車のボンネットやルーフの上に猫が乗っかられている場合、ちょっとした傷を見つけた時、猫の仕業かはわからなくても疑ってしまうのは普通だと思います。(やられた現場を見てなくても)
第三者からすると、猫の爪でキズをつけられたぐらいならコンパウンドで研磨すれば消えるよ。とか、猫がしたことくらいでそんな大げさに・・・と思われる方もいるかもしれませんが、車を大事にしている側からすれば困るし嫌なものは嫌です。それに、タイヤにおしっこかけられたり、フロントガラスとボンネットの間に毛玉が入り込んでしまうことだって困ります。運が悪ければゲロされてしまうことだってあるわけですから。
やはり、自分が大切にしているものに傷を付けられたり汚されたりするのはとても気分の悪いことです。加えて、自分のペットでもない猫にやられてしまう理不尽さも嫌な気持ちに拍車をかけていると思います。
しかし、犯人が猫なわけで、野良猫かもしれないし、放し飼いの猫かもしれない。飼い主が分かっていれば修理代を請求することもできますが、ご近所付き合いもあり、簡単にいかないのが現実だと思います。
泣き寝入りするケースが多いことと思いますが、どんな対処法があるかを記載いたします。
▼目次
- 野良猫に車を傷つけられた
- 野良猫に車を傷つけられた(餌付けしている人がいる)
- 飼い猫に車を傷つけられた
- 地域猫に車を傷つけられた
- 自衛するなら
写真・録画、証拠を残しておく。
ご近所さんも被害に遭われていないか確認
損害賠償請求を検討しているなら無料の法律相談窓口へ
被害次第では警察に被害の届け出を
野良猫に車を傷つけられた
誰かが面倒を見ているわけでもなく、完全な野良だった場合は、相手はただの野良猫ですから泣き寝入りになってしまいます。この場合は、傷をつけられないように自衛するしかありません。(残念ながら)
駐車場での出来事であれば、管理会社に何かしらの猫よけ対策を依頼することは可能かもしれません。しかし、駐車場での被害に関して管理会社が責任を持つことはないでしょう。
車両保険に入っていれば、車両のキズはいたずらや飛び石の損傷の類として、保険金の請求が可能な場合もありますが、等級ダウンもあり今後の保険料負担を考えると安易な適用ができないと思われます。
また、猫がボンネットなど車の上にいた場合は、驚かさずにそっと車からどいてもらいましょう。驚かしたり、慌てて追い払ったりすると猫がびっくりして爪を立ててしまいます。
野良猫に車を傷つけられた(餌付けしている人がいる)
この場合も基本的には、野良猫がしでかしたことですので、泣き寝入りになってしまいます。
ですが、野良猫の餌付けで損害賠償を求めた裁判では、55万円の賠償命令を命じたケースもあります。
出展,「野良猫に餌、隣家の庭が排せつ物で汚れる被害 55万円の賠償命令」, ライブドアニュース
ですので、全てが泣き寝入りというわけではありませんが、管理人の見解としては損害賠償するのは難しいのではないかと考えております。
- まず、餌付けをしている住民が所有者であること(=飼っている)ことを証明する。
- その上で、車の傷が餌付けをしている野良猫の仕業であることを証明する。
もしくは、
- 餌付けをすることで、損害を被るであろう因果関係を証明する。
- その損害は、誰が見ても予測できる明らかなものであるか、餌付けしている人が問題を把握している事実を客観的に証明ができる。(故意又は過失であるかを証明できる)
上記のようにどちらも段階を2つ踏まなければいけないので、時間と労力がかかり、実質的には困難な方法ではと考えています。
また、損害賠償請求を考える場合、以下の民法に該当する状態か確認しておきましょう。
民法https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089
以下、民法の引用。
(不法行為による損害賠償)第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(動物の占有者等の責任)第七百十八条 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。2 占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。
