野良猫を車で轢いてしまった時、運転手はどうすればいいか

 猫って突然飛び出してくることってありますよね。ドライバーからすれば、突然な事であるのと、目視できた時には手遅れな事、後続車や対向車との距離感、色々なことを瞬時に判断した結果の出来事だと思います。

猫を轢いてしまったことで、複雑な気持ちはあるかと思いますが、車の運転をしているとこうした事に遭遇してしまうことがどうしてもあります。

国土交通省の高速道路のロードキル処理件数を見てみると、高速道路だけでもこんなにも多くの動物が事故に遭っているのだとわかりますね。

高速道路会社の落下物処理件数(平成29年度)(PDF), 国土交通省

中型の動物(たぬき、きつね、いぬ、ねこ)の件数が一番多く、
全体の47,000件のうち、23,700件
半分を占めています。

誰にでも起こり得ることで、初めて轢いてしまった時はどうすればいいかわからなかったり、どうすればよかったのか、後から悩むことも多いと思います。

多くの人はどうしているのか、罪に問われることはあるのか、警察に通報した方がいいのか、死体はどうればいいのか、生きていたら?などをまとめます。

多くの人はどうしているのか

冷たい話になるかもしれませんが、多くの人は、そのまま通り過ぎ去っていると思います。それに、

「この間、猫轢いちゃってさー、危うく事故るところだったよ」

なんて言うくらいで、動物の命の事など気にも留めない場合が多いように思います。

もちろん、車は数十キロのスピードを出しています、後続車もいます、対向車もいます。急ブレーキや急ハンドルはできない場合が多いです。無謀な運転よりも安全運転が大事です。

(急ブレーキの禁止)
車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。

道路交通法第24条より

道路交通法第24条では「危険を防止するためやむを得ない場合を除き」というところがミソですが、急ブレーキは、危険運転とみなされる場合が多いと思います。(事故になった場合、急ブレーキした側と車間距離保持不足の相手側との間で過失の割有が決まるでしょう。動物が居たと証明できなければ、危険運転と取られ兼ねません)

それから、道路に轢いてしまった猫を置き去りにしてしまったとして、車の往来の危険もあり、自分でなんとかするのも無理な事があります。小動物であれば、そのままにしておいても後続車が事故に巻き込まれる可能性は少ないかもしれない・・・と判断するドライバーも多いように思います。

悪く言えば、轢き逃げ なのかもしれませんが、致し方ない場合も。二次事故防止のため道路の管轄先へ連絡すべきですが。

罪に問われることはあるのか

結論から先に、不慮の事故、いわゆる過失で死なせてしまった場合は、動物愛護法や刑法では罪に問われないかもしれないが、道路交通法では、報告義務違反になる可能性があります

動物愛護法には以下の条文があります。

第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

動物の愛護及び管理に関する法律

不慮の事故は、”みだりに” 殺したことにはならないでしょう。

また、刑法の観点から器物損壊罪に問われるかといえば、

他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。(抜粋)

刑法261条より

野良猫は、所有者不明の猫であるので他人の物ではなく、また、飼い主がいた場合でも故意に損壊、傷害をしていない場合は成立しません。こちらも該当しないと思われます。

では、道路交通法といえば、道路交通法第七十二条に交通事故の措置について記載があります。物損事故についても報告措置が必要とあり、報告義務違反の場合には「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する」(道交法119条第1項第10号)とあります。

(交通事故の場合の措置)
第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

道路交通法

この他、放し飼いの猫の場合は、むしろ飼い主の管理責任に問題がありそうです。

(動物の所有者又は占有者の責務等)
第七条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

動物の愛護及び管理に関する法律

もし、飼い猫がリードをつけられ散歩していたところを轢いてしまうと故意に傷つけたと判断されるかもしれず、動物虐待や物損事故扱いで損害賠償などに該当することがありえそうです。

警察に通報した方がいいのか

前述の通り、道路交通法の第七十二条があり、交通事故を起こした場合、警察への報告の措置が必要です。
また、任意保険を使う場合は、事故証明が必要になるので、警察への通報が必要になります。

死体はどうればいいのか

二次事故防止のため、道路の管轄先へ連絡した方が良いでしょう。市町村道であれば市町村、県道であれば県、国道は、国土交通省が管理しています。特に道路内で亡くなってしまい、自分では路肩などに移動できない場合は、交通事故の危険性もありますし、後続車に轢かれてしまうことも不憫と思います。できる限り管理先へ連絡すべきところです。

  • 近くの電柱等で連絡先が分かれば、そちらへ連絡する。
  • 通勤、通学路の道端(市町村道)であれば、役所へ連絡する。
  • 連絡先がわからない場合、道路緊急ダイヤル(#9910)へ連絡する。
  • 道路の真ん中に死体がある場合で、事故になりそうな緊急時は110番通報する。

猫が生きていた場合

ご自分の身と後続車の安全を確保した上で、路肩など安全な場所に移動してあげましょう。この際、衛生面から素手で触らずタオルなどを用いて移動してあげた方がいいかと思います。

そしてできることなら、動物病院に連れて行ってあげてください。怪我の状態がよくわからない場合は、動物病院、動物愛護センターなどの指示に従うのが良いでしょう。

また、動物病院に連れて行った場合、治療費は運転手が支払うことになります。(治療費をタダにしてくれる病院はあまりないかと思います)


以上になります。罪に問われる問われないで、轢かない、轢いても構わないってわけではないですが、瞬時の出来事になると思いますので、安全運転を心がけるべきなのでしょう。


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