ニュースで騒がれるくらいの台風、暴風雨。住民に避難勧告が出る強い勢力の場合、外で生活をしている野良猫達はどのように雨風を凌いでいるのでしょうか?
家屋の倒壊、樹木の倒木、大きな被害をもたらす記録的な暴風雨だった場合、近所の野良猫がやり過ごせているのか気になり、世話をしている場合は心配になるものです。
管理人も台風の際、近所の野良猫が気になって、カッパを着て辺りを見て回ったことがありました。しかし、車で出掛けようとする近所の人にばったり出くわし、いぶかし気な視線を感じてそそくさと家に戻ったものです。台風の日に何かを物色するようにふらふらと歩いていたら不審がられるのは無理もありません。
台風の際、野良猫はどこでどうしているのか。管理人が気になった点などを色々とまとめました。
▼目次
- 台風を事前に察知できるのか?
- 本能で安全な場所へ逃げる
- どんな場所に避難しているのか
- 放し飼いの猫は、近所のお宅へ避難
- 命を落としやすい野良子猫
- 危険な河川敷の野良猫達
- 避難勧告が出る程の台風のケース。野良猫は避難できない
- 台風が去った後の野良猫の行動
台風を事前に察知できるのか?
地震など自然災害が起こる際、ペットの犬猫が普段と異なる行動を取ったり、落ち着きのない様子を見せるなど耳にすることはあるかと思います。
では、台風の場合はどうなのか?
人もそうですが、雨の日などに古傷が痛んだり、頭痛がひどくなったりするようなことがあります。これは、気圧や湿度の微妙な変化を捉えて起こるものですが、人より感覚に優れる動物は、より強く感じることができるでしょう。
猫の聴覚は、人の数倍。猫の嗅覚は、人の数万~数十万倍。
優れた器官を持っていると言えます。
また、猫は体毛で前身が覆われていますが、威嚇するときなどに毛を逆立てることができます。体毛を自発的に逆立てられるというのは、毛や皮膚に関しても優れた感度を持っているということです。
「猫が顔を洗うと雨がふる」
天候の変化を察知した猫が顔を洗うという行動をよくしたので、雨の降る予兆のような言い伝えもあるくらいです。少なからず、人よりは気圧、湿度の変化に敏感で、猫差があるにしろ感知をしている可能性は十分にあると言えそうです。
本能で安全な場所へ逃げる
台風が来ると分かったら、本能的に安全な場所へ逃げます。住処が近ければ素早くその場所へ。住処から離れてしまっている場合は、縄張りの中で雨風を凌げる安全な場所へと移動します。しかし、台風が来る、強い雨が降るかもしれないということが分かったとしても、どの程度身の危険が及ぶかまでは予測ができませんから、手近な場所へ避難してしまい身動きが取れなくなる場合もでてきます。
どんな場所に避難しているのか
野良猫は自分の行動範囲をよく理解しています。寝場所、餌場、休憩場所、身を隠せる場所、暖まれる場所など。
- 軒下、床下、ベランダの下
- 物置の下、小屋の中
- 駐車場、駐輪場
- 車の下
- 玄関先
- 神社の境内
- マンション、アパートの階段下
台風のように雨風が強い場合、頑丈な人口建造物がベストだとは思いますが、近くになければ一時避難的に車の下や軒下、玄関先など雨に濡れずにすむ場所へ逃げ込んでしまいます。普段、寝床にしている場所が雨風を凌げるような場所である場合、極力その場所でじっとしていることが多いと思います。管理人の近所の野良猫は、普段の寝床に逃げ込むような感じでした。
小雨であれば、大きな木の下でもやり過ごせるかもしれませんが、暴風雨ともなれば、屋根付きで頑丈な人工物に逃げ込んでいると思います。
また、猫の世話をしているような方がいれば、ダンボールや発泡スチロールなどで猫ハウスを作られている場合もありますが、そこに逃げ込んでしまうと悲惨な目に遭うことも。設置場所によっては、風に容易に飛ばされてしまい、もし子猫が中にいた場合はかなり厳しい状況に陥ることでしょう。
