猫島の全頭不妊去勢手術で猫がいなくなる!?増えてきた猫島のTNR

 猫島として有名な島と言えば、愛媛県の「青島」、香川県の「男木島」「佐柳島」、宮城県の「田代島」、滋賀県の「沖島」、福岡県の「相島」「玄海島」「能古島」などがありますが、昨今、こういった猫島で全頭不妊去勢手術が行われるケースが増えてきました。

背景には、

どこぞの写真家や島を訪れた人が猫島を紹介する

SNS等で情報が拡散し、猫島として有名になる

観光客が訪れる、餌やりをする

栄養がつき、これまで以上に繁殖する

猫の数が増えてトラブルになる

地元住民が面倒見切れなくなって全頭去勢不妊する ← 今ココ

こうしたことがあると思いますが、猫好きがモフりに行けばいくほど猫の繁殖機能を奪う結果になるのは皮肉なことだと思います。

管理人もしばしばニュースで見かけたものですが、どの猫島で全頭不妊去勢手術が行われているかを調べてみました。

全頭一斉の不妊去勢手術が行われた主な猫島

実施 頭数
福岡県 馬島 2014年12月 約79頭
鹿児島 徳之島 2015年 約3000頭
鹿児島 竹島 2015年9月 約100頭
香川県 男木島 2016年6月 約200頭
愛媛県 青島 2018年10月 約200頭
大分県 深島 2019年11月 約80頭
香川県 豊島 2019年11月 約200頭

猫と観光客と地元住民のトラブル

餌やり禁止の立て看板

「野良猫にエサを与えないで下さい」

猫島ではこうした貼り紙や看板が必ずと言っていいほどあります。猫目当ての観光客の中にはエサを与える方も多く、これがトラブルの元。

エサを与えると人馴れしてしまい、地元住民の家に上がり込んでしまう。
食べ残した餌を片付けない人がいて、カラスが集まったり不衛生になる。

また、猫目当ての観光客が猫を追って地元住民の敷地内に入り込んでしまうのもトラブルの元。敷地内に立ち入ってしまうだけならまだしも、漁網を破ったり柵を倒されたりすることもある。漁業を営む町であれば、漁港に観光客が来てしまうのも車両の通行など仕事の妨げにもなるわけです。
それに普通に考えて、静かに暮らしている生活エリアに観光客が来るようになってしまったら嫌だと思います。観光資源にしている島は仕方ない面もありますが、全く観光資源にもしていない島ではなおさら。管理人は家の近所にライブハウスが建てられたら嫌です。これと似たような思いをしている方もいるのではと思っています。

そして、観光客が際限なくエサを与えれば、栄養をつけた野良猫は繁殖をして子猫は育ちやすくなる。数が増えます。
数が増えれば、糞尿の量も増えるし、夜間の鳴き声も困るくらいのうるささになるものです。

猫サイドとしても数が増えればトラブルが増えます。
縄張り争い、発情期のケンカ、母猫の育児放棄、オス猫による子猫殺し。
餌も十分に行き渡らなくなり、一部の猫はガリガリに痩せてしまいます。

多くの猫島で地元住民が面倒を見切れなくなり不妊去勢手術に踏み切る流れに

猫島として有名になり、観光客の際限ない餌やりの結果、猫が増加し、地元住民は猫の世話の負担が高まり、なんとかしようと猫全頭の不妊去勢手術に踏み切ることに。

猫島が有人島とはいえ、島民の数は少ない島で十数名。
十数名で100頭以上の猫の世話をしようものなら、毎日が猫の世話で手一杯になってもおかしくないですし、島民の全ての方が猫好きってわけでもありません。

また、島民の高齢化も進んでいるところが多く、体力的にも将来的にも世話が難しくなるのが現状のようです。

今後も全頭一斉の不妊去勢手術は増えていくものと思われます

現状、増えすぎてしまった猫に対する措置として最善と考えられているのが繁殖制限の不妊去勢手術。他に良い方法が出てくればわかりませんが、こうしたケースは増えると思われます。

これは猫島に限らず、漁港や公園など野良猫が数多く集まってしまっている場所も例外ではないでしょう。

各自治体では不妊去勢手術の補助金制度を設けるところも増えてきているので、この流れはしばらくは変わらないものと思われます。

全頭不妊去勢手術をすれば猫島の猫はいずれいなくなるはずですが、ゼロにはならないのでは?

ただ、猫島など全頭の不妊去勢手術をしたからといって、数年後、10年後には猫が全くいなくなることはないと管理人は考えています。

やはり、全頭といっても捕獲できなかった猫がいてもおかしくありませんし、住民の中には不妊去勢手術に反対して猫を匿う方もおられるだろうし。
捨て猫は、猫島だから誰かが猫を連れ込んで置き去りにしない限りないのでしょうけど、これも絶対ないとは言い切れないと思います。というのも単純な話、猫島を猫の楽園のような紹介をされるケースがありますが、額面通りに受け取って、猫がのびのび生きていける場所だと勘違いしてしまったら?
ここなら捨てていってもエサにも困らないしみんな優しくしてくれるから大丈夫。と考えてしまう人がいてもおかしくないと思いますので。

おそらく数は減るのでしょうけど、猫島の全ての猫が何年かしたらいなくなるということはないのでは?と考えております。

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のらねこらむプロフィール

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のらねこらむ管理人

2017年4月に新居へ引っ越した直後から野良猫に悩まされる。
日々、野良猫との領地争いを繰り広げています。

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