母猫が育児放棄をしてしまう。
ミーミーと仔猫の鳴き声は聞こえど、母猫の姿なく、しばらくしても鳴き止まず・・可哀想になり保護をした。なんて話を時折耳にします。
母猫が怪我をしたり、亡くなったり、外敵に襲われ逃げてしまっていたり、様々なケースがありますが、育児放棄をしてしまうケースも・・。
仔猫が大人の猫になれる生存率がとても低い野良猫の世界ですが、死因の一つである育児放棄。どんなときに育児放棄をしてしまうのでしょうか?
初産で育て方が分からない
初産で育て方が分からず、育児放棄をしてしまうケースがあるようです。生後1年程度のメス猫の場合、まだ身体が小さく、野良のため栄養も十分でなく、授乳や子育てする程の体力が備わってないことも一因と思われます。
未熟児、虚弱な子を育たないと判断した
野良であるため母猫の栄養も十分でなく、産まれた仔猫の数が多ければ、全てを育て上げることが難しい場合があります。そうなれば、未熟な子、虚弱な子を見捨てることだってあります。
※未避妊、未去勢の野良猫が狭い地域に集まっていると、近親関係で交配してしまう場合があります。そうした場合は、弱い個体の産まれる率が高まります。
母猫が子育て中に発情して面倒を見なくなった
稀なケースのようですが、子育て中に発情してしまい、仔猫から離れるように遠ざけたりする場合があるようです。
※未避妊、未去勢の野良猫達が集まっていれば、発情もしやすくなります。こうした場合に、出産後、授乳中であっても発情してしまうことがあるようです。
仔猫に人間(外敵)の臭いがついてしまった
仔猫に人の臭いがついてしまった場合に、母猫が育児放棄するケースがあります。産まれてからしばらくは体温の調節ができないため、母猫と仔猫達とで、寄り添って体温を保ちます。
このため人間(外敵)の臭いが付けば、身の危険を感じます。
母猫からすればその臭いが付いた仔猫を遠ざけるのは当然のことでしょう。他の仔猫達を守りたいのです。
また、産まれてから3週目辺りまでは、仔猫は自分で排泄ができません。母猫に排泄を手伝ってもらい、仔猫の糞は母猫が食べてしまいます。自分の乳をあげたときと違う臭いがすれば当然気付きます。
※仔猫が可愛いからと言って、むやみに近付くのはその後の生き方に大きな影響を与えることがあります。飼い猫に出来ないなら関わらないのが仔猫の為であるとも言えましょう。
子育てを安全な場所に移す際、取り残してしまった
野良猫は、子育て中に何度か場所を変えることがあります。人に見つかってしまったり、外敵が近くにいたりした場合、少しでも不安があれば子育て場所を移動します。この際、子猫の首根っこを咥えて新しい場所に何度も行き来したり、ある程度歩けるくらいの子猫は一緒についてきたりと状況は様々です。
何等かの事情により、母猫とはぐれてしまったりすることもあります。もちろんはぐれてしまえば、子猫がいないか探しに来るものですが、他の子猫もいるため、時間には限りがあるようです。
育児放棄というより、見失ってしまった。という状況になりますが、このようなケースもあります。
人に追い払われ、母猫だけが逃げてきてしまった
家の庭など敷地内で出産されてしまった場合、困って追い払おうをする方もおられます。
この際、母猫だけが逃げてしまって、子猫が取り残されてしまうケースがあります。
母猫も積極的に育児放棄をしたわけではありませんが、身の危険を感じて、子猫を諦めてしまうことがあります。野良猫ならではの事情ですが、こうしたケースも少なからずあるでしょう。
その他
- 子育てする安全な場所がなかった。(身の危険を感じて放棄)
- 外敵に襲われ、助けられないと諦めた。
- 母猫が怪我をした、亡くなってしまった。
- 実は育児放棄していない!?
最後の「実は育児放棄していない!?」
仔猫がずっと鳴いていて、母猫の姿が見えないということで、育児放棄してしまった?母猫が事故に遭った?などと考えてしまいがちです。
しかし、母猫も授乳のために栄養をつけなければいけませんから、乳を垂らしながら餌を求めて歩き回っています。餌場の距離が遠かったり、餌やり住民の餌待ちをしていれば、1~2時間程度留守にすることもありえます。
そして、授乳をしに戻り、飲ませ終えたら、すぐさま餌を求め彷徨うことも。そういった状況の中、仔猫達も必死に母親を求め鳴き止まないこともあるかもしれません。(それを偶然見掛けた人が、仔猫が取り残されていると勘違いしている場合も・・)
育児放棄や母猫が事故に遭っていることもあるかもしれませんが、仔猫が弱っている様子でなければ、そっとしておく方がいいのかもしれません。可哀想だと思って保護したつもりが仔猫の誘拐になってしまっていたら・・・本意ではないと思います。
弱っていたり、2時間以上母猫が不在だったら保護してあげるといいかもしれませんね。
以上