野良猫の上下関係やボスの有無については、2通り耳にしたことがあります。
- 野良猫は単独生活をし、縄張り意識が強い。群れたりせず上下関係がない。
- 野良猫は縄張りの中で多数の他の猫と共存して、上下関係もある。
これはどっちが正しいのやら・・と思っていました。うちの近所の野良猫達を例に挙げると
- 縄張りの中で多数の猫と共存して、ボスのような存在がいる。
になります。
上下関係の有無とボスについて
犬は群れを作り、ボスに従い、協力して行動をすることができます。集団行動をするには、集団がバラバラにならない為にも上下関係が必要です。
この観点から言えば、猫は集団では行動しませんし、ボスの言うことを聞いて何かをすることがありません。ですので、上下関係がないとも言えるでしょう。
一方、集団行動はしませんが、拠点となる住処や餌場、休憩場所など縄張り内で共有し、グループを形成する場合があります。
このグループを形成する過程で、縄張り争いがあり、餌の取り合いが起こり、発情期にメスを取り合い、ケンカが起きていく過程で、順位関係が猫の中で出来上がり、ボスのような猫ができあがります。
縄張り内でボスがいても、他の猫も自由に餌を取りますし、メスへの求愛も自由です。ただし、取り合いになればケンカになり優劣が付きます。この観点で言えば、猫同士の中で強さの順位はできており、上下関係があるとも言えます。
ですので、
犬のように集団行動はしないものの、縄張りの中で複数の猫が共存し、グループを作り、そのグループの中で、力関係の順位があり、ボスが存在する。
ということと理解しています。
仔猫の中での上下関係
産まれてまもなく、仔猫達は母猫のおっぱいを求めて、お乳に吸い付きにいきます。この時から競争が始まっており、押し合いへし合い、相手を跳ねのけ、一番力が強い仔猫がお乳がいっぱい出る乳首に辿り着きます。(お腹の下の方に付いている乳首がいっぱいでる)
一度、飲む乳首を決めると必ずその乳首から飲むようになるようです。毎回争っていたら大変なので、仔猫達の間で決まりができるのでしょう。
そして、お乳がいっぱい出る乳首を勝ち取った仔猫は、栄養もたくさん取れますので、体力もどんどんついて育っていきます。逆にお乳があまり出ない乳首にしかありつけなかった仔猫は、栄養が十分に取れず、自然淘汰されてしまうこともあります。
こうして、仔猫時代から競争が始まっていて、お乳がいっぱい出る乳首は、ボクの!ワタシの!と取り合い、上下関係のようなものが出来上がります。
縄張りによそ者が入ってきたらケンカになる
- 縄張りの近いよそ物同士が運悪く出会ってしまった場合
- よそ者(特に若いオス)が居場所を求めてやってきた場合
縄張り争い(主導権争い)のため、ケンカになります。よそ者の若オスは、ケンカして勝てば居座り、負ければ追われ。負けても諦めずに居座り続ければ、その縄張り内を共有して生活することを許されます。
よそ者(特に若いオス)を追い出す理由
子孫を残すなら強く逞しく生命力のある猫がいいですよね。ケンカに負けてすぐに逃げるような猫がいたら、弱く生命力の乏しい猫が産まれかねません。本能的にも理にかなっていますね。
近所のボス猫
管理人の近所には白のボス猫がおります。車の屋根上に悠然と上り、至る所にマーキング。餌をもらえる住民宅へハシゴしに練り歩き、ケンカになっても負け知らず。体格のいい立派なオス猫です。
上の写真は管理人が黒猫を見つけて近寄った時のこと。普段だったら2m以内には近付けませんが、このときはなぜか座り込んだままの黒猫。どうやら奥に白のボス猫がいたため入っていけないようでした。
また、ねぐらもいくつか持っているようでして、縄張りの範囲も広い方だと思われます。
以上になります。縄張り内を共有している野良猫達の間では、力関係は存在し、ボス的な猫がいるようです。