損害賠償請求のハードルが高いことはもちろんですが、修理代金を餌付け住民に請求することはできます。認めさせ弁償してもらうのは難しいかもしれませんが、やってみる価値がないわけではありません。
飼い猫に車を傷つけられた
飼い猫で、飼い主がわかっていれば、損害賠償が可能です。
写真・録画、証拠を残しておく。
その飼い猫が実際に傷付けた証拠がないと言い逃れもできますし、なにより事実の証明が難しいです。アクションを起こす前に、その猫が車にいたずらしている写真を撮っておく、目撃した時の状況をメモしておく等、証拠を残しておきましょう。
証拠を残すには、防犯カメラの設置が確実です。安価なものも出回っていますので、検討してみてはいかがでしょうか。1万円以内で購入できるものもあります。
「ネットワークカメラ」「トレイルカメラ」で検索をしてみてください。防水・防塵機能がついているものを選びましょう。
飼い主がしらばっくれたら
写真など証拠があっても飼い主が「うちの猫じゃない」「うちの猫はそんな悪さしない」「似ているけど違う」なんてしらばっくれることさえあります。であるなら、お宅の猫じゃないなら捕まえてしまってもいいですね?と許可を取っておいてもいいかもしれません。本当に捕まえたなら拾得物として警察に届けてしまってもいいわけです。
ご近所さんも被害に遭われていないか確認
近所の方で他に被害を受けている方がいないかも確認しておきましょう。
同様の被害に遭われている方がいれば、協力してもらえるかもしれませんし、なにより、自分だけ困っているんじゃないことがわかるだけでも心強いものがあります。
損害賠償請求を検討しているなら無料の法律相談窓口へ
損害賠償請求は個人でももちろんできますが、なかなか個人でやるにはハードルが高いです。また、損害賠償請求が妥当かどうかの判断も専門家の意見を聞いてみたい気持ちもあります。であるなら、自治体などの法律相談窓口に一度相談されるのがいいでしょう。無料で相談できるところに話を持ち掛けてみるのも無駄ではないと思います。
被害次第では警察に被害の届け出を
それから、傷の状態次第では器物損壊罪に該当する可能性もありますので、警察に被害届を提出しておくこともできます。ペットが原因であれば、飼い主には管理責任が発生します。管理に問題があれば、当然、原状復帰させる義務があります。
※器物損壊の被害届を提出しておくことで、警察から飼い主へ被害届が出されていることを伝えてもらえます。その後は、賠償請求を民事で起こせますし、被害届を交渉のカード(取り下げる変わりに弁済させる等)としても使え、有利に進められると思います。
地域猫に車を傷つけられた
昨今、環境省や自治体で野良猫対策の一環として、地域猫活動を推奨されています。地域で飼い主のいない猫の管理し、減らしていくことを目的とした活動ですが、外を自由に行き来できる猫ですので、当然、問題を起こしてしまう場合もあります。
この場合は、地域猫活動の代表者に対して事情を説明し、改善をしていただくのが第一歩かと思います。もし、何も対応していただけない場合は、自治体に問い合わせてみるのも手です。自治体へ届出をして活動している場合は、自治体が支援をして活動を行っております。自治体から地域猫活動の団体へ話をしていただけると思います。
しかし、自称地域猫活動の場合はその人達が勝手にやっているだけです。この場合は不適切飼養として保健所に飼育管理の指導をお願いした方が早いかもしれません。
また、地域猫による被害の損賠賠償請求については以下に詳しくまとめさせていただきました。こちらをご確認いただけたらと思います。
自衛するなら
猫が車に近づかなければそれでいい場合は、自衛するのが穏便な対応なのかもしれません。愛車を守る術は、以下にまとめてみました。お時間あればご参考ください。
以上、いかがでしたでしょうか。
動物がしでかすことですので、修理代金の弁済はなかなか難しいところです。飼い主が分かっていた場合でも証拠を残すことが難しいこともありますので。
しかし、カラスがつけた傷や飛び石で傷がついてしまった場合と決定的に違うのところは、人が介在しているケースが往々にしてあるということです。飼い主、餌付けをしている人が判っている場合は、修理代金の請求、再発防止を求めたいところは多くの方の本音だと思います。(管理人)