動物虐待のターゲット、猫は本当に多いのか?
真偽を図るために、環境省の動物の虐待事例等調査報告書を確認しました。※平成25年度のもの。公開されている一番新しいものが平成25年度のものでした。
このうち、「マスコミ報道された動物の虐待等事例及び関連法違反及び違反容疑一覧 ①動物の愛護及び管理に関する法律 a.殺傷」から対象の動物別の件数が以下になります。
出展:環境省「平成25年度動物の虐待事例等調査報告書」(PDF)
猫が45件と圧倒的に多く、虐待のターゲットにされていることがわかります。
▼目次
虐待されやすい原因
①野良猫の多さ
野良犬と比べると野良猫の方が圧倒的に数が多いのが原因の一つと思われます。
街中で野良犬を見かけることはほとんどありませんね。それに対して野良猫はちらほら見かけるものです。また、市街地に野ウサギ、タヌキ、イタチ、キツネは、見つけることはまずないでしょう。ただし、ハトはそれなりに見かけると思います。
②捕まえやすさ
野良猫は、本来は警戒心が強く、簡単には捕まらないものなのですが、人から餌付けをされてしまっている場合、警戒心が弱くなっていることがあります。人にねだれば餌をもらえると思ってしまっているので、安易に近づいて、虐待を行うような人に捕まることもあるでしょう。
野良犬に関しては、数が少ないのもそうですが、野良犬がいたとしてもペットショップにいるような可愛い小型犬はまずいないでしょうし、中型犬となると力も強く、噛み付く危険性もあることから捕まえることが困難と思います。
街中でよく見かけるハトやカラスに関しては、飛んで逃げることができますので、捕まえやすいとは言えないと思います。また、ハトやカラスを運よく捕まえて、持ち運んでいてもかなり不審です。猫だったら飼い猫とも保護したともなんとでも言えるでしょう。
もちろん、ペットショップから買ってくれば、どんな動物でも手に入るでしょうが、わざわざお金を出して虐待する人間は少ないと思います。
③入手のしやすさ
①の野良猫の多さと通ずるものがありますが、里親募集などで容易に手に入ります。
また、犬と違って自治体への登録、狂犬病予防などの必要がなく、飼うこと自体のハードルも低いです。
④吠えない
犬は吠えますね。近隣の住民に気付かれる恐れがあります。猫は大きい声では鳴きません。気付かれにくいこともターゲットの要因と思われます。
⑤扱いやすさ
虐待する上での扱いやすさ。自分より弱くて抵抗力がない動物がターゲットになると思われます。警察犬や土佐犬は、虐待するのは無理でしょう。
⑥性格
犬や猫は性格や感情が表に現れやすく、そういったことも一因にありそうです。
猫の性格と言えば、自由気まま、人に懐かず、忠誠心も持ち合わせていない。そのくせプライドが高いときてる。人間に置き換えても言えることと思いますが、こういった性格の人がいれば嫌われるかはさておき、好かれることは少ないと思います。
それから、ある程度抵抗する。(抵抗しても制御できる)というところも虐待の心理的素因としてあるように思います。
動物虐待とは
環境省のHPより以下を抜粋
虐待の禁止「動物虐待とは、動物を不必要に苦しめる行為のことをいい、正当な理由なく動物を殺したり傷つけたりする積極的な行為だけでなく、必要な世話を怠ったりケガや病気の治療をせずに放置したり、充分な餌や水を与えないなど、いわゆるネグレクトと呼ばれる行為も含まれます。なお、食用にしたり、治る見込みのない病気やけがで動物がひどく苦しんでいるときなど、正当な理由で動物を殺すことは虐待ではありませんが、その場合でもできる限り苦痛を与えない方法をとらなければなりません。」
遺棄の禁止「動物の飼い主の責任には、動物を正しく飼い、愛情を持って扱うことだけでなく、最後まできちんと飼うことも含まれます。飼えないからと動物を捨てることは、動物を危険にさらし、飢えや乾きなどの苦痛を与えるばかりでなく、近隣住民にも多大な迷惑になります。また、近年は、日本の自然に生息していなかった外来生物が野外に放たれ、それによる農業被害や生態系破壊が大きな社会問題になっています。」
出展:環境省「虐待や遺棄の禁止」
以上になります。虐待をすることは本当に悪いことなのですが、ターゲットになりやすい猫については、野良猫の多さも関係が深そうですね。飼い猫を捨てる人、野良猫を意図せず増やしてしまう人。数が減ってくればこういった事件も少なくなるのではと思いました。(管理人)