里親になります。
動物好きで愛護心のある方かと思いきや、虐待、転売、金銭を要求をするなど様々な落とし穴があります。
飼えなくなった、保護した犬猫をこれから里親に出そうとする方、里親募集をされている方から引き受け、犬猫の飼い主になろうと思われている方。「里親詐欺」と言っても様々な詐欺、手口があります。詐欺の被害に遭わないためにもどんなものがあるか知っておくことも大切です。
里親を募集する側(猫を引き渡す側の手口)
費用請求系
交通費の請求額が実費より多い
事前のやり取りで里親募集をされている方が相手方の家まで猫を連れていく約束をしていた。その際に車で移動する交通費(ガソリン代)は、里親になる方が支払うことに取り決めていた。しかし、実際の請求額が多く見積もっても実費の2倍を超えている。
「詐欺」とまで言っていいかは微妙なところですが、話し合いの元、決められた金額でなく、払う側が納得していないのであれば、トラブルの元でしょう。交通費が給油代であるならば、支払いの際に領収書をいただきましょう。相手に悪意がある場合、金払いの良し悪しを見定めているのかもしれません。
病気を治すためにかかった治療代を負担して欲しい
病気のことや治療代のことなんて今までのやり取りになかったことなのに、突然こんな話が出てくる。病気は完治していたので、この子の特徴には記載しなかった。今はとても健康。けど、薬代や通院にとてもお金がかかっている。少しでも負担できないか?
本当に治療を受けたのでしょうか?治療にかかった代金は本当にその額なんでしょうか?領収書は?どこの動物病院で?少しでも疑問がある場合は、当人に確認しましょう。支払いはその後でも遅くありません。
保護活動費として寄付金の振り込み依頼
引き渡し前に寄付金を振り込んで欲しい。動物の保護活動をしているボランティア団体で、NPO法人ではない。これまでにかかった医療費と引き渡しの際の交通費として、50,000円を寄付金としてお支払いください。
寄付金の振り込み後、その猫が逃げてしまった、病気で亡くなったなどの理由で引き渡しをせず、返金を伝えると「寄付金としていただいているので返せない」、寄付する際に取り交わした文書にも「返金には一切応じない」と書いてあり返金しない。
自治体の相談窓口、消費者センター、法律事務所へ相談をすべき。また、事前に団体の所在地や活動内容を確認しておくことも大事でしょう。
嘘をつく、情報を隠す
- 健康という話だったのに重い病気を患っていた。問いただしても知らないの一点張りや治ったと言い張る。
- 大人しい、人間大好き、子供とも遊べる従順なねこちゃんと言っていたのに、いざ迎えてみたら、噛み付く、引っ掻く、物を壊す、隙あらば脱走を試みる、その様はまるで暴君。
- 無毛種の猫のはずが毛が刈られた状態だっただけ。
- 血統書付きと聞いていたが、血統書の書類を忘れた。後日郵送すると言われたが、音信不通。
- 飼えなくなったペットなのに、保健所から引き取ったと言い張る。
里親募集詐欺、詐欺まがい(詐欺ととらえられるような行為)
- 譲渡のやり取りを散々した挙句、やっぱり引き渡せないと言われる。猫を迎える為にケージやシステムトイレ、おもちゃなど色々用意していたのに。
- 相手の言い分としては、飼育環境がちょっと・・・子供にいじめられそう・・・知り合いが貰ってくれた・・・やっぱり自分で育てる・・・病気になってしまったので渡せない。など。
- イベントに参加してください。里親募集の話とは全く関係ない話を持ち掛けられる。
その他
里親募集サイトで、里親募集と応募を同時に行っている。
里親を引き受ける側(猫を飼う側の手口)
費用請求系
- 飼います。ワクチン代をください。(譲渡前のやり取り)
- 通院代、去勢避妊代に困っていると言われ、後日必ず返すので貸して欲しいと言われる。(譲渡する際急に)
- 猫が風邪をひいてしまって病院に連れて行ったけど、病院代がなくて困ってます。猫ちゃんのためにお願いします。
- 猫にしこりが見つかった。治してあげたいけど手術代が高額で・・・治療代の一部負担をお願いできないですか?
少額なものから高額なものまで。一度お金を支払って、お金を出してもらえるとわかったらエスカレートしていきます。猫を返すよう伝えても「もううちの家族の一員だから返せない」、「どうしても返せというならこれまでかかった費用を返せ」などと言われることも。
費用請求系その他
猫を飼う前にトライアルしたいと里親の方から話があった。トライアルを始めてしばらくすると、引っ掻かれて子供が怪我をした、慰謝料を払え。
虐待目的、虐待の疑い
- 里親募集サイトで同じ人が何匹も譲渡を受けている。
- 里親募集サイトで新規ユーザーになりすましている。
- 猫を渡した後に連絡が取れなくなる。電場番号を変えられた、Lineならブロック。
- 飽きてしまったので捨てる。また新しい猫が欲しくなったのでもらう(前に飼っていた猫は病死、逃げてしまった扱いに)
実際に虐待や遺棄が行われたか確認をすることが難しいと思います。里子に出す側も相手とやり取りをして、どんな相手か判断の上、里子に出しています。
里親の条件を色々と設けるのも大事ですが、相手との信頼関係を築くことも大事だと思います。説明不足、確認不足、自分に不都合なことは一切伝えないなどの不誠実な対応。こういったことは少なくてもないように相手との関係性を大事にしていれば防げることが多いのではないでしょうか。
転売
- 血統書付きの犬猫を引取り、売却
- 雑種の犬猫を引取り、血統書を偽造して売却
動物の販売には、都道府県への申請、認可が必要ですので、個人で生体売買を行うことは本来はないはずでしょう。このため生体の費用ということではなく、医療費や交通費などの経費扱いで請求するケースがあるようです。営利目的ではない。であればグレーゾーンでしょう。
その他のケース
- NPO法人を立ち上げる為、保護、譲渡の実績が欲しい。
保護活動を行っている方、ボランティアで活動をしている方で、NPO法人を立ち上げる実績目的(もしくはそういうウソ)で、保護、譲渡を行っている場合があるそうです。過剰な活動費、支援金の要求がある場合は、支払う前に消費者センター、法律事務所へ相談をした方がいいでしょう。
また、「里親詐欺」ではないのですが、里親になった後、里親を募集した人が猫の状況を何度も知らせろと執拗に催促したり、その人からのメールや電話を拒否したり無視すると家に押しかけるなど、なにそれこわい。ことが起こる場合も。
猫を飼いたい方で、こうした対人関係に不安がある場合は、保健所で保護されている猫を引き取るのもいいかと思います。引き取った後で猫エイズなどの病気が判明する場合もありますが。こうしたことも覚悟の上であれば。