飼い主に何らかの事情で捨てられる猫
その猫達は捨てられた後、どうなるのでしょうか?捨てる側の飼い主の希望的観測のみならず、厳しい現実を踏まえて考えていきます。
仔猫は保護者がいるか、成猫はエサを確保できるか、生死の分かれ目
産まれたての赤ちゃんは言うまでもなく、生後数ヵ月の仔猫も自分でエサの確保はできないでしょう。捨てられたその場所にミルクやキャットフード、残飯なんてないでしょうから。
エサを自分で確保できないとなると保護者が必要になってきます。特に産まれたての赤ちゃんの場合は、エサだけでなく雨風、ちょっとした寒さでも命に関わる時期。一刻も早く保護者を必要としています。保護者が現れるか否かで生死が大きく変わってくると言えます。
成猫については、これまで飼い猫であった場合、エサは飼い主から与えられたもの。ドライフードやウェットフードが主食だったのではないでしょうか。
そして、エサは飼い主から与えられるものとして生きてきたと思います。自分で獲るものではないのです。そんな猫が知らない土地に捨てられてしまったとして、エサをどう確保しろと言うのか。
突然、ネズミを狩るようになる可能性もあるのかもしれませんが、これまではエサを与えられて生きてきた猫。ゴミを荒らしたり、人にすり寄って依存することでしかエサは得られないのではないでしょうか。いずれにせよエサの確保が生死に大きく関わってくることは確かだと思います。
さて、ここからは厳しい現実を踏まえ、産まれたての赤ちゃん、生後数ヵ月の仔猫、大人の猫の行方を考えていきます。
産まれたばかりの仔猫の場合
- 気温の低い日、雨の日、条件が悪い場合、一晩にして命を落とす。
- 運良く人に見つけてもらっても、連れて帰ってもらえなかった。じきに命を落とす。
- 運良く人に見つけてもらって連れて帰ってもらったが、保護された環境が悪く命を落とす。
- 保護した人が警察、または、保健所に届ける。結果、殺処分。
- 保護した人が飼えず、里親募集をしたが見つからず、保健所に引き取ってもらった。結果、殺処分。
- 保護した人、または、里親になってくれる人に飼われて飼い猫として過ごす。
生後数か月の仔猫
離乳が終わり、母猫も少しずつ面倒を見なくなり、仔猫自身でもあちこち歩き回れる頃。こんな時期に見知らぬ場所に捨てられた場合、どこに行けばいいのかわからない。雨風しのげる静かな場所を求めて彷徨います。
- 山などに放り出された場合、自分で狩りができずに飢えて野垂れ死ぬ。
- ネズミは捕ったことはないが本能で手を出す。後はその牙で殺せるかどうか。殺せれば食い繋げ、殺せなければじきに野垂れ死ぬ。
- 彷徨い歩くうちに交通事故で死亡。
- 人家などを見つけたものの、縄張り内の野良猫とケンカになり、怪我を負う。じきに弱り命を落とす。
- 人家などを見つけて、ゴミを漁り、人から餌をもらい、食い繋ぐ。じきに狩りも覚え、立派な野良猫として生きる。
- 警戒心なく人に近付いた為、捕獲されてしまう。その後、保健所に届けられ、里親も見つからず、殺処分。
- 飼い主と同じ脊椎動物を見かけて、いつものように近寄ったらたまたま良い人だった。餌をもらい外猫として過ごす。
- 保護した人、または、里親になってくれる人に室内で飼われて飼い猫として過ごす。
大人の猫
完全室内飼いとして長年生活してきた。外の世界は知らず、夏は暑い、冬は寒い。これまで居た世界とは違う世界に放り出されてしまった。しかし、飼い猫であった為、体力もあり牙も鋭いものを持ち合わせる。
- 山などに放り出された場合、自分で狩りができずに飢えて野垂れ死ぬ。
- ネズミは捕ったことはないが本能で手を出す。後はその牙で殺せるかどうか。殺せれば食い繋げ、殺せなければじきに野垂れ死ぬ。
- 彷徨い歩くうちに交通事故で死亡。
- 人家などを見つけたものの、縄張り内の野良猫とケンカになり、怪我を負う。じきに弱り命を落とす。
- 人家などを見つけて、ゴミを漁り、人から餌をもらい、食い繋ぐ。じきに狩りも覚え、立派な野良猫として生きる。
- 警戒心なく人に近付いた為、捕獲されてしまう。その後、保健所に届けられ、里親も見つからず、殺処分。
- 飼い主と同じ脊椎動物を見かけて、いつものように近寄ったらたまたま良い人だった。餌をもらい外猫として過ごす。
- 保護した人、または、里親になってくれる人に室内で飼われて飼い猫として過ごす。
以上になります。大人の猫でも、完全室内飼いの箱入り猫は、狩りをして自活するのは難しいと思われます。飼えなくなる事情は様々かと思いますが、飼い猫達の行末は、飼い主の愛情にかかっています。