野良猫を見かけることがそれなりにある駐車場。マンションの駐車場や月極駐車場、パチンコ屋やスーパー、コンビニの駐車場でも見かけることがあります。
そこで何をしているかと言えば、車の下や物陰でじっとしている。人が近づけば逃げる場合がほとんどですが、餌を与えようと匂いがすれば近寄ってくる子もいます。
他にも陽当たりのいい場所で日光浴していたり、我が物顔でボンネットに陣取っている子もいるかもしれません。
野良猫の目撃談の多い駐車場。どうして駐車場にいることが多いのかをまとめました。
▼目次
- 駐車場は猫にとって都合の良い環境
- これが一番の理由、駐車場で餌やりする人がいる
- 餌やりする人にとっても都合が良い場所
- 捨て猫されやすい場所でもある
- 居着かれてしまうと駐車場の利用者、管理者どちらも大変
駐車場は猫にとって都合の良い環境
野良猫が外の世界で快適に過ごせる環境なんてほとんどありません。その中でもそれなりに良い場所と言えるのが駐車場なのかもしれません。
人通りが少ない
人の出入りがそこまで多くない駐車場であれば、人と出くわすことも少なく車の出入りも頻繁ではないと思われます。野良猫は、自分の身の安全を守るために必要以上に人と接することはありません。人通りが少なくのんびり過ごせるような場所は野良猫にとって好都合なのかもしれません。
雨風しのげて身も隠せる
車の下は、雨が降れば雨宿り。人が近づいてくれば身を隠せます。また、前後左右が塞がっているわけでもありませんので、車の下から逃げるにしても容易です。仮に人が捕まえに来ようとしても十分逃げ切れることをよくわかっています。逃げ隠れしやすい点も悪くない場所と言えます。
暖を取れる
毛皮で覆われた猫と言えど冬は寒い。暖を取りたいところですがそう都合よくいい場所があるわけではありません。お出掛けから帰ってきた車は、エンジンの熱で暖かいです。また、陽当たりが良ければボンネットの上もポカポカなことだってあります。エンジンルームにまで入り込んでしまう猫もいるくらいなので、野良猫も冬は暖を取りたいというのがよくわかります。
高低差のある場所も好み
猫って高い所に登るのが好きです。
高見の見物ではありませんが、周囲を見渡せる高い場所は自分の居場所を確保しておくための監視場所として有効です。加えて、猫同士の縄張り争いやケンカといった事態があった場合も高所を取っている方が有利です。
車の上のみならず、外壁など高低差のある場所が多いことも好まれている可能性があります。
適度な広さ
駐車場に居る猫は一匹や二匹といった数ではないこともあります。それこそ多ければ十匹くらいはいるんじゃないかってくらいの場所もあるくらいです。それくらいの数になるとそれなりの広さも必要になりますが、十分な広さと言えるのも駐車場の良いところです。
また、猫の集会と言われるような夜な夜な猫達が集まるような会合も適度な広さがないとできません。広いのも利点だったりするかもしれません。
場所によっては通り道
場所によっては、になりますが。駐車場って結構広いのでこっち側と向こう側の道を行き来するのに良いショートカットになる場所もあります。通り道として使いやすい縄張りの一部になっている可能性もあります。
これが一番の理由、駐車場で餌やりする人がいる
これが一番というよりこれが全てかもしれません。駐車場に猫が居着いている場合は必ず餌やりする人がいます。
例えば人が住んでいない民家にネズミは居着きません。餌がなければ居着かないし、餌があるから人に駆除される危険を冒してでもそこに棲み付くわけです。猫も同様、人に捕まったり車に撥ねられるリスクを考えれば、人の住んでいない場所に移動すればいいはずです。そうしないのは餌があるからです。
一度でも餌をもらえたら次もありつけると思ってその場所に出入りするようになります。一匹の猫がそこに出入りすれば、他の猫もそこに餌があることに勘付いてやってきます。(餌をもらっている猫の行動を見たり、餌のニオイを嗅ぎつけて)餌やりする人が一人でも複数人でも定期的にその場所でやり続ければ、猫達はその場所を中心に行動するようになります。
餌やりする人にとっても都合が良い場所
猫が集まってきても駐車場なら人目につきにくい。罪悪感を持ちつつも餌やりしている人ならこうでしょうね。
本来、駐車場の敷地は他人の土地です。駐車する用事もなく無断で立ち入るのも悪いことのはずですが、場所によっては出入りのしやすい作りであるのも立ち入るハードルを下げているのかもしれません。もしくは、駐車場内に立ち入らずとも駐車場付近に置き餌することも考えられます。また、車通りの少ない場所であれば人通りも多くありません。時間帯によっては(夜中や早朝など)人目を気にせず餌やり出来る場所とも言えると思います。
その他、駐車場の利用者も窓からポイッと食べ物を投げて餌付けするような人もいます。本来、車に近づくことは猫にとって危険なことですが、車を見つけると距離を保ちながらも近寄ってくるのであれば、車から投げられる餌を待っている可能性があります。
コンビニの駐車場でも餌付けしてしまう客がおりますが、これも昼間の混雑した時間帯や人目に付きやすい日中より夜間で人が少なく店員の監視の目も光っていない時間帯の方がやりやすいことでしょう。
捨て猫されやすい場所でもある
猫が居着いているような駐車場では、捨て猫もされやすいかもしれません。他の猫がたくさんいれば、一緒に生活していける、餌やりをしている人がいれば餌に困ることもない。捨てることへの罪悪感が薄れます。
例えば、猫を捨てるとして車に乗せてやってきたとしたらどうでしょう?人目につきにくい場所に駐車して、ドアを少し開けて猫を放してあげる。車から降りて放してあげるのでも同様ですが、車が死角になって人に見られず猫を放してあげることができます。
居着かれてしまうと駐車場の利用者、管理者どちらも大変
ちなみに、駐車場が野良猫のたまり場になってしまうと利用者も管理者も大変です。
車は汚されたり傷つけたりするし、置き餌や糞尿で周辺は汚損されます。酷い状況になれば、猫のエサにつられてカラスがやってきてもおかしくありません。入出庫するにしても猫を轢いたりしないように注意をしなくてはいけなくなりますし、エンジンルームに入ってしまっていないか心配にもなります。
また、駐車場の清掃や草むしり等は管理者の仕事です。普段の清掃の他に残飯や糞の始末をすることになります。加えて、ゴミもそのままポイ捨てされることもあります。
他にも場所によっては、子供が猫を追いかけて駐車場内に入り込んで来てしまうことさえあります。特に何もなければいいかもしれませんが、余計なトラブルの元です。
駐車場の管理者や利用者が許可を得た上でエサやりしている分には問題ありませんが、許可もなく、ましてや部外者がやっているとすれば不法侵入、不法投棄といった法的な話を持ち出さなくても大問題であることはわかるでしょう。
野良猫が駐車場にいる理由は以上の通りになります。猫が好んで駐車場を選んでいるわけではなく、人の都合でその場所に居着いてしまっているのが実態と考えられます。