ペットショップの評判は、利用者である顧客の意見は広く見聞きできる時代になったと思います。一方でペットショップの事情を知る人達=従業員(元従業員)の意見となると限られていると思います。もちろん「元従業員です」みたいな方がコメントしていることもありますが数多くはないと思います。
本記事ではどうにか情報が得られないかと考え、転職サイトなどの口コミを確認してみることにしました。なお、転職サイトの口コミには様々な意見や考えが掲載されていますが、その中でも動物への対応や扱いの部分を主に抽出し要約しています。福利厚生や人間関係、給料や昇級、昇進に関わる内容は省いています。あくまで動物に対してどのように接しているのか、生体管理、飼育環境、会社の方針といった意見を集めてみました。
※口コミの多い大手就職・転職サイトの三社の内容を確認しています。※対象としたペットショップは、店舗数の多い大手と呼ばれる会社を選んでいます。※ペットショップの店名などは伏せています。(A社、B社などと表現)※コメントは要約して掲載しています。転載はしていませんのでニュアンスに多少の違いが生じている場合があります。※コメントが全て正しいかはわかりません。会社へ不満があれば悪く書かれていることも考えられます。
▼目次
C社の就職・転職サイトの口コミ(540件より抽出)
飼育環境・衛生面
店舗にいる頭数に対してスタッフが少ないので生体の管理や清掃が出来ない。
生体の頭数の割にスタッフの数が少なく犬猫が可哀想だと思いました。ひたすら犬舎猫舎のお掃除で一日が終わってしまうことも多く、鼻が曲がるほど臭い汚いといった現場の状況でした。
衛生面は綺麗な方だとは思うが虫が湧くこともある。これは仕方ないと思う。
犬舎の床の汚れや設備の破損などは目に付くくらいにある。ゴキブリも多いです。
店舗自体が古すぎるのかゴキブリがたくさんいる。
3ヶ月在職していた時に合計5頭亡くなりました。衛生面が悪く猫が獣臭いとクレームを受けました。
-> 衛生面の悪い口コミから慢性的な人手不足を感じられる。
体調管理・給餌等
たくさんの業務を抱えているため、動物たちのケアに時間が取れません。ケアしてあげたくても他のことを頼まれるので可哀想に思うことがあります。
生体のお世話のマニュアルはないので店舗で対応が変わる。給餌量も人それぞれになっているところが多く、太っていたりガリガリだったりがいる。生体の体調が悪くなっても会社は経費で病院代を出してくれることがほとんどない。
病気などで亡くなってしまう子もかなりいます。入荷時点で弱っている子もいるのでそこは改善をしてもらいたかった。
体調を崩す子犬や子猫がいても適当な薬で対処していることがありました。
犬猫の管理が悪く、病気になった犬猫はバックヤードのダンボールなどに押し込められていることがありました。投薬もバイトがしていたこともありこんなお店では絶対に買いたくないと思っていました。
-> 動物病院へ診てもらうかの判断はどうなっているのだろうか?
