地域猫活動の実績。公表データ、報告書から読み解く

 地域猫活動ってうまくいっているのかな?成果を上げている地域はあるのかな?

当初、地域猫活動を行っている自治体や団体の活動報告書を見れば簡単に分かると思っていました。しかし、なぜか数字ですぐに見て取れ、状況が分かる資料というものがほとんど見当たらないんです。

去勢・不妊手術の助成事業の手術実績数は、自治体のHPに上げてくれているところもあります。

これが、地域猫活動の実績となると途端に見つけられなくなる。見つかっても本当にうまく機能しているのかわからない、成功しているのかわからない内容のものが多かったです。

管理人の探し方も悪いのかもしれませんが、googleやyahooなどの検索で、「地域猫 報告書」「地域猫 データ」「地域猫 成功」これらの検索キーワードで有益な情報があまり得られないのは、ちょっと疑問に思いました。


そんな中、平成27年度千葉県の地域猫活動事例集というものに出会います。

この活動事例集もあくまで事例である。ということなのからなのでしょうか・・・
猫の頭数の記載があり、着手時と現在の頭数があれども、ほとんどが当年に地域猫活動を開始したもの。時間経過による猫の頭数の増減の変化、成果とも言える一番大事なところがわからないのです。

データ、情報が心もとないことは否めませんが、この情報を元に整理して、数字から読み取れることをまとめたいと思います。

千葉県「平成27年度千葉県飼い主のいない猫不妊去勢手術事業報告書~千葉県における地域猫活動事例集~」(PDF:384KB), 2017年3月23日, 千葉県

この資料には、ケース1~7まで、地域の環境、猫の頭数、取り組みのきっかけ、活動内容、現在の状況が記されている。このうち、猫の頭数を中心にまとめて、数字から読み取れる部分、活動内容、現在の状況から読み取れるものをまとめます。

ケース1

猫の頭数

オス メス 性別
不明
合計
着手時の頭数(H24) 20頭 51頭 15頭 96頭
不妊去勢手術実施数 33頭 78頭 111頭
H27手術実施数 13頭 8頭 21頭
現在の頭数(H27) 15頭 11頭 27頭 53頭

このケースの活動内容の記載に、「約1,900世帯に回覧」とある。このことと「密集住宅地である」との記載から、1自治会での活動と思われる。密集住宅地を考慮するとおそらく半径5、600m(直線距離1000m~1200m程度)、住所で言えば、1丁目~5丁目くらいの広さだと思います。


考察

H24時点の頭数は、96頭
H27時点の頭数は、53頭

3年間で43頭減っており、4割程度少なくなったのが読み取れる。一方、不妊去勢手術は継続して実施されている模様。

H27手術実施数は、21頭

また、性別不明の頭数は、不妊去勢手術を実施できていない数ということと思われるが、

性別不明の頭数は、H24の15頭からH27の27頭増加している。
+12頭増加
性別がわからないということは、未手術ということだと思われる。

さらに、H27手術実施数「21頭」から読み取れることとして、

  • 他地域からの流入
  • 捨て猫による増加
  • 性別不明の猫の手術実施
  • 未手術の猫の出産

性別不明の猫の増加は、猫の管理が不十分である。とも読み取れる。また、これらの猫が新たに猫を産み増やしてしまうかもしれない。

H27の不妊去勢手術の実施数21頭というのは、平成24年から27年の3年間を経過していることを考えると少ない数ではないと言えます。今後もこのペースで流入や出産、捨て猫が続くようであれば、地域猫活動のゴール=野良猫をなくすことは、難しいのではないでしょうか?

ケース2

猫の頭数

オス メス 性別
不明
合計
着手時の頭数(H24) 7頭 5頭 6頭 18頭
不妊去勢手術実施数 12頭 7頭 19頭
現在の頭数(H27) 12頭 7頭 19頭

現在の状況の記載によると従来生息していた野良猫の手術は、ほぼ全頭行ったとのこと。他地域の猫が餌を食べに来てしまっている。とあり、これらも今後、地域猫の対象として考えている模様。


考察

こちらのケースは、平成27年度から開始したばかりの地域。
ケース1のように性別不明の猫もいないことから、全頭手術の徹底と他地域からの流入、捨て猫への対処がうまく行けば、数年後に成果が出るのではないだろうか。


※※※ケース3~7について※※※

ケース2同様、平成27年度から開始した地域の事例紹介のようです。

ケース1、2と同じように1つずつ数字から読み取れるものがないか記載をさせていただこうと思いましたが、開始したばかりのケースの事例紹介のため、成果はなく、年数を経た結果が見えません。

以下の千葉県ホームページのリンクのように、平成24年度から地域活動の事例集を載せてくださっています。できれば、継続して同じ地域の活動事例を載せて欲しかったです。活動を続けた結果の今の状況が見たかった。

千葉県「飼い主のいない猫」(千葉県における地域猫活動事例集), 2017年3月23日, 千葉県

ケース3

猫の頭数

オス メス 性別
不明
合計
着手時の頭数(H24) 7頭 5頭 8頭 20頭
不妊去勢手術実施数 12頭 8頭 20頭
現在の頭数(H27) 12頭 6頭 18頭

ケース4

猫の頭数

オス メス 性別
不明
合計
着手時の頭数(H24) 2頭 1頭 1頭 4頭
不妊去勢手術実施数 1頭 2頭 3頭
現在の頭数(H27) 0頭 1頭 1頭

ケース5

猫の頭数

オス メス 性別
不明
合計
着手時の頭数(H24) 14頭 18頭 32頭
不妊去勢手術実施数 11頭 9頭 20頭
現在の頭数(H27) 14頭 13頭 27頭

※4月末~5月にかけてメス猫の出産があり、合計20頭以上の子猫が産まれてしまったとのこと。
※着手時の頭数と手術実施数と現在の頭数が合わないのは、子猫は手術されなかったこと、子猫の何頭かが亡くなってしまって数が減っていることが考えられる。

ケース6

猫の頭数

オス メス 性別
不明
合計
着手時の頭数(H24) 9頭 9頭
不妊去勢手術実施数 4頭 4頭 8頭
現在の頭数(H27) 4頭 4頭 8頭

ケース7

猫の頭数

オス メス 性別
不明
合計
着手時の頭数(H24) 7頭 6頭 7頭 20頭
不妊去勢手術実施数 10頭 12頭 22頭
現在の頭数(H27) 10頭 12頭 22頭

以上になります。7ケースの事例紹介のうち、6ケースが当年開始のものでしたので、事例紹介としてはどうかな。と思いました。
事例紹介するからには、成功事例、失敗事例、数年活動中の事例、活動を止めてしまったケース、活動開始したばかりのケース、こういったバリエーションを示して欲しいものだと思いました。


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