ルール守れてますか?地域猫の餌やりルール

 昨今、地域猫活動は推奨する自治体も増えてきており、以前に比べて取り組まれている地域も増えたと感じます。

自治体主体による地域住民や愛護家の協力を得ながらの活動は、取り組むにあたって様々な話し合いやルールを決めた上で開始されていると思います。
また、地域環境の改善が図られるから一部の愛護家の活動ではなく、地域の取り組みとして行われるのが地域猫活動であるはずです。

しかしながら、活動を始めたから問題が全て解決することはなく、結局は餌やりの問題にぶち当たることがあったりします。問題も決められた場所以外での給餌や置き餌、残飯の放置など様々です。
加えて、糞尿の片付けも大事な活動のはずですが、自由に動き回る野良猫の行く先々で掃除ができるかと言えば限界があるのは当然です。

地域猫活動を始める際に(自治体主体の地域猫活動なら)地域住民の合意を得ていると思いますので、反対の方も活動を始めれば全ての問題に片が付くなんて都合良くは思っていないと思います。
今よりよくなるなら・・・糞尿や鳴き声に困っているけどある程度は許容しないといけないな。とした上で地域猫活動に賛同しているのではないかと。

おそらく、地域の理解を得た上での活動であるならば、反対派の方でもある程度の許容は仕方なしの上での合意であると思います。

しかしそうでもあるにも関わらず、餌やりに関して問題が起きているようなら・・・。

地域猫の餌やりのルール守れてますか?

▼目次

  1. 餌やりのあるべき姿
  2. 餌やりの実態
  3. 餌やり自体が問題ではない。する人の問題
  4. 迷惑餌やりは改善しないと罰金50万円の科料
  5. 迷惑餌やりの苦情の申し入れはどこへ?
  6. 管理人の地域のケース。地域猫活動は協力が得られない
  7. 地域猫ってちゃんと合意の上でやられてますかね

餌やりのあるべき姿

一例として、広島市の地域猫活動の案内を抜粋します。(餌やりに関する部分)

(3)適正なエサやり
エサを与える時間と場所を限定します。
食べ残しはすぐに片付け、置きエサは絶対にしないでください。

地域猫活動をご存じですか?
広島市, 2021年1月20日

細かいことをさておけば、地域猫への餌やりのルールってどこの地域でもこのくらいのものだと思います。
これに加えて、トイレの設置や糞尿の始末だったり猫の不妊去勢手術があるくらいで、難しい話ではありません。

また、環境省でも地域猫に関してガイドラインを公布しておりますが、餌やりに関して言えば大筋は変わりません。

住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン
環境省, 平成22年2月

ただし、「ガイドライン」ですので、法律や条令といった縛りのあるものではなく、国が定めたルールとまでは言い過ぎで、あくまでガイドライン。地域猫活動を行うならこのようなやり方が望ましいという指針程度のものです。

餌やりの実態

こんなことってありませんか?

  • 夜に餌を置いて、朝回収
  • 公園や広場で好き勝手な餌やり
  • 家に遊びにくる猫に餌やり
  • お散歩中に見かけた猫へ餌やり

地域猫の主旨を理解して活動されている方はしないと思いますが、多かれ少なかれどこにでもある話だと思います。

もちろんこうした餌やりをする人って悪意があるわけでもないと思いますし、楽しい・可愛い・可哀想くらいの気持ちが多いんじゃないかなと思います。(深く考えて餌やりをしている人の方が少なそう)

野良猫問題だって被害に遭われている当事者でなければ、ほっつき歩いている猫なんて可愛いもので、よっぽどの猫嫌いじゃなければいること自体も餌やりの行為自体も気になる程のことではないかもしれません。

餌やり自体が問題ではない。する人の問題

無責任な餌やりの結果、糞尿の被害に遭われる方はいるし、不妊去勢手術が徹底されていなければ増えてしまうし、増えたら鳴き声で困る人も出てきます。

本来は、餌やり自体って悪い事ではないはずです。お腹が空かせている野良猫に餌をあげるのって、普通に良い事なのでは?

でも、その後にくっついてくる問題がやっかいで、被害に遭われている人からすると本当に迷惑でしかないのが現実で、周りに配慮した餌やりができないから問題になるんだと思います。

野良猫が悪くなりがちで、野良猫に敵意が向いてしまう方もいるかもしれませんが、本を正せば人の問題。その人に厳正な対応を求めればいいはずです。

迷惑餌やりは改善しないと罰金50万円の科料

令和2年6月から改正動物愛護法が施行され、無責任な餌やりに関する都道府県の指導等の強化が盛り込まれております。

動物の愛護及び管理に関する法律

第二十五条 都道府県知事は、動物の飼養、保管又は給餌若しくは給水に起因した騒音又は悪臭の発生、動物の毛の飛散、多数の昆虫の発生等によつて周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。

