴付きの首輪が付いていれば、名前を呼び鈴の音を頼りに探すのもできるでしょう。
この他、草むらをかき分けるのに、長い棒、なければ傘なども持っていくのもいいかと思います。
なかなか余裕がないこととは思いますが、ご近所さんの迷惑にならないような配慮も必要です。(夜中のことなので)
早めにしておくべきこと
すぐに見つかればする必要のないことなのですが、一両日内に見つからなければ行動に移しておくべきです。
警察に遺失届を出す
拾得者が警察に届けてくれた場合、遺失物として扱われます。この場合、警察の遺失物リストに登録されますので、遺失届を出しておくと拾得の届け出があった際に照会してくれます。
保健所、動物愛護センターに迷子猫の連絡
迷子猫、所有者不明の猫として保健所に引き取られた場合、しばらくして飼い主が見つからない場合、殺処分になることがあります。保健所での保護の期間は、お住まいの地域によって異なりますが、1週間程度。長くて2週間くらいです。
もちろん、迷子札やマイクロチップを装着した猫であれば確認をしてくれますが、どちらもない場合は早急の連絡が必要です。
必ず、保健所や動物愛護センターに迷子猫の連絡をしておきましょう。
路上死した動物を回収している業者への連絡
犬猫が路上死している場合、自治体で回収を行います。通常は、自治体が清掃業者などに委託して、その業者が死体を回収しています。
自治体へ連絡し、発見ができたら連絡をいただけないか相談をしておくのもいいかと思います。
ご近所さんに迷子猫の事を伝えておく
猫の行動範囲(半径200m程度)を考えると、ご近所さん家の敷地内でじっとしていることも考えられます。また、家の近所を行き来していることも十分に考えられますので、ご近所さんにはお話をしておき、見かけたら一報もらえるようにお願いしておくといいでしょう。
できるだけ早めにしておくべきこと
見つからなくても諦めない。
ポスティングもいいけど、自治会があるなら回覧がいい
迷子猫探しのポスターを作ったら、近所にポスティングするのも手段の一つです。
自治会があるなら回覧がいい。と書きましたが、ポスティングでもいいと思います。もし、自治会が機能している、協力的であるなら自治会の方がいいのかもしれません。
回覧にポスターを必要数分つけてまわしてもらうこともできますし、見た方が善意で家の物陰などを見てくれる可能性が高まる(と思います)。
自治会の回覧利用+自治会の範囲外をポスティングでカバー。合わせ技も有効かと思います。
いずれにせよ効果が高い方法を選ぶといいでしょう。
張り紙は、許可を取りましょう
例えば、電柱に張り紙をする場合、電力会社の許可が必要です。
屋外への広告は、屋外広告物法というものがあります。また、屋外に広告を出すための設置場所は、広告物設置の許可を自治体に取る必要があります。
誰でも何でもどこにでも張り紙ができてしまったら、町中サラ金の広告だらけであってもいいってことになってしまいます。規制があるし規定があるしそのルールは守らなければいけないということです。
電柱に張り紙したいのであれば、電力会社に許可を取りましょう。(費用がかかる場合が多いようです。1ヵ月1万円など)
ご近所さんに協力して外壁に張らせてもらう、スーパーなどに張り紙を出してもらうなど許可を取りましょう。
どうしても見つからないなら
できることはやってみる。
専門のペット探偵などの業者に依頼
ペット捜索は、専門の業者があります。そちらに依頼することで本格的な捜索をしてもらうことも可能です。
費用に関しては、業者によりまちまちですが、1日約2万円程度はかかります。捜索犬を使ったり、近辺のポスター張りなどのオプションを利用するとさらに費用がかかります。
お住まいの地域にペット捜索の業者があるかご確認の上、費用を相談してみましょう。
また以下では、ペット探偵の捜索料金やサービス内容、注意点などをまとめました。こちらも参考になれば幸いです。
捕獲器の設置
人知れず戻ってきているかもしれないことも考えて、敷地内に捕獲器を設置しておくのもいいかもしれません。この場合、ご近所さんには事情を説明しておいた方が無難です。動物虐待で逮捕者が出るご時世です。無用な疑いをかけられるようなことは避けたいところ。
また、自治体によっては動物捕獲器の貸し出しを行っている場合があります。自治体や保健所などに相談の上、貸し出しをしてもらえるか確認してみるものもいいでしょう。
以上になります。家の近辺をくまなく探しても見つからない場合、捜索範囲を広げてみるのもありかと思います。迷子になってから時間があまり経っていなければどこかに隠れている可能性の方が高いかもしれませんが。探しに行く際、その子の好きな食べ物、好きな音(おもちゃ)など使えそうなものは持っていくのもいいと思います。何にひっかかかるかわかりませんから。諦めずに探し続けてあげましょう。