大きな音、低い音、掃除機にドライヤー、雷の音。
猫が嫌がる、怖がる音には共通するものがあります。
- 突発的であること
- 音量が大きいこと
- 低い音であること
これは、猫の聴覚がとても優れていることを示すものであり、
- 人が、2万ヘルツ
- 犬が、4万ヘルツ
- 猫は、6万ヘルツ
超音波と呼ばれる高周波帯も聞き分けることができます。猫が狩りをし、自ら捕食していた頃、小動物や小鳥のわずかな動きを知覚して狩りをしていたわけですから、優れた聴覚は必須のスキルだったというわけです。
人が聞き分けられない音を聞き分け、人が聞こえる音の数倍の距離を聞き取ることができるので、音には非常に敏感なのも頷けるものでしょう。
掃除機
聴覚の優れた猫からすると、掃除機の音はかなり不快な音と捉えてしまいます。
モーターの回転音、振動音、吸込音、排気音、機械から出る様々な音に加えて、掃除機を移動するときの音、ノズルが床を這う音、カーペットなど強く吸い込む音。
音の大きさは、最近では静音の製品も多く出てはおりますが、70dB~80dBと騒音と呼んで差し支えない音量。
また、上記の通り不規則に様々な音の高さのものが乱れ飛びます。
不規則な音であること(突発的)音量が大きいこと低音から高音まで様々な音が出ること
これを不快に思う猫が多いのは当然のことと思います。
ドライヤー
掃除機同様、モーターの回転音や排気音は、低周波よりの音であり、音量も大きい。加えて、お風呂上りに乾かされるために間近で使われることもあるため、嫌がる猫が多いです。
低い音は、この他、乗用車やバス、トラックなどのエンジン音にも通じるところですが、低い音がなぜ嫌なのか?
例えば、動物が威嚇をする際に出す音は、ウーウー、グルル、ガフガフッなどの唸り声。歯をカチカチ鳴らす動物もおりますが、多くは低い音で威嚇をします。人も怒った時や恫喝するような時に出す声は、高い声ということはないでしょう。
身の危険を知らせるような音であることは、本能的にも好む音ではないのだと思います。
雷の音
突発的に遠くから届く音というのは、優れた感覚を持つ犬猫には怖いと感じさせるに十分なものでしょう。
地震の地響きなども同様に怖がる猫がおりますが、この音自体が心配ないものか判断ができないので、何度同じ体験をしても怖がってしまうんだと思います。
それから蛇足ですが、雨の日。というのもあまり好まないところかと。野良猫であれば、雨宿りを強いられ、飢えに堪える必要もありますし、湿気も好みません。その上、雷鳴まであるとなると好む猫は少ないと思われます。
サイレンの音
救急車、パトカー、消防車など頻繁に出動するような都会の猫は、慣れてしまう子も多いようです。どちらかと言うと出動が少ない田舎の方が過敏に反応してしまう猫が多いようです。やっぱり慣れない。
また、室内飼いの猫は、家の中が自分の縄張りになり、その縄張りが安全であることがわかっている場合は、それほど驚かない子が多いです。
くしゃみ
ジジイの突発的なくしゃみは、誰しも嫌です。ちゃんと口おさえてる?って見て確認したくなります。それほどうるさい。猫のみならず多くの動物に不快感を与える所業かと思います。
楽器の音
お子様のいるお宅では、ピアニカの音、ハーモニカの音、リコーダーの音は、練習の為、よく聞かれる音かと思います。それなりの大きな音で、低音と高音の不規則な調べ。聴覚の優れた猫が好まない音であるのは理解がしやすいです。もちろん、下手すぎて聞くに堪えず、その場を離れているだけかもしれませんが。
急な電子音
私達の身の回りには、電子音を発する機器がたくさんあります。
インターフォンの音、スマホのアラート、電話機の着信音、目覚まし時計、キッチンタイマー、電子レンジの完了音。
どれも音は小さいものではなく、猫からすると急になる音のため、猫を不快にさせるには十分な音と言えるかと思います。
レジ袋のガサガサ音
これは、賛否両論があって、好きな子もいれば嫌いな子もいる。ごはんを与える際、袋から取り出していつもあげているとこの音は大好きになります。同様に缶詰をカパッと開ける音も。
レジ袋のガサガサ、カシャカシャといった音は、高音であり、小動物や虫などが動く音に似ているのかもしれません。過敏に反応してしまった場合、驚くような仕草を示す場合もあるようです。
この他、花火の打ち上げ音、ヘリコプターの音、祭り騒音(太鼓の音)、雪が屋根から落ちた音、テレビの重低音、子供がドタバタ歩く音、水の音などもダメな子がいます。
また、家に連れて来られたばかりの猫の場合は、人の話し声、テレビの音、冷蔵庫の振動音、空調の音、スマホのアラート、音の大きさに関わらず様々な音が聞こえてきてしまうので、過剰に不安がる場合もあります。
少し人が音に気を付けてあげるだけで、猫のストレスを軽減できることがありますので、猫の生活向上のためにも協力してあげるのが良いのでしょう。