第四十六条の二 第二十五条第三項又は第四項の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

※引用元 → 動物の愛護及び管理に関する法律 e-gov法令検索より

また、迷惑餌やりに関する過去の裁判でも近隣住民への配慮を怠り、生活環境を害したと判断された場合は、損害賠償の支払いを命じられるケースもあります。

裁判判例①野良猫への餌付けで55万円の損害賠償

2015/9/17 損害賠償請求事件 福岡地方裁判所

判例「平成26年(ワ)第1961号 損害賠償請求事件」, 2015年9月17日, 裁判所 COURTS IN JAPAN
(最終閲覧日:2021年2月19日)

裁判判例②加藤一二三氏の裁判。慰謝料204万円

2010/5/13 猫への餌やり禁止等請求事件 東京地方裁判所

判例「平成20年(ワ)第2785号 猫への餌やり禁止等請求事件」, 2010年5月13日, 裁判所 COURTS IN JAPAN
(最終閲覧日:2021年2月19日)

迷惑餌やりの苦情の申し入れはどこへ?

地域猫活動が行政、地域住民との合意の上で行われているのであれば、地域猫活動を行われている代表の方か問合せ窓口へ連絡するのが第一。(電話番号がわからないなどあれば、自治会や役所に連絡先を聞いてみる)

明らかに生活環境が継続的に深刻に悪化しているのであれば、保健所へ通報してもいいと思います。(悪質な場合)
相応に酷い状況で、それが放置されているようであれば、地域猫活動自体が機能していないと思われます。

管理人の地域のケース。地域猫活動は協力が得られない

協力というのは、住んでる人達のです。

結局は、今でもそうなのですが、糞の片付けって特定の人しかやらないんですよね。ほんと数人。
管理人も敷地内は気付いたら片付けますが、その辺の歩道ともなるとよっぽど酷い時しかやりません。(家戻って紙製スコップ持ってきて捨てるのが面倒というのもあって)
それでもまだやってる方だって話で、いざ猫を管理していこうってやったとしても本当に一部の人しか面倒を見ずに後は好き勝手今まで通りだろう。という話でした。

まあ、確かにそうですね。
餌やりされている結果、近隣の方に迷惑がかかっているって話があっても、一向に止めることもしませんし、残飯の片付けもしないし、糞やゲロが目に付くところにあっても気にしません。
糞尿の始末なんかしないから、下痢便とかゲロの後始末の大変さもよくわかってくれないような感じです。

せめて、不妊去勢手術の費用面だけでも協力のお願いできないかも話してみましたが、それも強制はできないし、今まで何もせずに来ちゃったからなかなか難しいといった結論でした。

管理人宅のように猫屋敷のすぐ近くに住んでいる人達にとっては切実なのですが、いろんな意味で非協力的というか自分勝手するので、活動みたいな枠組みの中では面倒を見るようなことはしてくれないよ。って話です。

地域猫ってちゃんと合意の上でやられてますかね

問題のある地域って、住んでる人達の合意ってちゃんと取り付けてますかね?

活動するにあたって十分な説明や理解、納得の上で行われているのか不思議に思うようなことが起こります。

なんだかんだ不都合があった時に、限られた時間と人がやってるから、お金も限られているから、これでも前よりはよくなったから・・・。
残飯の片付けが面倒だからブルーシートの上に餌を置いて、汚れていても後で片付けるから大丈夫。なんてなってないでしょうか。

最終的に野良猫をなくすのがゴールだと思うのですが、一向に減っていないようであれば、活動自体の見直しも必要なのかもしれません。

また、地域猫活動することで、糞尿などの問題が解決すると考えるのもよくないと思います。
不妊去勢手術をすれば今より増えなくなるのも全頭本当にできればの話ですし、新たな捨て猫や他所からきた猫の全てをやるのが前提の話です。
糞尿問題だっていくら糞尿の始末をやりますっていったて、猫の行く場所って全て把握できますか?糞尿があったらすぐに飛んでいって片付けられますか?
現実問題無理な話なのは分かり切ったことなので、今より少しはよくなるくらいの認識でいないと思っていたのと違う結果になりそうです。

地域猫活動に同意をするということは、今いる猫達がすることのある程度の問題を受忍する必要があるというのも理解しないといけないんだと思います。
そうした現実問題をきちんと説明し、十分に理解した上で、活動を行うか否かを判断しないといけないんだと私は思います。

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のらねこらむプロフィール

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のらねこらむ管理人

2017年4月に新居へ引っ越した直後から野良猫に悩まされる。
日々、野良猫との領地争いを繰り広げています。

対策グッズのほとんどは、実際に買って・試した結果をまとめたものです。
当サイトの情報が皆様の野良猫対策の助けになれば幸いです。
詳しいプロフィールは、こちら

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