子供が捨て猫や野良猫を拾ってきてしまうこと。意外とあると思います。
管理人も子供の頃にダンボールに入れられた子猫数匹を暗がりの道で見つけたことがありました。その時、連れて帰ったりはしなかったのですが、親に相談したらやっぱり飼えないし、拾って来ちゃダメだよ。って言われたと思います。
私も自分が同じ立場、自分の子供が捨て猫を拾って来てしまった時のことを考えるとどう説明するのがいいものか、悩んでしまうものです。
おそらく多くの親御さんは、うちでは飼えないからと伝えた上で、
「元いた場所に置いてきなさい」「警察に届けてきなさい」「捨ててきなさい」
と言ったことを伝えるような気がします。最後の捨ててきなさいは酷い話だとは思うのですが、現実問題これを言ってしまう方もいるのではないかと。
この答えがいいか悪いかはさておき、子供が連れて帰って来れるような猫なので、子猫の場合が多いと思います。
少し、子猫でだった場合を考えてみます。
もし子猫を元いた場所に戻した場合、どうなるかを考えてみる。
野良猫の子供であれば、母猫がいるはずです。すぐに戻してあげれば、育児放棄の可能性も低く母猫が引き続き面倒を見てくれると思われます。
しかし、数日間預かってから元に戻すなどをした場合は、育児放棄の可能性が高まるので注意が必要です。
よく言われるのが、人間の臭いがついてしまうと身の危険を感じて、母猫が面倒を見なくなる。というものですが、面倒を見なくなる傾向がより高くなるのは、人間にエサを与えられて食べている場合です。子猫がまだ小さく、排泄を母猫が手伝っている場合、便の臭いが自分で与えたミルクと違うことに気付きます。母猫が臭いの違いに気付いてしまうと、警戒をしてしまい育児放棄をするきっかけになり得るということです。
また、野良猫の子猫というものは、基本的には母猫が人目につかない場所に隠しているもので、子供が見つけられるような場所にはいません。そう考えると母猫からはぐれてしまったり、母猫にアクシデントが起きていたりも考えられます。
それでは母猫がいなかったり、母猫が面倒を見れない状況にあったり、はたまた捨てられた猫であった場合、どうなるか?
子猫が外で生き残れる確率はまずないでしょう。食べ物の確保は自分でできませんし、外敵から身を守る術もありません。気温が低かったり、雨が降ればその日のうちに命を落とすことだって普通にあることです。
これらを考えてみると、子猫を元にいた場所に置いてくる行為は、命を見捨てることに繋がる行為だということです。
命を見捨てるようなことをしたくない場合は、元にいた場所に置いてこさせたり、捨てに行かせることは止めておくべきでしょう。
警察に届けた場合、どうなるかを考えてみる。
次に、警察に届けた場合、猫はその後どうなってしまうのか?
警察署では、猫の引き取りは行っていませんが、落とし物であれば遺失物として扱ってくれます。
しかし、拾った状況にもよりますが、ダンボール箱に入れられていた、子猫が道端に座り込んでいた。などの状況であれば、落とし主がいないと判断されます。
落とし主がいない=飼い主がいない猫と考えられる場合は遺失物扱いにならず、警察でも保護をすることはできませんので、動物愛護団体に連絡を入れてくれるか、管轄の保健所に引き渡すということになるでしょう。
そして、動物愛護団体や保健所に引き取られたとして、その後、幸せに暮らせるかはまた別の話です。保健所に引き取られた場合は、1週間以内(子猫の場合は早ければ一両日中)に飼い主が見つからなければ殺処分の確率が高いことを知っておくべきでしょう。
動物愛護団体や猫ボランティアの方に引き取ってもらうのは?
元の場所に戻しても、警察に届けてもいい結果にならないと考えるなら、愛護団体や猫ボランティアの方に保護してもらうのはどうでしょうか?
愛護団体だから、猫ボランティアだから保護して面倒を見てもらえる。
これも実は虫のいい話で、自分では面倒を見ることをせず他人に世話を一方的に頼むようなものだったりします。
愛護団体の方や猫ボランティアの方にも自分の仕事や生活をする中、少しでも動物達の力になれるように活動していらっしゃるわけです。自分の子供が拾ってきた猫なので、親に責任があるのは当然だと考えると、保護してもらえるのを期待するより、相談して良きアドバイスをいただける期待をするのがいいんだと思います。
保護して里親を見つけるのがいいのかもしれない
できれば一時的に保護をしてあげて、里親を見つけてあげるのが一番なのでしょう。
うちでは飼えないけど、ちゃんと暮らしていけるようにできる限り世話をしてあげて、飼い主を見つけてあげる。お子様の教育上、責任を持った行動のお手本にもなると思うので、手間はかかるけど猫にも自分達にも悪くない方法ではないでしょうか。
経済的、時間的、飼育スペース的な問題がクリアできるなら保護して里親を探してあげるのが一番だと思います。
怪我をしていたり弱っているなら動物病院で診察を
拾われたその猫が怪我をしていたり弱っていたなら動物病院で獣医さんに診てもらうのがいいでしょう。特に子猫がそのような状態であるならできるだけ早くに。
動物病院によっては、捨て猫や野良猫の場合、猫エイズや白血病、猫風邪などの心配もあるので、診療時間外での診療になる場合もあります。事前に動物病院に電話連絡をし、事情を説明してから受診しにいくのがいいでしょう。
また、治療費も合わせて確認しておく方が無難です。手持ちが足りなかったら大変ですから。
子猫の飼育方法に関してもよくわからない場合は、お聞きしておくのもいいかと思います。
※治療費は基本的には連れて行った方が支払う必要があります。善意で動物病院の方が無料で診てくれる場合もあるかもしれませんが、動物病院も慈善事業ではありませんので診察と医療処置を行えば対価が必要となります。
一時的に保護すらできないなら・・・
住まいがペット不可だったり、家族が猫アレルギーだったり、共働きで日中の面倒が見れない。保護すらままならない場合もあります。
事情によっては、今まで述べてきた内容なんて単なる正論で、現実問題できるできないがある。
それに、動物に対する気持ちって人それぞれ。猫だから可愛い、可哀想なんて思っている人(親)ばかりじゃない。世話だって、子供が自分でやる。って言ったって、学校に行っている間は、私(親)が見なきゃいけないんだから。そんな暇ないし、お金ないし、世話する気なんてなかったら、保護して里親見つけるのすらまっぴら。世の中、動物が嫌いで、動物を飼いたいって子供が考えたら困るから動物園にすら連れていかないなんて家庭もあるんだから。
そう考えると
「元いた場所に置いてきなさい」「警察に届けてきなさい」「捨ててきなさい」
この答えって、子供には伝わらないけど、子供が親になって同じような立場になったとしたらその時にちょっとは理解してもらえる伝え方なのかもしれません。(理解せずとも反面教師になるのだっていい)
割り切って、こういう世の中の非情さ、理不尽さを、幼いうちに感じておくのも大事な体験(経験)の一つなのかもしれません。
大人の勝手な都合を押し付けるようなものかもしれませんが、現実問題難しければやってあげたいことだってできないこともありますので。やはり、自分達のできる範囲のことを考えて、できることをするのがいいのだと思います。
以上になります。放っておけば失うと分かっている命とお子様の優しさからの行動。良心に従えば保護して飼ってあげる、里親探しをしてあげるのがいいのかもしれませんが、経済的、時間的、将来的なことを考えてしまう大人です。全て正しいことができるのかというと難しいのが現実だと思います。