3年間、150万ドル(日本円にして約1億7千万円)の猫の国勢調査プロジェクト「DC CatCount」
先日、ヤフーニュースでも取り上げられましたが、世界有数の首都圏において広範囲に猫の生息数を把握する数少ないプロジェクトの結果が報道されておりました。
調査結果としては、ワシントンD.C.における猫の数は、およそ20万匹とのことでした。
ワシントンD.C.の人口は、2020年時点で約69万人ですので、猫も相当数が住んでいるのがわかります。(国内で近い市町村を当てはめると、静岡県静岡市が人口約69万人。面積はワシントンD.C.より2割程度狭いのですが、静岡市に20万匹の猫が生息していると考えると結構な数に感じられると思います)
また、20万匹の猫の内訳については、
- 半数が完全室内飼い。
- 残りの約半数が外飼い猫や迷い猫。
- その他、人との交流を避けて生きる野良猫が3000~4000匹。
との記載でした。
ヤフーニュース参照記事「史上初、猫の生息数調査 米首都ワシントン」(国際ニュース:AFPBB News)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9c36b5ae24042e104659b82d71341f34b28b5de
この内容だけ見ると野良猫が3000~4000匹程度しかいないように受け取れてしまいますが、「人との交流を避けて生きる野良猫」とありますので、『ノネコ』(野生の猫)の扱いと考えるのが妥当だと思います。DC CatCountでは、飼い猫の定義を「少なくとも週に1回は世話人から餌を与えられている猫」としています。日本で考えられる餌付けされている野良猫や地域猫も含んでいるということでしょう。外で生活する猫の分類は、広範囲に調査する中では限界もあるため、意図的に人との交流の有無で区分けされたとも言えるかもしれません。
詳しい定義については、「DC Cat Count Hub」の公式サイトで確認することができます。「DC Cat Count Hub」-> https://hub.dccatcount.org/
なお、研究結果は、査読付き論文として発表されているそうです。(管理人は見つけることができませんでしたが・・・)「DC Cat Count Hub」のサイトでは、「Evidence-based estimates of domestic cats in urban areas using collaborative and interdisciplinary science: the Washington DC Cat Count.」(共同および学際的な科学を使用した都市部の飼い猫の証拠に基づく推定:ワシントンDC猫数。)の出版物の紹介があります。投稿時点では印刷中(In press)とありましたので、もう少し待つ必要があるのかもしれません。
ただ、もう少し詳しい情報に関しては、Washington Postの記事「Counting street cats in D.C. is a less-than-purrfect task」が参考になると思います。Washington Postの記事-> https://www.washingtonpost.com/dc-md-va/2021/09/24/cat-count-dc/
猫の数に関しての記載を抜粋すると以下のような内容が見られます。
- 約200,000匹の猫のうち、約197,000匹が人間によって世話され、残りは野生または野良猫と見なされる。
- 約104,400匹が完全室内飼い。
- 約72,900匹の猫は外飼い(室内と室外の行き来ができる)。
- 約19,700匹の猫は「常に屋外」と見なされる。
- 約3,000~4,000匹の猫は、野生または野良猫と見なされる。
この内容から推測すると、常に屋外の約19,700匹は、人に世話をされている野良猫または地域猫のような扱いだと思われます。個人的には、常に屋外に住む約19,700匹の数より、アメリカ首都であるワシントンD.C.に約3,000~4,000匹のノネコのような猫が生息するのに驚きました。この辺りは国土の広さの違いなんでしょうね。