動物虐待の都道府県別件数(環境省資料より集計)

 環境省の動物愛護に関する報告書に「動物の虐待事例等調査報告書」があります。

環境省HP「動物の愛護と適切な管理」パンフレット・報告書等に掲載

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph.html

パンフレット・報告書等 -> 動物愛護管理法 報告書等

令和4年度動物の虐待事例等調査報告書
平成30年度動物の虐待事例等調査報告書
平成25年度動物の虐待事例等調査報告書
平成21年度動物の遺棄・虐待事例等調査報告書
平成19年度動物の遺棄・虐待事例等調査報告書

こちらの報告書では、過去の判例及び新聞報道された動物虐待事例を一件ずつ要約しリスト化されておりますが、かなり遡って事例をまとめられ、古いものでは昭和49年の判例もあります。

この動物虐待事例を元に、当記事では以下の観点で集計しまとめました。

  1. 動物虐待事例より総数
  2. 動物種類別虐待件数
  3. 年度別虐待件数
  4. 虐待の方法
  5. 都道府県別虐待件数(動物種類別)
  6. (参考)動物虐待等の判例等 ※平成30年度、令和4年度動物の虐待事例等調査報告書より抜粋

あくまで環境省が公表する「動物の虐待事例等調査報告書」を元に集計をしており、報告書に掲載されない事例も多数あると思われます。
しかし、過去に遡り20年以上のデータになりますので、全く参考にならないというものでもありません。

参考データとしてご参照いただければと思います。

動物虐待事例より総数

新聞/判例 件数
新聞報道 551
判例 80
総計 631

※新聞報道の件数は、2003年~2022年の期間
※判例の件数は、1974年~2003年、2009年~2022年の期間
※平成21年度資料掲載の「狂犬病予防法」に関する報道に関しては、上記件数から除外しています。

動物種類別虐待件数

動物の種類 新聞報道 判例
326 28
146 37
ウサギ 41 0
その他 76 15
総計 589 80

※前述の総数との差異(総数:631≠動物種類別虐待件数:669(新聞報道589件+判例80件)は、ひとつの事例の中で複数の動物が対象になっているケースがあるため(例:犬・猫の両方が一度に虐待など)。
※猫・犬・ウサギで全体の8割以上を占める。このためそれ以外の動物はその他としています。
※その他の動物の種類は、ハト・スズメ・オカメ・インコ・ニワトリ・チャボ・ウコッケイ・シャモ・ウズラ・ネズミ・リス・ハムスター・フェレット・モモンガ・キツネ・ウマ・ウシ・サル・カメ・シカ・カモ・ハクチョウ・ヤギ・アライグマ・ライオン etc。

年度別虐待件数

年度 新聞報道 判例 総計
1974 0 6 6
1975 0 3 3
1977 0 1 1
1980 0 4 4
1981 0 2 2
1982 0 2 2
1983 0 3 3
1984 0 2 2
1985 0 3 3
1986 0 2 2
1987 0 1 1
1988 0 1 1
1993 0 2 2
1994 0 1 1
1995 0 1 1
1997 0 2 2
1998 0 3 3
1999 0 1 1
2000 0 4 4
2001 1 7 8
2002 1 11 12
2003 30 3 33
2004 29 0 29
2005 22 0 22
2006 39 0 39
2007 30 0 30
2008 19 0 19
2009 21 1 22
2010 34 0 34
2011 9 1 10
2012 18 1 19
2013 35 1 36
2014 24 0 24
2015 31 0 31
2016 23 2 25
2017 23 1 24
2018 32 2 34
2019 32 2 34
2020 35 3 38
2021 31 0 31
2022 32 1 33
総計 551 80 631

