「猫は死期が迫ると飼い主の前から姿を消して、ひっそりと亡くなる。」
そんな話を祖父母など少し上の世代の方達から耳にすることがありますね。
結論からいきますと、体を回復させるために静かな場所でじっとする。治らなければその場で亡くなる。ことがあります。
で、終わりなのですが、根拠を知りたい方、もう少しこの記事にお付き合いください。
野生動物は、弱っている時が一番狙われやすい
野良猫、飼い猫は野生動物ではありません。が、これは本能的に備わっているもの。
弱っている時に、天敵に見つかる=死ぬ(殺される)
そうなったら天敵に襲われる心配がなく、静かな場所で回復をじっと待ちます。そして、回復ができなければその場で死を迎えることもあります。
死にそうなヤツの近くには近寄らない
これも動物の本能。体が弱っていて、天敵に狙われそうな危険があれば、弱ったヤツには近付きません。群れで行動していれば、自ら群れから離れたり、追い出されたりします。
猫はとても嗅覚が優れています。その弱った猫の匂いで、体調の良し悪しを判断できるようです。「人間が癌を患うと、癌の匂いで猫が近づかなくなる。」そのような話が聞かれるのも優れた嗅覚を持っているためでしょう。
飼い猫は姿を消すのか?
完全室内飼いの猫も体調が悪い時に、押し入れ、タンスの上、ソファの下、靴箱の下、屋根裏など暗くて静かな場所に隠れる事があります。
飼い猫の場合は、弱っていると飼い主が面倒を見ようと干渉してきますし、普段いるお部屋はテレビの音や飼い主の話し声でうるさいと感じているかもしれません。飼い主との信頼関係ができていたり、過去に治してくれたという記憶があったとしたら、隠れずに飼い主の側にいるかもしれませんね。
また、放し飼いの場合は、療養場所を求めて外の静かな場所に行くことがあります。(死ぬ前に目を悪くする猫もいるため、迷子になっている場合もあるかもしれません)
最後にちょっとした対比
迷信を信じている飼い主の目線
「猫ちゃんが自分の死期が近いことを悟り、良くしてくれた人を悲しませないように姿を消す」んだと思います。
敷地内で猫に死なれて大変な目に遭った人の目線
以前、裏庭の物陰に猫が入り込んで死んでいました。少し時間が経っていたため、酷い腐臭と大量の蛆虫の発生。狭い場所だったのでそこから出すのも大変で、ビニール袋に入れるまで、数時間もかかりました。
その後、役所に電話をして、引き取りに来てもらいましたが、とても大変な目に遭いました。
放し飼いの飼い主、野良猫の餌やりだけをする人達は、自分の見ていないところで何をしようと見て見ぬふり。挙句の果てには、「死期が迫ると悲しませないように姿を消す。」などとセンチメンタルな気分に浸る。後始末は人任せ。無責任なだけでなく、責任を人に押し付ける。本当に迷惑です。
※特に他意や悪意はありませんが、放し飼いの猫や野良猫の被害に遭っている人は、こんな憤慨をしていることも・・それだけ飼い主や餌やりをする人の見えないところで大変な目に遭っていることがあります。
以上になります。猫には「死」という概念はありませんから「もうすぐ死ぬから静かな場所に行こう」と思っているわけではありません。食物連鎖の頂点に立つ人間から見れば、その行動があたかも死期の迫った猫が身を隠してしまったように見えるのです。