野良猫・地域猫に関するガバメントクラウドファンディング(令和3年10月調べ)

『ガバメントクラウドファンディング』(Government Crowd Funding、GCF)

特定の目的のために出資を募るクラウドファンディングの地方自治体版とも言われています。詳しくは知らなくてもどこかで耳にされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

GCFは、ふるさと納税の仕組みを利用されているため、ふるさと納税と同じように寄附金控除が適用されます。また、案件次第ではありますが返礼品もあったりします。

大枠は一般的なふるさと納税と近しいGCFですが、大きな違いは寄付したお金がどこで何に使われるかはっきりしている。という点でしょう。
一般的なふるさと納税は返礼品目当てに探される方も多いと思いますが、GCFの場合は寄付金の使い道を見て選ばれると思います。そうした意味で寄付する側の目的が異なると言えるかもしれません。

さて、GCFには様々な案件がありますが、その中に野良猫や地域猫に関する保護や活動を支援するものがあります。
例えば、「人と猫が共生できる街づくり」「殺処分ゼロを目指して」「不幸な猫の命を守りたい」など、こうした目的で支援を募っていらっしゃいます。

本記事では、「ふるさとチョイス」のサイトよりガバメントクラウドファンディングの猫に関するプロジェクト(PJ)を確認し、まとめました。
まとめの視点としては、PJ総数※、地域別PJ数集計、活用方法別集計、目標金額別集計、返礼品の有無・内容といたしました。

※「ふるさとチョイス」のガバメントクラウドファンディングより抽出。

ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング

https://www.furusato-tax.jp/gcf/

※2021年10月11日確認時点のプロジェクトを対象。(対象期間:2017年6月~2021年12月(受付中含む))
※受付終了分も含みます。
※個別のプロジェクト内容は、「ふるさとチョイス」のサイトにてご確認ください。

▼目次

  1. 野良猫や地域猫に関するガバメントクラウドファンディング(GCF)総数
  2. 寄付金活用方法別集計
  3. 目標金額別集計
  4. 返礼品の有無・内容

野良猫や地域猫に関するガバメントクラウドファンディング(GCF)総数

対象期間 プロジェクト数
2017年6月~2021年12月 54

2017年6月~2021年12月の期間内で、54のプロジェクトが募集を行っておりました。
また、都道府県別で集計をしてみると以下の通りとなりました。

都道府県 プロジェクト数
長野県 11
山形県 7
岡山県 5
大阪府 4
徳島県 4
愛知県 3
茨城県 3
山口県 3
佐賀県 2
新潟県 2
静岡県 2
兵庫県 2
広島県 1
香川県 1
山梨県 1
神奈川県 1
福岡県 1
和歌山県 1

一部の地域で積極的に利用されているのがわかります。ただし、サンプル数は少ないので一概にも言えません。
むろん、きちんと予算を取って対応されている自治体も少なくありませんし、野良猫や地域猫といった飼い主のいない猫がいない(少ない)地域では必要のないプロジェクトとも言えます。
少なくとも募集を行う地域ではこうした問題が発生していると考えていいと思います。

寄付金活用方法別集計

野良猫や地域猫に関するGCFの寄付金は、大まかに区分けをすると以下のようなものに使われるとしています。

活用方法 プロジェクト数
不妊・去勢手術費 20
不妊・去勢手術費および動物愛護活動費 13
地域猫活動推進 12
動物愛護団体活動支援 7
不妊・去勢手術設備・器具費 1
保護シェルター建設費支援 1

不妊・去勢手術費(および動物愛護活動費)に活用するプロジェクトが全体の6割を占め、地域猫活動推進が2割弱、動物愛護団体活動支援に1割強、動物愛護センターの設備・器具費の利用や保護シェルターの建設費といったものもありました。
この他、監視カメラ設置費(動物遺棄の抑制)に充てると具体的な用途が書かれたところもありました。

また、地域猫活動でも不妊・去勢手術は行われますので、ほとんどの用途に不妊・去勢手術費が含まれると言えそうです。
このため、飼い主のいない猫の対策として不妊・去勢手術や地域猫活動に賛同しない方には、参加しづらいクラウドファンディングになってしまっていると言えるかもしれません。

目標金額別集計

寄付金募集の目標金額について、最高額、最低額、平均額、中央値を集計しました。

目標金額の最高額 24,000,000円
目標金額の最低額 1,000,000円
目標金額の平均額 2,285,185円
目標金額の中央値 1,000,000円
終了分の寄付金最高額 25,297,996円
終了分の寄付金最低額 1,003,000円
終了分の寄付金平均額 3,857,163円
終了分の寄付金中央値 2,029,492円

寄付金最高額のプロジェクトは、佐賀県の「保護シェルター建設プロジェクト」。目標金額:8,000,000円に対し、3倍以上と大きく上回りました。
また、これまで募集したプロジェクトは、目標金額を全て達成しておりました。動物愛護を目的としたGCFは、多くの関心を集めていると考えられます。

返礼品の有無・内容

有り 無し
22 32

返礼品の内容

  • カレンダー
  • 猫砂
  • 石鹸
  • ビール
  • 陶器
  • ステッカー
  • クリアファイル
  • バッチ
  • ポストカード
  • 米・肉・酒などの食品類

返礼品は、カレンダーが一番多いようです。11件ありました。
返礼品目当ての方は少ないかもしれませんが、何かしらお礼を形に変えて行っているところがあるようです。


以上、野良猫や地域猫の保護・活動に関して、ガバメントクラウドファンディングを活用する自治体をまとめてみました。
現状は一部の地域での利用に限られているようですが、まだ始まったばかりの制度ということもあり今後の広がりもありえます。
税金の使われ方に関心のある方、動物愛護、地域環境の改善に興味がある方は、こうした制度を利用してみるのも納税方法として良さそうですね。

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のらねこらむプロフィール

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のらねこらむ管理人

2017年4月に新居へ引っ越した直後から野良猫に悩まされる。
日々、野良猫との領地争いを繰り広げています。

対策グッズのほとんどは、実際に買って・試した結果をまとめたものです。
当サイトの情報が皆様の野良猫対策の助けになれば幸いです。
詳しいプロフィールは、こちら

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