ウサギは飼うけど猫は飼われない
皆様が通われた、通われている小学校では、動物の飼育はなされているでしょうか?
管理人が通っていた小学校では、動物は飼育していませんでしたが、幼稚園では、孔雀を飼っていました。春先になると雄の孔雀が羽を開いて綺麗だったのを覚えています。今思うと求愛行動だったんですね。
さて、ほとんどの小学校では猫の飼育はしていないかと思います。ウサギやニワトリは定番のように飼われたりします。なぜ猫は飼われないのかなぁ..と思ったりして。近所に野良猫が多いし、小学校で動物飼うなら野良猫でも飼えばいいのに・・なんてちょっと勝手で無責任に考えてしまったりもするわけです。
動物を小学校で飼う場合に、猫が選ばれない理由をあげていきます。
生き物を飼うということ
猫を飼う飼わないの以前にそもそものことなのですが、生き物を飼うことは責任が重いです。飼育の責任はもちろんですが、起こり得るトラブルの対処、感染症のことやアレルギー、それにお金もかかります。
飼育をするということは、生き物に触れ合うことで学べることも多いです。しかし、同時に責任が生じます。
昔ほど動物を飼う学校が少なくなっていると思いますが、学校側としては上記の事を踏まえて飼う、飼わないを判断しているかと思います。
教育の観点から「飼育目的」
学校で飼育するからには、学校教育の目的があります。
- いのちの尊さ
- 友愛、情を交わすことで平和的こころを養う
他にも生態を学ぶ為などもあると思いますが、主目的はこの2点の学校が多いかと思います。動物愛護の考え方の「人と動物とのより良い共生」を学ぶ、一端を担っていると思います。
さて、この2点で言えば、猫も目的に沿っているような気がします。
一つあるとすれば、猫は長生きしすぎるところでしょう。もちろん良いことではあるのですが、動物の「死」に立ち会うこともいのちの尊さを学ぶ上で重要なことだと思います。そういった面では、長生きしすぎない動物が適しているのだと思います。
感染症やアレルギーの心配
生徒の中には、アレルギーを持っている子もいます。また、猫と触れ合うことでアレルギー反応が出てしまう子もいるでしょう。
また、病気や感染症なども心配です。昨今では、猫に噛み付かれ、マダニ感染症を発症し、死亡するという事例もありました。稀なケースだとしても、責任を持つ学校側、お子様を心配する保護者の方の立場もあり、飼育されない理由になります。
飼育する人(教師)の負担
子供たちに世話をさせるにしろ、飼育の指導は教師が行います。
また、土日祝日の世話、夏休みの長期休暇時の世話は、教師が行うことになります。病気やケガの面倒も教師が見ることになるでしょう。こうした負担がある為、飼育すること自体が大変です。
ウサギやニワトリが多く選ばれるのは世話がしやすいことも多いにあるかと思います。
お金がかかる
動物を飼うには、飼育場所が必要です。それに日々の餌、病気にかかった時の治療費。学校側に予算が無い場合も当然あるでしょう。
猫の場合、飼育場所には多少の広さと高低差が必要かと思います。それに逃走を防止する囲いと出入口も必要です。
また、子供達への病気の感染予防の為、定期的なワクチン接種、健康診断、場合によっては不妊・去勢手術も必要かと思います。
ウサギに比べて多くの費用がかかります。
この辺りが主な理由になります。以下はその他理由。
野良猫を呼び寄せてしまう
猫を飼育した場合、飼育場所が屋外だとしたら、野良猫を呼び寄せてしまうかもしれません。
発情した野良猫が訪れるようになったり、世話をしている子供達が野良猫に餌を与えてしまうことも。こうした場合、近隣住民の方から苦情になることも考えられます。
子供が野良猫を学校に連れてきてしまう
学校で猫を飼っていたら、野良猫、捨て猫を生徒が学校に連れてきてしまうこともありえると思います。ましてや学校で飼っている猫が野良猫、捨て猫だった場合はなおさらではないでしょうか。
あの子は拾って飼ってあげて、この子はダメと言うのは難しいでしょう。ただの迷い猫ってこともありえます。
猫のようにノラの多い動物は、こういった観点からも難しいと思います。学校は動物保護施設ではないですしね。ドラマのようにみんなで協力して世話しよう♪わーい里親探しだー♪ってわけにもいかないでしょう。
特定の子供に懐いてしまう
猫や犬もそうですが、特定の人に懐くことがあります。
学校の場では、不特定多数の生徒がいるわけですから不公平感が出てしまうのはかえって飼いにくいのではないでしょうか。もちろんウサギも感情はあると思いますが、猫ほどではないでしょう。
猫さんサイドから
- ここから出して!トイレはもっときれいに!餌をもっとくれ!
- 大勢の子供に囲まれるのはキツイよ!ストレス!
- 年度毎に人が入れ替わって、好きだったあの子がいなくなり、知らない子がどんどんやって来る。そんなの嫌。不安。
以上になります。学校での動物の飼育は、年々減ってきているようです。責任や教師の負担が大きいことが大きな原因かと思います。