鈴の付いていることが多い猫用の首輪。
犬の首輪ではまず見ないものですが、なんで猫の首輪には付いているものなんでしょうか?
素朴な疑問ですが、その理由といつから何で付けられるようになったのか、ストレスについてをまとめました。
▼目次
猫に鈴をつける理由
理由は、居場所の確認のため。
家の中で自由にさせる飼い方をしている場合、猫っていろんなところに行ってしまいます。
冷蔵庫の上、タンスの上、カーテンの隙間、目の届かない所にいることも多いです。また、部屋にいると思ってなくてドアを閉めちゃうと閉じ込められてしまうことも・・・あまり鳴かない猫ちゃんだと気付かないで放置しちゃうこともあったりします。
鈴をつけていれば、姿が見えなくても名前を呼んであげると反応してくれるので、鈴が鳴ってなんとなくの居場所がわかります。「この部屋のどこかにいるな」「廊下にいるな」「2階のどこかにいるな」など。ある程度居場所が分かれば飼い主は安心できます。家中大捜索をする必要もありません。
好奇心が強く、高い場所、狭い所を好む猫なので、居場所の確認のために付けている飼い主は多いです。
それから居場所の確認の他にもこんな理由で付けられていることもあります。
踏まないように
足音立てずに歩く猫なので、近付いてきても気付かないことって多いです。気付いたら足元に居て、危うく踏みそうになる、踏んじゃった。ギィヤアァァーーッ!!なんて経験がある飼い主も少なくないと思います。
怪我させるよりはいいので、鈴を付けています。
脱走防止
元野良猫や外の世界に興味津々な若猫。人が玄関の出入りをしている隙に横からスルリと外に出ちゃうことがあります。もちろんドアを開けた瞬間に猛ダッシュされたら防ぎようがありませんが、鈴の音に気付けば注意してあげることができます。
迷子になった時のことを考えて
万が一の脱走。迷子になった時のことを考えて。鈴付き首輪は、飼い猫であるアピールになりますし、ご近所の方に気付いてもらえる可能性が高くなります。
また、探すのが夜の場合、暗闇ではどこにいるかわかりません。猫の名前を呼んで、鈴が鳴れば発見がしやすいです。
ネズミや鳥を捕ってこないように
完全室内飼いの子はなかなかないと思いますが・・・。もし、放し飼いでネズミや鳥を狩りして、自慢気に口に咥えて持ち帰ってくる。鈴が鳴ればネズミや鳥も逃げやすい。狩りの成功率も落ちるので持ち帰ることもなくなります。
いつからなぜ鈴をつけるようになったのか
『猫の首に鈴』『猫の首に鈴を付ける』
という故事、ことわざを聞いたことはないでしょうか。これが元になっているという説です。
イソップ童話「ねずみの相談」
猫にやられてしまうねずみ達が猫から身を守る方法として考えたのが、猫の首に鈴を付けること。だけど、誰が猫の首に付け行くかとなるとそんな危険なことは誰もやりたがらない。
机上の空論、言うは易く行うは難しのことわざに通ずるようなものです。
イソップ童話は、18世紀の江戸時代初期に広がったものですが、日本の猫に鈴が付けられるようになったのも江戸時代のことです。イソップ童話のねずみの相談が習慣になったと考えてもおかしくはないと言えますね。
昔は、放し飼いが普通だったということもあるでしょう
昔は、放し飼いが普通の飼い方。飼い猫と野良猫の区別をする上でも首輪や鈴は必要だったと思います。また、家の中にいるのか出掛けているのか知る上でも鈴は有用だったと思います。
猫が獲物を捕ってこないように
昔は、放し飼いだったことを考えると、ネズミや鳥を捕まえてきてしまうことも多かったようです。
野ネズミを介して感染するような病気もたくさんあり、飼い猫の健康ももちろんですが、飼い主達の健康にも影響が及びます。元々は、ネズミを捕まえるために家畜化された猫ですが、その必要がなくなれば獲物を捕まえないように鈴を付けることもあります。
また、飼い猫や飼い主が捕まえてきてもらっては困るから、という理由ではありますが、動物愛護の観点からすると
「鼠や鳥などの小動物を猫から守ってあげるため」
ということも考えられるでしょう。
鈴が付いているドラえもん、サザエさん家のタマ
国民的アニメとも言える、ドラえもんやサザエさん。よく目にするアニメの猫に鈴が付いているので、日本人にとっては馴染み深いです。馴染みの点も猫に鈴が付けられやすい理由の一つと言えるのではないでしょうか。
鈴をつけると猫のストレスになるのか
猫の聴力の良さを考えるとストレスになると思うのが普通ですが・・・。
極端な話で言えば、ストレスになる猫もいればならない猫もいる。
では、鈴を付けている猫は早死にするということはあるんでしょうか?そんな話、聞いたことないし聞かないと思います。ストレスになるんだったら早死にしてもおかしくないと思いますが、そんな話は聞いたことがありません。
それに、聴力の良さを理由にストレスになると考えるなら、日常生活も苦じゃありませんか?テレビの音や人の話し声、様々な家電の電子音だってうるさいと思います。
その子のストレスになってしまっているかは、リラックスできているかを飼い主が見定めて判断するのがいいんだと思います。
猫のストレスにならないよう飼い主にできること
とは言え、ストレスにならないような配慮はないものでしょうか?
- 首輪に慣れてから鈴を付けてあげる。
- 鈴に鳴れやすいように鈴付きのおもちゃで遊ばせてあげる。(慣れてから鈴を付けてあげる)
- 鈴の鳴る音は、大きくないものを選んであげる。
他にも鈴の音が近づいてきたら猫のお名前を呼んであげて、気にかけてあげるのも良いかと思います。音が鳴ると飼い主が気付いてくれる。と思ってもらうだけでも少しは違うかなって思います。
以上になります。上手に歩く子は、普段は鈴を鳴らさずに歩けるようになったりもしますね。どうしても首輪を外そうとしてしまう場合は、ストレスになっていると思うので外してあげた方がいいと思います。居場所の確認や脱走防止などはロケーターを付けてみたり、ドアの開閉は人が気を付けてあげたりすれば猫も人も住みやすい環境になるかと思います。