飼い猫の(特に)放し飼いの猫に見られる、「お土産」を持ってくる行為。それは、ネズミだったりスズメだったりトカゲやヘビ、トンボだったりするわけですが、稀にですが野良猫が庭や玄関先に持ってきてしまうことがあります。
実のところ管理人宅ではそういったことは一度もなく、昆虫(クモとかバッタなど)の残骸らしきものを庭先で見たことがあるくらいです。また、ご近所さんに立ち話で聞いてみてもそういったことはなく、畑でネズミの死骸を見つけたり庭先でむしり取られたと思しき散乱した羽を見かけるくらいだそうです。もちろん、これが野良猫の仕業だとはわかりません。
ですので、「稀に」と書いてみたものですが、野良猫がネズミやモグラ(の主に死骸)を持ってくる話ってちらほら聞きます。実際にそうした場面に出くわした方は、置いてある場所によってはびっくりもするでしょうし、片付けも面倒でしょうし、衛生面でも心配があります。全くもって嬉しいことではなくて。
それから、なんでそんなことするんだろう?というヒントは飼い猫から。飼い猫もよくやる行為でどういった理由からするのかというと、
- 飼い主に喜んでもらいたくて
- 飼い主に褒めてもらいたくて
- 飼い主に自慢したくて
- 飼い主にご飯を持ってきてるつもり
- 狩りを教えるため
他にも飼い主への恩返しと言われたりもします。だから獲物を捕らえて持って帰ってきてしまっても叱らずに褒めてあげましょう。という人もいるくらいです。
これを野良猫に置き替えたとして、好意的に接したり、餌やりをしている方なら少なからず納得でしょうけど、そうした関係性ではない方もいるわけです。
やはり、わからなくもないけど、しっくりくる理由という気がしない方も多いと思いました。管理人の主観も結構入っておりますが、野良猫がネズミを持ってくる理由をまとめました。
▼目次
- 野良猫は褒めてもらいたくてやっているか?
- ご飯を持ってきてくれているとは考えにくい
- なぜ、ネズミを狩ったのかを考える
- 獲物を捕らえてありつく時の行動を考える
- 十分に餌が足りているならネズミを置いていくこともありえる
- 獲物の置き忘れ
- 餌やりしている(したことがある)場合
野良猫は褒めてもらいたくてやっているか?
飼い猫の場合、飼い主に喜んでもらうため、褒めてもらいたくてと言われたりもしますが、野良猫にそうした気持ちがあるかと言えばちょっと無理があると思います。
もし、褒めてもらいたくてネズミを持ってきているなら、ネズミと一緒に野良猫が側にいないと褒められません。また、本当に誰かに褒めてもらいたいのであれば、ネズミを持ってきた後、褒めてもらうために誰かを呼ばなければいけません。だとすると、人の家まで持って行ってさらに、鳴き声などで人に知らせて出てきてもらわないといけないと思いますが、さすがに鳴き声で知らせてまでネズミを披露する話は聞いたことがないのではないでしょうか?(少なくても管理人は聞いたことがありません)
多くの場合は、ネズミを持ってきて置いていってしまうというものだと思いますので、野良猫が褒めてもらいたくて持ってきているかと言えばそうではないと思われます。
ご飯を持ってきてくれているとは考えにくい
飼い主でもない見ず知らずの人間に、野良猫がご飯を持ってきてくれるでしょうか?仮に餌やりをしている方へのお礼だと考えればあり得なくもないですが。
例えば、野良猫が何匹かいて、手持ちの食べ物をぽーんとその場に投げたとします。大抵の場合は早い者勝ちで餌を持っていったりすぐその場で食べてしまったりします。餌を持っていってしまった猫も安全な物陰などで食べたりします。猫は単独で行動する生き物ですし、誰かに分け与えるという考え自体がありません。それがあるとすれば子猫に狩りを教える母猫くらいです。
加えて、貯食性もないと言われていますので、目の前に餌があり空腹であれば、その場や近くで自分が食べるというのが普通でしょう。もし、満腹だったとしても餌を後で食べるのに取っておこうとはならず、見向きもしないことが多いと思います。
管理人の近所でも置き餌をされてしまうのをたまに見かけますが、食べ残しはそのままです。住処に持って帰ってとっておこう、仲間のとこに持って帰ってやろうという行動はとっていないと思われます。
なぜ、ネズミを狩ったのかを考える
なぜ、そのネズミを狩ったのかと考えると、
- お腹が空いていたから
- 狩猟本能を満たすため
この辺りだと思います。
素朴な疑問で、完全室内飼いのキャットフードで育った猫って、ネズミを見たら捕まえるのか?食べるのかという話です。だって、一度もネズミを見たことがない猫もいるかもしれないし、ましてや食べたこともありません。でも、おもちゃのネズミは追い掛けるし、猫パンチするし、咥えようとする子もいますよね。
チョロチョロと動き回る物に対して、本能的に追い掛けたり手が出ているものだとは思いますが、ネズミを知らなくてもネズミに出くわしたら捕まえようとする。もし、お腹が空いていて食べるものがなければ、飼い猫であっても食べること(食べようとすること)は十分に考えられるのではないでしょうか。
話は逸れましたが、こういった行動が狩猟本能というわけで、獲物を見つけると捕まえずにはいられない習性からネズミを狩ったと考えると納得できると思います。
獲物を捕らえてありつく時の行動を考える
さて、野良猫が獲物(ネズミ)を捕えたとして、どこで食べているんでしょう?
