本記事では、猫の出産頻度と出産数、野良仔猫の生存率などからネズミ算式に増えていった場合の理論値を出します。
近頃、野良猫が増えてきてしまったなぁ。と感じたり、ほっとくとどんどん増えるような話を耳にしたことがあると思います。管理人の身近でも野良猫が仔猫を産み、数が増えてきています。
そんな繁殖力の強い猫ですが、去勢や不妊をせず、単純に増え続けてしまった場合、どれくらいの数に膨れ上がってしまうのでしょうか?
こちらの記事ではネズミ算式に増えていった場合の理論値を出してみます。
▼目次
理論値を出す前に計算に使う値の考え方
理論値を出す前に、その計算に必要な値を整理します。
猫の出産頻度=1年に2回
猫の出産は、年に3、4回可能です。出産回数は、栄養状態次第では3、4回可能。最も多い春前、秋前の2回を1年に出産する回数とします。
産まれてくる仔猫の数=4匹
一度の出産で、2~6匹の仔猫を産みます。多いケースですと10匹以上を産むこともあるそうですが、平均をとって、4匹を一度に産まれる数とします。
仔猫が出産可能になる年齢=1歳
メス猫は、早くて1年を待たずして発情期が訪れます。こちらも栄養状態、生育状況によってずれがありますが、1歳から発情(出産可能)とします。
仔猫の1年内の生存率=20%
野良猫の仔猫が生きていくには、外での環境は厳しく、様々な要因で亡くなってしまいます。同腹の猫で1年以上生きられるのは1匹がいいところと言われており、生存率はかなり低いです。5匹に1匹が1年以上生きられるとします。※5匹目を生存扱いとする。
オスとメスの割合=50:50
半々としました。また、メスから順に産まれることとします。※メス→オス→メス→オス・・・の順
その他
数が増えたことによる飽和、飽和による食料不足、食料不足による自然淘汰、増えたことによる苦情等から殺処分などは、計算式に加えません。
つがいの猫のネズミ算
猫のつがいが春に仔猫を産んだところからスタート。5年後に一体どれくらいの数になるでしょうか?
結果:2匹の野良猫は5年後、25匹に増える。
1年目から詳しく見ると、
- 1年目春の出産は、4匹産まれるものの1匹も生存できず。(生存率20%、5匹目を生存扱い)
- 1年目秋の出産は、生存1匹(メス)
- 1年目経過時点で、計3匹(親2匹+子1匹)
- 2年目春の出産は、生存1匹(オス)
- 2年目秋の出産は、生存1匹(メス)、子世代初出産、生存0匹
- 2年目経過辞典で、計5匹
- 3年目春の出産は、生存2匹(親世代1匹(オス)+子世代1匹(メス))
- 3年目秋の出産は、生存1匹(子世代1匹(オス))
- 3年目経過辞典で、計8匹
- 4年目春の出産は、生存3匹(親世代1匹(メス)+子世代2匹(メス2匹))
- 4年目秋の出産は、生存4匹(親世代1匹(オス)+子世代2匹(オス2匹)+孫世代1匹(メス1匹)
- 4年目経過辞典で、計15匹
- 5年目春の出産は、生存3匹(親世代1匹(メス)+孫世代2匹(オス1匹、メス1匹)
- 5年目秋の出産は、生存7匹(親世代1匹(オス)+子世代3匹(オス1匹、メス2匹)+孫世代4匹(メス4匹)
- 5年経過後、計25匹となる。
と、後半生存数が増えてくることで一気に増え始めるのがわかります。
今回はつがいの2匹の猫から増えていく結果を見ましたが、これが4匹、5匹、さらには10匹以上いる野良猫達を想像するととんでもない数になってしまうのがわかります。
ちなみにこの計算で10年経過までいくと、406匹に増えます。
※野良猫の寿命がありますので、寿命を考慮するともう少し少なくなりますが、それでも爆発的に増えているのが分かります。
まとめ
この仮定で計算を行うとつがいの2匹の猫は、5年後に25匹10年後に406匹に増えることになります。
昨今、多頭飼いで犬猫が増えすぎてしまい、多頭飼育崩壊といった社会問題も起き始めておりますが、多頭飼いをする場合は、不妊・去勢手術の留意がないと気付いた時には相当数に増えてしまっている。という状況も起こりえるということです。
多頭飼育崩壊と呼ばれるまでになってしまったら、飼い主も飼い猫達も望んでいない飼育環境になってしまいます。やはり正しい知識と責任を持って飼育する必要が飼い主にはあるということだと思います。