猫は何歳まで発情・妊娠・出産できるのか?

 猫(ペット)の平均寿命は、およそ15歳と言われていますが、発情して出産ができる年齢は何歳くらいまでなんでしょうか?

発情・妊娠・出産について疑問に思った

  1. メス猫は何歳から発情するのか?
  2. 年に何回発情し、何回出産できるのか?
  3. 何歳まで出産できるか
  4. ブリーダーは何歳まで繁殖させているか
  5. 繁殖制限はない?(日本と海外の規制状況)

これらをまとめてみました。

メス猫は何歳から発情するのか?

通常は、生後6~8ヶ月ぐらいで発情
発情が早い猫は、生後4ヵ月程度で発情することもあります。

また、発情後、妊娠をすると2ヵ月後に出産します。

一方、オス猫の発情は、生後9~12ヶ月ごろに本格的な発情を迎えます。性の疑似行動(マウンティングなど)は、生後半年くらいでも見られる場合がありますが、生殖器官の成熟を待ってからが本格的な発情というところです。

年に何回発情し、何回出産できるのか?

猫の身体の仕組みとして、1月過ぎから発情が始まり、3月までには交尾を終えて妊娠。4、5月くらいに出産。
この期間に妊娠が出来なかった猫が、5月過ぎに再度発情期を迎える。

猫の発情は、日の長さが関係しており、日の一番短い冬至を過ぎて、日が長くなり始めるとその刺激を受けて発情します。
季節繁殖動物と言われるもので、日光を一定時間浴びると発情するというものです。

飼い猫や都会に住む野良猫など栄養状態が良い場合は、年に2、3回発情期が来ることが多く、発情期が春と秋に多いことから春子(はるご)と秋子(あきご)と言ったりもします。

年の発情と出産の回数は、2、3回。

最大で言えば、年4回。

日光の代わりに蛍光灯などに照らされた環境で飼育すると発情期を錯覚して、最大年4回の出産が可能なようです。
(悪質なブリーダーでもメス猫の体の負担が大きいことから4回も出産させることはまずないそうです)

※妊娠期間が約2ヵ月 × 4回 + 再度発情するまでの期間約1,2ヵ月 × 3回 = 最大で年4回の出産が可能。

何歳まで出産できるか

見た目から分かりにくい猫の年齢を人に年齢に当てはめてみるとなんとなくわかります。

年齢表

猫年齢 人年齢
子猫期 ~3ヵ月 ~5歳
少女期 ~1歳 ~15歳
青年期 1歳半
2歳
3~4歳
20歳
24歳
28~32歳
壮年期 5~7歳 36~44歳
中年期 8~10歳 48~56歳
老年期 11歳~ 60歳~

一般的に高齢出産と言われる年齢が、7~8歳(40~60歳くらい)

最高齢で言えば、猫のギネスブックによると30歳

最高齢出産記録
英国スタッフォードシャー在住のジョージ・ジョンストン氏の愛猫キティは、30歳の高齢で2匹の子猫を出産した。生涯に生んだ子猫の数は、218匹。

猫のギネス・ワールド・レコードより引用
http://www.necozanmai.com/zatsugaku/guinness/guinness.html

これは、異例中の異例とは思いますが、10歳過ぎて出産するケースはよくある話のようです。

また、オス猫の方は、加齢による性欲の減退というものはなく、発情自体は生涯可能なようです。ただし、生殖能力自体は衰えるので、15歳くらいまでが生殖の限界と言われています。

一方で野良猫はというと、何歳まで出産ができるか?というより何歳まで生きられるか?ということになります。
野良猫の寿命は、3~5年程度のため、寿命的に高齢出産にならないのが実情です。

ブリーダーは何歳まで繁殖させているか

ブリーダーの多くは、7、8歳までの繁殖が多いようです。
また、繁殖屋やパピーミル(子犬工場)と呼ばれる悪質なブリーダーも7、8歳あたりまでのようです。

悪質なブリーダーは、高齢な猫にまで出産をさせているのでは?
とも思うのですが、それではメス猫の体が持たない。

悪質なブリーダーは、年間3回の出産は普通に行います。
これを1歳過ぎてから毎年のように行うとメス猫の体に相当な負担がかかります。
毛が抜け落ち、歯はガタガタ、嘔吐や下痢もしばしば・・・ボロボロな状態になってしまいます。
これでは繁殖どころではないので、悪質なブリーダーでも7、8歳くらいまでしか繁殖ができないのです。

繁殖制限はない?(日本と海外の規制状況)

現状の動物愛護法では、第三十七条にその記載があります。

動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)

第三十七条
犬又は猫の所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置を講じなければならない。

2019年の改正動物愛護法が施行されるまでは、繁殖制限の措置は努力義務どまりでしたが、法改正の結果、「みだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には」繁殖制限を講じなければならなくなりました。
この結果、不適切な飼養と判断されるケースでは、自治体や保健所からの指導が一歩踏み込んだものになったと言えます。

また、2020年7月10日には「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会(第6回)」が行われ、事務局から繁殖業者やペットショップに対しての繁殖制限に関する議論が行われています。繁殖制限の概要としては、犬猫の交配可能年齢や従業員1人当たりの飼育数などを規制する内容になり、今後の動物愛護法改正に盛り込むよう検討を進めていくそうです。

環境省HP「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会
動物愛護と適切な管理

その他、海外では以下のような規制が設けられています。

米国(バージニア州法 2008年法)

  • 18ヵ月以上 8歳以下の雌犬のみを繁殖に用いなければならない。

英国(犬の飼養および販売に関する 1999年法)

  • 雌犬は1歳に達しない場合は、繁殖させてはならない。
  • 6回を超えて出産させてはならない。
  • 最後に子犬を出産した日から1年以内に出産させてはならない。

EU(ペット動物の保護に関する欧州協定第5条)

  • 繁殖のためにペット動物を選択する者は子または雌親の健康及び福祉を危険にさらす可能性のある解剖学的生理学的及び行動的特徴を考慮する責任を負う。

以上になります。一度に4、5匹出産しますので、健康な猫はかなりの数の出産ができるということになります。

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のらねこらむプロフィール

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のらねこらむ管理人

2017年4月に新居へ引っ越した直後から野良猫に悩まされる。
日々、野良猫との領地争いを繰り広げています。

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