会社の方針・活動
売上重視の会社で、風邪や下痢をしている子でも売れそうだったら従業員の裁量で引き渡せるかを判断するくらいいい加減でした。クレームも頻繁に起こりトラブル防止のために保険加入をしつこく進めていました。
売上は大事ですが犬猫のことを考えて誰にでも売りつけるのを止めて経済面や愛情面を考慮して迎え入れてもらうのがいいと思いました。
動物を好きな人が甘い気持ちで仕事に携わると厳しい現実を見ることになる。上の人達は売上しか見ていないので売上が少ない月が続くと本部から相当な指導があってストレスで辛かったです。
-> 売上はインセンティブも含めて会社も個人も意識するところなのだろう。
その他
猫カフェは避妊手術が一切されていなかった。性別は全て同性にして管理しているので妊娠の心配はないもののマーキングや発情のせいでよくケンカは大声で鳴いていました。生体のストレスになっていると思うのでどうかと思った。
病弱な子が立派に成長して飼い主が見つかったのはとても嬉しく思いました。
-> 病弱な子でも販売してしまうということか。
O社の就職・転職サイトの口コミ(469件より抽出)
飼育環境・衛生面
バックヤードや休憩スペースでも生体を扱うことがあるため、汚かったり臭いが気になる部分がある。お客様の目に触れにくい場所は管理がおざなりになっていた。
バックヤードが不衛生でした。小型のペットは適当な箱やカゴなどにいれられていたりもします。管理が悪い部分が目に付きました。
私が勤務していた店舗では犬舎をまめに確認し糞尿の片付け等を行っていたため、衛生面で評価されていました。
社員の動物に対する知識が乏しかったため生体の管理や飼育環境が不十分でした。社員が販売する商品(生体)の基本的な知識を持たず対応されているのが不満でした。
-> 衛生面は店によって結構変わる感じに思える。
体調管理・給餌等
お腹を壊したり咳をしていたりなど体調が良くない子の面倒をしっかり見ていたので動物好きならやりがいを感じられると思います。
母犬、母猫たちは無理矢理繁殖させられます。また、散歩も連れていけず子どもを産むだけになっていたのが可哀想でした。
動物虐待の現場だと思いました。幼犬、幼猫は親からすぐ離され段ボールに詰められます。食事は水と栄養剤を口の中に注入して食べさせますが、はき戻しする子は可哀想でした。鳴いている子を店頭に並ばせるのは心苦しかったです。
動物達の扱いが酷くて辞めました。辞める際に上司に直接訴えましたが聞く耳持たずでした。
-> 繁殖犬・猫の扱いはどのペットショップや繁殖業者でも同様だと思う。人によっては耐えられない方もいるというのが伝わる。
会社の方針・活動
ペットショップ以外に保護猫カフェも営業している店舗もあり動物愛護活動も行っています。
-> 社会貢献・CSR活動はどこの企業でも行われている。
その他
スタッフの中には乱暴に犬猫を扱う人もいたので不快に思われる方もいます。
上司から保険を外して販売すると叱責されました。全てのお客様に保険を付けることは難しいのですが、保険を外して販売した時の報告がとてもストレスでメンタルにきていました。
-> 保険は保険会社からのマージンがあるのでペットショップにとっては必須にしたいということか。
K社の就職・転職サイトの口コミ(955件より抽出)
飼育環境・衛生面
控室やバックヤードはあまり綺麗じゃなかったと思います。
ペットショップの中ではお店の動物臭は少ないと思うので、衛生面はレベルが高いと思う。
-> 感じ方は人それぞれな面があるか店舗によって異なるのか。
体調管理・給餌等
病院もあり管理はしっかりしていたと思うがウサギや鳥などで診察出来ずに亡くなる動物もいた。
売るために幼い動物ばかりで病気になる子も多かったのは賛同できなかった。
朝出勤すると小動物やケージにいたはずの動物がいなくなっており探さないといけないことがありました。
-> 動物好きの方が働くと心苦しい一面がどうしてもあるというのが伝わる。
会社の方針・活動
新しい家族になられた方のアフターフォローがとてもしっかりしている会社だと思います。
法律を順守しており虐待などは一切ない。
法令遵守の姿勢がとても強いのは安心だと思う。
殺処分ゼロを目指している。
-> しっかりしている会社という評価。
その他
ペットに対する気持ちや熱量が他のペットショップと比べると違うと思う。ペットを大事にされていると思う。
ペット業界の中で1番動物思いな会社だと思います。
ペットショップということで偏見を持たれたりもしますが、動物愛は本当に強い会社です。
ペット業界はネット上で闇があるとか酷いことをしているような話を噂されますが、こちらの会社で働くとその情報がいかにフェイクニュースだったのかわかります。ペットをパートナーとして本当に大切に扱っていると思います。
