人間の庇護下の元、野良猫は自由に外を闊歩しています。そのため野良猫が他の動物に襲われているのを見ることはほとんどありません。
しかし、全くの安全かというとそうでもなく、常に警戒し、人目に付かない場所をねぐらとし、外敵や天敵から身を守るように生活をしています。
そんな野良猫の天敵となる相手を紹介します。
カラス
昆虫や木の実、鳥の卵にヒナ、残飯漁りとなんでもこい。そんな雑食性のカラスは、野良猫にとっても天敵の一種です。仔猫や弱っている猫、死体は捕食対象になる場合があります。
カラスの狩り
近くの電線や木の上に留まり、母猫が仔猫から離れるのを待ったり、動けない猫を見つければ弱る様子を伺います。”そのとき”が来れば、舞い降りて、目や肛門をつつきます。そして内蔵を引っ張り出して食す・・
その他肉食の猛禽類も同様です。身近なところではトビも外敵と言えるでしょう。※都心部のカラスには、ゴミ漁りの方が魅力的ですね。ほとんど猫を襲うことはしないでしょう。
キツネ、タヌキ、イタチ
昆虫や木の実も食べますが、ウサギやネズミなどを好む肉食で、肉食に近い雑食と言えます。成猫はほとんど襲わないと思いますが、仔猫は格好の餌食となるでしょう。冬の餌が少なくなる時期はなおさらで・・。
アオダイショウ
小型の哺乳類や鳥類の卵を捕食し、ツバメの巣が襲われヒナと卵もろとも全滅なんてことも・・・。体長1~2m程度のアオダイショウですので、仔猫も十分捕食対象になります。
野良犬
雑食であるが肉食を好み、逃げるものを追い掛ける狩猟本能があることから、猫も襲われることがあります。しかし、野良犬に関しては、狂犬病の問題や人に噛み付く危険性から、見掛け次第、保健所送りになっておりほとんど見かけないのが現実でしょう。
オス猫
オス猫が仔猫を殺したり、食べることがあるようです。仔殺しで有名なのは同じネコ科のライオンです。放浪ライオンが争いの末、群れを乗っ取るとその群れの仔ライオンは次々に殺されます。自分の遺伝子を残す為です。子育て中の雌ライオンは発情しないこともあり、仔ライオンを殺します。仔猫を殺すオス猫も同様の本能からきているのかもしれません。
メス猫(母猫)
メス猫が仔猫を殺すことがあるようです。理由としては、
- 病気にかかった仔猫から他の仔猫にうつるのを防ぐ為
- 口減らし。栄養が少なく全員を育て上げるのが無理な場合に口減らし
- 身の危険を感じた際(例えば、仔猫に人が触れて人の匂いが付いてしまった場合に、育児放棄をしたり、殺してしまう場合もあるようです)
が挙げられます。
人間
食物連鎖外で加えるとすれば、人間は猫界で最も恐れられているのではないでしょうか。
- 昼寝の最中に突然捕まえられ、収容所に送られた。その後、ガスを噴出された。
- 餌をもらえるといつものように通っていたら、途中から毒を盛られた。
- 長年一緒に居た人間と車に乗って移動した。そこは見知らぬ山林で、気付いたら人間はいなくなり、凍えた。
その他、命を奪われないにしても恐ろしい目に・・
- 普段可愛がってくれている人間に突然捕まり、薬を打たれ、意識が遠のく。気付くと大事なところがなくなっていた。
- 人目をはばかり無事に出産したと思ったのもつかの間、少し目を離した隙に仔猫を誘拐され、途方に暮れる。
- 餌があったので、箱の中で食べていたら、急に後ろの扉が閉まり、連行された。その後、猫体実験をさせられた。
番外編 無生物代表「車」
鉄の塊に轢かれる事件が多発していることでしょう。
※野良猫の死因の中で都心部では多くを占めると思われます。
以上、”天敵”という食物連鎖から少し外れたものも含みました。人里離れた野生の猫であれば、自分より体の大きいネコ科の動物、イヌ科のオオカミ他、大型のヘビなどの爬虫類、サル。鳥類や肉食の猛禽類。クマ科の大型肉食動物も危険な存在でしょう。こうした野生動物は、都心部におりてくることはほぼありません。このため都心部では野良猫の天敵が少ないことは事実でしょう。
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