近所に野良猫が20、30匹いるような環境にしばらく住んでいると亡くなる(見かけなくなる)猫もちらほら出てきます。しかし不思議なことに見かけなくなることはそれなりにあるにも関わらず、猫の死骸を見つけたのは一度だけです。管理人の経験上だと10匹は入れ替わっているように思うので、死ぬ間際に身を隠すという話は実際にそういった行動をしているのかもしれません。
猫の死骸はあまり見かけないものですが、普段見かける猫の様子がおかしいと思うことはたまにあります。もちろん、たまたまというのもありますが、その後姿を見かけなくなった猫に関しては、亡くなってしまった可能性が高そうです。
「野良猫の」になりますが、亡くなってしまったと思われる猫の直前の行動、死期が近い時の行動を思い返し、まとめました。
▼目次
- 痩せ始める
- 身体が汚れてくる(毛づくろいをしなくなる)
- 顔つきが変わる、目に力が感じられない
- 住処や寝床の近くで糞を見かける
- 餌を食べなくなる(近くに持っていっても無反応)
- 嘔吐
- 近付いていっても逃げなくなる
- 不意に立ち止まり、座り込む
- 動かない、一日の大半を寝て過ごす
- 猫の周りにハエが飛び交っている(子猫に見られる)
- 軒下や物置の下など暗がりや冷たい場所に入り込む
痩せ始める
これは真っ黒な黒猫が一匹、近所の猫屋敷に棲みついていたのですが、ちょっと痩せたかなぁ..と思っていたらしばらくして見かけなくなりました。元から身体の大きな子ではなかったのですが、目に見えて痩せた感じがしたので何かあったのは確かだと思っています。(もちろん本当に亡くなったかはわかりません。見なくなったのは事実です)
人間もですが重い病気を患うと体が食べ物を受け付けなくなりますね。猫がまだ動けるようなら回復の見込みはあると思いますが、痩せ始めて元気がない様子が続いていたらかなり辛い状況に置かれていると思います。
野良猫も様々で餌が足りていない地域だと痩せた猫が多いこともありますが、餌やりするお宅が数軒あったり餌が十分にある地域だと野良猫も健康そのものです。太った猫さえいるくらいです。そういった地域では痩せた猫を見ると目立つので気付くことがあるかもしれません。
身体が汚れてくる(毛づくろいをしなくなる)
野良猫であっても元気な時は、はたから見ればそれなりに綺麗です。(近くで見ると土汚れがあり、動物臭さは感じますが)
他の猫とケンカをした様子もなく、毛がぼさっと汚れが目立ったり、糞らしきものが付いてしまっていたり、毛が濡れたまんまということがあれば、弱っているサインかなと思っています。キジトラの子なんかはわかりづらかったりしますが、毛に葉っぱや木くずなどのゴミがついた猫を見かけると少し様子を見てしまいます。
管理人が見たことがある光景だと、珍しく餌やりしている人がキジトラの背中を撫でているのを見たことがあります。後日、話を聞いてみれば「少し元気がないみたいなの」とのことで、やっぱり少し薄汚れた感じがあったからなぁ..と思い返した事がありました。
顔つきが変わる、目に力が感じられない
普通なら数メートルも近付けば、臨戦態勢。それよりも近付くと脱兎のごとく逃げるブチ猫が逃げない時の顔つきです。このブチ猫は基本、人相(猫相)が悪い猫でやさぐれたヤンキー猫って感じなんですが、いつにもまして顔つきが険しいというか表情を変えない。見ようによっては・・・かもしれませんが、顔つきが変わったような感じがありました。
ただ、ブチ猫は今も元気に生活をしていますので、死期であったと言えば違うということに。でも、いつもと様子が違うのは身体の不調があったのでは?と考えています。
住処や寝床の近くで糞を見かける
普段は見かけない場所の糞。大体、野良猫の糞をする場所って決まっていて、餌場から程好く離れた静かに安心して排泄できる場所が多いです。野良猫の行動範囲は、それほど広くはなく発情期でメス猫を探しているなどの特別な事情がなければ、100~200mくらいが生活圏内だと思われます。(その地域の環境による部分は大きい)
道端やマンホールの上、玄関開けてすぐ目の前とか思わぬところにウンチをしてしまうこともありますが、それでもある程度はする場所が決まっています。また、思わぬところにウンチをすることはありますが、その中でも住処や寝床といった付近にはまずしません。
というのも、生粋の野良猫の場合、母猫から排泄の躾をきっちり受けており、子猫が少し大きくなり自分で排泄ができるようになると母猫は排泄時に首根っこ咥えて寝床から遠ざけます。糞尿で不衛生になると虫が湧き病気になるリスクが高まるので、これを幼少期に母猫が教え込んでいます。だから寝床やその近くでは絶対にしません。
管理人宅の近くに猫屋敷がありますが、稀にウンチを見かけることがあっても本当に稀にです。特に餌を与えている玄関付近では糞が落ちているのは見たことがありません。食事するところに排泄物があること自体ありえませんが、猫も当然分かっています。
だから、こういった場所には糞は見かけないものですが、ちょくちょく見かけたことがあった後に草むらでキジトラが亡くなっているのを見つけたことがありました。因果関係はわかりませんが、偶然ではないと思っています。