ほとんどの客がおかしい。おかしい客にも基本的には動物を売らないといけないのが心苦しかったです。
少し大きくなってしまった動物を従業員が安く買い取っていたりします。
働く人達は犬猫が好きで大切にしていた一方、売上優先の店舗もあって腑に落ちないこともあった。
-> 動物に対して誠実な対応をされている意見が多い。
P社の就職・転職サイトの口コミ(923件より抽出)
飼育環境・衛生面
ペットショップの中では一番衛生管理が行き届いていると思う。
バックヤードが汚い店舗もあった。掃除が行き届いているとは思えず、お客様に見える範囲しか清掃をよくしていない感じでした。
生体価格が下がってきて経費削減の風潮がありました。消毒液の使用にも気を使わないといけないこともあり衛生面を含めて今後が不安になりました。
-> やはり意見はまちまち。人によるものか店舗による違いがあると思われる。
体調管理・給餌等
生体をとても丁寧に扱っています。ペットショップの批判の声を昨今よく聞かれますがそんなことは全くない会社だと思います。
動物の管理はよくされていると思うし、法令遵守は業界でもトップクラスだと思います。動物を大事にする一方で人はあまり大事にしていないと思います。
私がいた店舗では犬猫のお世話する人が決まっていて店長は全く見ていませんでした。体調を崩してしまった時でもお世話係の人が全てやっていて仕事のやり方に疑問を感じていました。
生体を売るために下痢の子でも店頭に出します。症状がひどければバックヤードに戻しますが可哀想でした。ただし、これでも他のペットショップよりマシだと思っていました。
知識と経験の浅いアルバイトスタッフに生体の管理を任せっきりになっていることがあった。動物に対して怒りをぶつけているところを見たこともあり嫌気がさしました。
-> 生体管理は良いコメントが見られる一方、扱いの酷さを感じられていたスタッフもいたということ。
会社の方針・活動
ペットショップは批判されることが多いと思っていたが入社してみれば思っていたものと異なり、動物の飼育環境や健康面の配慮がよくできている会社で驚いた。
ペットショップの中では人とペットの共生についてしっかり考えた事業展開をされていると思います。
遺伝子病を減らしたりなくすための活動を行っており、またブリーダーなどの飼育環境改善を行い業界をよくしようと努力されている会社です。
-> CSR活動は大手ペットショップはどこも力を入れるようになってきているのがわかります。
その他
生体への愛情や法律遵守の面でもスタッフがしっかりしていた印象です。
数ある大手ペットショップの中で一番生体に対して優しい会社だと思います。
子犬や子猫をとにかく抱っこさせてどうにかして売りつける感じがありました。
たくさん売る人が偉いみたいな職場でした。
-> 商売なのでどうしても仕方ない面はありそう。
A社の就職・転職サイトの口コミ(310件より抽出)
飼育環境・衛生面
店が汚い。絶えず人手不足なのでほこり毛が落ちてしまっていることが多い。
店舗によってはバックルームが狭い店がありました。傾向としては都心は狭く、地方の方は広かったと思います。
ペットを扱う場所なので虫が湧いていたりすることがあります。
-> 衛生面はあまり良くないらしい。
体調管理・給餌等
ドッグトレーニングに力を入れている。
人によって動物を商品としてしか見ない人もいるので動物が好きな人との温度差がある。動物好きにとってはきつかった。
動物に詳しくない上司も中にはいます。
-> 職場環境に疑問を感じる意見が多い。
会社の方針・活動
盲導犬の寄付など動物愛護活動も行っています。
-> 良い面もある。
その他
別事業から分社した会社ということもあり、動物のエキスパートというより商品の販売に注力している会社だと思います。
お世話していた動物が亡くなるのは悲しいですが、それよりも何故亡くなってしまったのか、今後の対策は、商品の後処理など業務に負われるのが大変と感じる方には向きません。
エリアマネジャーやそれより上の立場の人達は動物のことを何とも思っていない。
-> 仕事の大変さを物語られている。
以上になります。個人を特定する内容や内部事情に詳しい内容、特定の店舗と分かってしまうような書き込みはありませんでしたが、ペットショップの動物に対する扱いや対応が垣間見れる部分はあったと思います。書き込みは個人の見解であり、その方が会社に対して良い印象であったか悪い印象であったかでも内容が異なってくる部分もあると思います。全ての書き込みが事実であるとは言えないかもしれませんが一定の参考になれば幸いです。