※新聞報道と判例で、同一事件のケースも一部含まれます。

虐待の方法

虐待の種類 件数
鋭利な道具 140
遺棄 78
劣悪環境での飼育 67
不明 63
毒物 45
給餌の停止又は不足 30
針金等による拘束 27
その他 23
鈍器 22
叩きつける 17
火傷 17
殴る 17
放置 15
蹴る 12
エアガン 10
ボウガン 9
水没 8
異物混入 6
絞殺 6
踏みつける 5
とらばさみ 5
高所から落下 5
熱湯 3
皮がはがされる 1
総計 631

※新聞報道による情報は、全てが確証あるものとは限りません。報道内容にしても「刃物と見られる」「棒状のもので殴られた後があり・・・」「何らかの毒物による虐待の可能性」といったニュアンスになります。
※明確な記載がないものは、【不明】としています。
※蹴る、殴るなど掲載内容から確認の上、分類していますが、実際のケースでは、蹴る・殴る・叩く・切りつけるなど様々な方法で行われている可能性が高いです。
※針金等による拘束は、針金の他に、たこ糸・ガムテープ・ガムテープの芯・金具・結束バンド・粘着テープ があります。
※その他の内訳は、吹き矢・ライフル・水中銃・散弾銃・車による轢死・犬に噛み殺させる・生き埋め・角を折られる・安全ピン・吊るされる・目を抉り取られる・毛を毟られる・皮がはがされる・無許可飼育 etc。

都道府県別虐待件数(動物種類別)

※新聞報道分のみ集計。理由は、判例の一部にデータの欠落があること、新聞報道との重複が有りうるため。

データ
データ
データ
データ
データ

都道府県 ウサギ その他 総計
兵庫県 32 6 6 7 51
北海道 30 8 0 2 40
東京都 29 5 2 5 41
大阪府 20 11 2 5 38
滋賀県 21 2 2 5 30
神奈川県 17 5 3 5 30
千葉県 15 5 2 5 27
埼玉県 10 6 4 4 24
栃木県 8 11 3 2 24
愛知県 11 5 3 4 23
沖縄県 16 5 1 0 22
福岡県 11 6 1 4 22
茨城県 5 7 1 2 15
岡山県 7 3 0 2 12
長野県 6 3 1 1 11
広島県 6 3 0 1 10
長崎県 7 1 1 1 10
岐阜県 6 2 0 1 9
宮城県 6 2 0 1 9
静岡県 3 2 2 2 9
三重県 5 2 0 1 8
山形県 2 5 0 1 8
石川県 3 2 0 2 7
京都府 2 3 1 1 7
山口県 4 2 1 0 7
香川県 3 2 1 0 6
和歌山県 3 1 1 1 6
宮崎県 5 1 0 0 6
岩手県 2 2 0 2 6
山梨県 2 3 0 1 6
熊本県 1 3 0 2 6
福井県 2 3 0 0 5
群馬県 2 3 0 0 5
愛媛県 2 2 1 0 5
徳島県 2 1 1 1 5
佐賀県 3 2 0 0 5
高知県 1 3 0 1 5
鹿児島県 4 0 0 0 4
秋田県 2 1 0 1 4
新潟県 1 0 0 2 3
大分県 1 2 0 0 3
島根県 1 1 1 0 3
富山県 1 2 0 0 3
福島県 3 0 0 0 3
奈良県 1 0 0 1 2
鳥取県 2 0 0 0 2
青森県 0 2 0 0 2

※あくまで環境省の資料上の件数の為、件数が多いからといって動物虐待が横行しているとは言い切れません。
※逆に件数が少ない都道府県で動物虐待が少ないとも言い切れません。
※あくまで環境省の資料上の件数であり、全国で巻き起こっている動物虐待の事例のごく一部の内容に留まっていると考えられます。

(参考)動物虐待等の判例等 ※平成30年度、令和4年度動物の虐待事例等調査報告書より抜粋

データ
データ
データ

上記資料は、環境省HP「動物の愛護と適切な管理」パンフレット・報告書等に掲載

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph.html

パンフレット・報告書等 -> 動物愛護管理法 報告書等

平成30年度、令和4年度動物の虐待事例等調査報告書 -> III.動物虐待等の判例等より抜粋

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