群れを作らず単独で行動する野良猫なので、警戒心も強いです。食べる時は誰かに盗まれるという心配よりも、無防備な姿をさらすことに繋がるため、出来る限り安全な場所で食べたいはずです。
むろん、よっぽどお腹が空いていたり、ちょうど捕らえた場所が良かったりすれば、その場でいただくこともあるでしょう。
管理人の近所の野良猫は、人から餌をもらっているという理由が大きいとは思いますが、自分で捕った餌を食べてる姿ってほとんど見たことがありません。蝶々やバッタ、トカゲを咥える姿を見かけることがせいぜいです。おそらくですが、自分で捕って食べることもあるのだとは思いますが、人や車がよく通る場所では食べず、身を隠せるような安全な場所でありついているのではないかと考えています。
獲物を捕らえる -> 安全な場所に移動する -> 食事にありつく
このような行動が考えられますし、付け加えれば、狩りをするのに消費した体力を回復するためにも安心して休める場所に移動したい気持ちもあると思います。
では、野良猫がネズミを持ってきてしまう場所を考えると、ご自宅であれば玄関先であったり、庭先だったり、縁の下や車の下など。
ご自宅の敷地に囲いがあれば外敵から身を守りやすいですし、玄関先も少し奥まった部分であり屋根付きです。縁の下や車の下なども安全面であれば悪くなさそうです。
もし、自分が野良猫だったとして考えてみても意外と人の家って悪くない場所が多いと思ってしまいます。(人の出入りが少なければ最適。夜なんかいいんじゃないかな)
十分に餌が足りているならネズミを置いていくこともありえる
人から餌をもらっており、その餌が十分だったら狩猟本能を満たすためにネズミを狩っても食べないこともありえると思います。
前述の通り、獲物を捕らえて安全な場所まで運搬はしたんだけど、お腹は満たされていたのでそのまま置いていってしまった。
こんなこともありそうです。
獲物の置き忘れ
単純な話、人の敷地内で食べようっていうなら、運悪く家主の帰宅や出掛けるタイミングに出くわしてしまうかもしれません。
せっかく食べようと思っていたけど、人の気配や扉が開く物音に気付いて一目散に逃げてしまった。その場には食べようと思っていたネズミが取り残されていた。
そんなこともあるかもしれません。
餌やりしている(したことがある)場合
餌やりをしている、過去にしたことがある場合、持ってきてしまうことがあるかもしれません。
野良猫の行動範囲は広くはありません。住む地域の環境差はありますが、半径500mもあれば広い方だと思います。寝床、餌場、休憩場所、トイレなどその縄張りの中には生活する上で必要な場所が確保されています。餌も食べる場所が概ね決まっていることでしょう。餌やりをされている方がいたらなおさら決まった場所でもらっていると思います。
餌を食べる時はいつも決まった場所で食べる。ってごく自然なことだと思います。また、行動範囲も広くないことから、いつもの決まった場所に持っていって食べようとするのはありえる話だと思います。(持っていくには持っていったけど、満たされてたので放置・・・とか)
他にも、その場で狩りをして食べずに置き去りにしていっただけかもしれません。色々な可能性は考えられますが、野良猫が褒めてもらいたいとか自慢したい、家主に餌を運んできたりは、考えにくいと思います。