放し飼いの猫は、近所のお宅へ避難
放し飼いの猫の場合、見ず知らずの猫が玄関先などに避難しに来る場合があります。普段は、よその家に上がりこむことはなかなかないと思いますが、緊急時です。やむを得ず最寄りの屋内に避難したくなる気持ちはわからなくもありません。おそらく帰宅難猫になっていると思われるので、雨宿りさせてあげるのが良いでしょう。
命を落としやすい野良子猫
台風など横殴りの強い雨や避難した先で雨漏り、浸水などがあった場合は、子猫が生き残るのにはかなり過酷な状況と言えるでしょう。雨で身体を濡らしてしまった場合、体温が奪われてしまいます。雨に濡れてしまうような場所に逃げ込んでいた場合は、生き残ることが難しいのが現実です。
危険な河川敷の野良猫達
河川敷は捨て猫が多い場所でもあります。人目に付かず捨てに来やすい場所。河川敷の場所によっては、ホームレスと一緒に暮らす野良猫がいたりもします。
河川敷の側で生活をしている場合、川が増水すれば避難が必要です。野良猫も本能で安全な場所に逃げ込もうとしますが、どこに逃げ込めば絶対に安全かなんてわからないものです。逃げ込んだ先がまずければ、風に飛ばされることも雨に曝されることも濁流に呑み込まれてしまうことだってあります。
人にも危険が及ぶくらいの暴風雨の場合、河川敷のホームレスが救助されるニュースは時折流れますが、その裏で野良猫が救助されることは少ないと思います。
普段、河川敷で寝床や住処にしているような場所は、雨風が凌げたところでかなり危険な場所であると思われます。
避難勧告が出る程の台風のケース。野良猫は避難できない
台風の勢力が非常に強力で、川の増水、床下浸水の恐れ、土砂崩れなど被害が出る程の事態になれば、住民には避難勧告が出されます。避難勧告が出されれば、住民達は速やかに避難をするわけですが、野良猫達は知る由もありません。その場に残ることになります。
その後、なんとか台風をやり過ごせたとして、残った猫達は生存できるでしょうか?
それほどの災害であった場合、自分達で餌の確保が難しく、人から餌をもらって生活してきた猫達にとってはかなり厳しい状況と言えるでしょう。
それで、少し疑問に思ったのは、その猫が地域猫であった場合、避難はさせているのでしょうか?
地域猫活動をされている方のブログを見ると
「台風だけど猫達、大丈夫かな?」「保護できた猫は家に入れてあげました」
などが見受けられました。他にも「被災した猫達が可哀想」など。これらを見ていると、台風などの災害時の対応は、事前に練られていないところが多いんだな。と感じました。
台風が去った後の野良猫の行動
台風が去った後ですが、健康面で支障がなければ、いつもより行動が活発なようです。
餌をもらえていなかったので、餌探し
人から餌をもらっている猫の場合、台風の間は餌をもらえなくなりますから腹ペコなわけです。餌を求めていつもの場所へ通うことは自然なことでしょう。
縄張りのパトロール
日々、縄張りに変化がないか、よそ者は来ていないか、餌場はいつも通りか、常に縄張りをパトロールしています。台風の間、このパトロールができなかったので、環境に変化がないか確認をします。オス猫など、定期的にマーキングをしているような場所もあれば、消えてしまった自分の匂いを上書きしていることもありそうです。
子猫を探す母猫
子猫とはぐれてしまった母猫であれば、子育て場所付近の捜索に出掛ける姿もあるかもしれません。見つからずともしばらくウロウロしている様子があれば、そうした被災にあった母猫であるかもしれません。
以上になります。水に濡れるのを極端に嫌う猫なので、野良猫も縄張り内で雨宿りできる場所のことは熟知しています。しかしどれくらい強い台風なのか身の危険が及ぶことなのか予測や判断ができる程、賢いとも言えません。逃げ込んだ先次第では生存が危ぶまれることもあるということでしょう。