餌を食べなくなる(近くに持っていっても無反応)
うちの近所の野良猫の場合、餌を結構残す。全部食べないことってよくあるんですよね。餌やりする人が多いと餌に困らないからなのかもしれません。
ただ、目の前に餌があって全く手を付けないことは少ないですね。人が近くにいると食べない子もいますが、餌やりする人がいなくなっても置いたまんまなのは、よっぽどお腹が空いてなかったのか体が受け付けなかったのかもしれません。
餌やりさんの中には猫の体調に気付いている人もいるみたいで、なんとか食べてもらおうと口の近くに持っていったりする人もいます。これは近所の餌やり婆さんがそうだったんですが、栄養付けないと余計に弱るとでも思ったのか結構無理に食べさせようとするんですよね。しかも、その餌というのがおにぎりや肉まん、酷いなと思ったのはフルーツサンドでしたが家に余った残飯だったんだろうなと。
嘔吐
近所の餌やり婆さんが何とかして食べさせた結果かわかりませんが、餌場付近の嘔吐や猫が座っている少し先の嘔吐を見かけたことがあります。この猫自体は、気付いたら姿を消していたので、この嘔吐が死期の兆候であったかは定かではないのですが、一時的にゲロが増えたなぁと感じたことがありました。(増えたと言っても見つけたのは三回(立て続けに)。それでも多いと感じました)
猫に限らず動物のほとんどは、死期が近づくと食べなくなります。弱っている時に無理に食べても下痢をしたり嘔吐をしてしまいます。そうなると水分が身体から失われるのでよく水を飲むようになるのですが、それさえも嘔吐するようになると衰弱が進みます。身体が弱っている時の下痢や嘔吐は負担が大きく、衰弱に繋がります。
近所の餌やり婆さんなんかは、栄養付けないと弱ってしまう。と思って餌を頑張って与えようとしてたのかもしれませんが、悪い結果になることもあるということです。人の場合は食べ物を食べれなくなっても最低限の栄養補給や延命の為、点滴を打てますが猫はそうもいきません。特に野良猫は。
近付いていっても逃げなくなる
よっぽど人馴れしている野良猫でない限り、人が近づくと距離を取ったり逃げるのが野良猫です。うちの近所の野良猫もほぼ全部がそうです。ゆっくり近づいていってもこれ以上は危険と判断すれば素早く身を動かし走り去ります。
そんな野良猫なんですが、雌のキジトラの一匹が近づいても逃げない。いつもなら逃げる距離で逃げない。もっと近づいて1メートル以内、手の届く距離でも逃げないことがありました。怪我でもしてるのか、アクシデントがあって身動きできないのかと思っていると外見からはそれがわからず、ただじっとしているって感じでした。
逃げる元気もない。
おそらくそんな状況であったんだと思います。
不意に立ち止まり、座り込む
これは前述の猫と同じキジトラ雌猫なんですが、思い返してみると道路の真ん中で立ち止まったり、座り込んだりしたのを何度か見かけたことがありました。少し歩いてみては立ち止まる、座り込むみたいな感じですね。この頃から体調に異変があったのだと思いますが、移動する先に他の猫がいたり、車が通ったりして待っているなど必要に応じてではないケースは、体調に異変があってのことかもしれません。
動かない、一日の大半を寝て過ごす
人もそうですが、具合が悪くなれば横になります。安静にしています。体力の回復を図る為に取る行動は動物の本能ですね。無駄な消費エネルギーを減らし、体力の回復を図っていると思われます。
猫の周りにハエが飛び交っている(子猫に見られる)
子猫に限らず成猫もあると思いますが、体験談的には子猫です。
ハエも一匹くらいならたまにあってもおかしくないかもしれませんが、集まるくらいに飛んでいれば死期が近いと言えると思います。生きている今からハエが卵を植え付けていると考えると長くはないと思われます。もって一両日。生きていても蝿蛆症(ようそしょう)で食われて亡くなるか・・・。
軒下や物置の下など暗がりや冷たい場所に入り込む
よく聞く話。「死期が近づくと身を隠す」
昔の日本家屋であれば軒下がありました、薄暗く狭く冷たく、外敵から身を守りやすく体力回復を待つ場所として適していたのだと思います。
個人的には「冷たい場所」というのがひっかかった点ですが、これは飼い猫でも風呂場に寄り付いたり冷たい床に座りたがったりすることがあるそうです。
では、なぜ冷たい場所に行きたがるのかですが、動物は体調が悪くなると体力の温存を図ります。体力の温存を図るためにはエネルギーの消費を抑える必要がありますが、体温が高い状態はエネルギーを消費します。基礎代謝が高い状態だからです。無駄なエネルギーの消費を抑えるために体温を下げようとするのは動物の本能と言えます。そして、体温を下げようとするなら「冷たい場所」に居た方が理にかなっていますし、体温を下げると普段いる場所を熱く感じやすくもなります。だから「冷たい場所」に移動するということのようです。
以上です。飼い猫の場合だと急に甘え出したり、歩きがおぼつかなくなったり、夜鳴きをするようになるなどもあるようです。身近に接している分、排泄物や目やに、普段の過ごし方の変化などでも気付く点は多いのかもしれません。