猫に関する裁判判例をまとめ
▼目次
判決日 | 判例 | 裁判所 |
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2015/9/17 | 損害賠償請求事件 | 福岡地方裁判所 |
2010/5/13 | 猫への餌やり禁止等請求事件 | 東京地方裁判所 |
2003/9/18 | 損害賠償請求事件 | 神戸地方裁判所 |
2003/6/11 | 損害賠償等請求事件 | 神戸地方裁判所 |
2002/10/21 | 動物の愛護及び管理に関する法律違反被告事件 | 福岡地方裁判所 |
2017/12/12 | 動物の愛護及び管理に関する法律違反被告事件 | 福岡地方裁判所 |
2019/5/28 | 猫の返還と損害賠償等請求事件 | 大阪地方裁判所 |
※裁判で判決が出ております。しかし、訴状は一つ一つ内容が異なるものであり、過去の判決の結果が全てではないこと。注記いたします。
2015/9/17 損害賠償請求事件 福岡地方裁判所
判例「平成26年(ワ)第1961号 損害賠償請求事件」, 2015年9月17日, 裁判所 COURTS IN JAPAN(最終閲覧日:2020年9月18日)
事案概要
損害賠償160万円の請求を申し立て。
- 野良猫への餌付けにより、糞尿の被害を発生させた。
判決
損害賠償55万円の支払いを命じた。
- 原告住民の自宅の庭に入り込み排泄するなどし、原告は庭の砂利の入れ替えを余儀なくされた。
- 近隣住民への配慮を怠り、生活環境を害したと結論付けた。
2010/5/13 猫への餌やり禁止等請求事件 東京地方裁判所
判例「平成20年(ワ)第2785号 猫への餌やり禁止等請求事件」, 2010年5月13日, 裁判所 COURTS IN JAPAN(最終閲覧日:2017年10月3日)
事案概要
損害賠償645万円の請求を申し立て。(住民17名)
- 野良猫への餌付けにより、糞尿、悪臭の被害を発生させた。
- 住宅管理規約に違反する。
判決
損害賠償204万円の支払いを命じた。
- 洗濯物への異臭の付着、庭が荒れる被害が認められた。
- 住宅管理組合側は餌やりの中止を求めたが、受け入れなかった。
- 住宅管理規約に、動物飼育禁止条項、迷惑行為禁止条項があり、野良猫への屋外給餌は管理組合規定違反である。
- 給餌・給水を止めることは虐待にあたり、動物愛護法に反する。と主張したが、野良猫に対する餌やりを中止しても同条項は適用されないと判示された。
2003/9/18 損害賠償請求事件 神戸地方裁判所
※判例記録がありませんでした。判例の概要を記載。
原告男性ら6人が「放し飼いの猫のふんで被害を受けた」などとして、 野良猫に餌を与えていた近所のマンションに住む男性とマンション管理会社に計1250万円の損害賠償などを求め訴訟を起こした。
2003年9月18日、神戸地裁尼崎支部で和解。被告男性の費用で原告男性宅に猫が侵入しないよう防止柵を設置し、2003年12月から2004年3月末までに転居することで合意した。
近隣トラブルが訴訟になったケースで、相手方の転居が和解の条件に盛り込まれるのは珍しいケースとのこと。
2003/6/11 損害賠償等請求事件 神戸地方裁判所
判例「平成13年(ワ)第1958号 損害賠償等請求事件」, 2003年6月11日, 裁判所 COURTS IN JAPAN(最終閲覧日:2017年10月3日)
事案概要
損害賠償500万円の請求を申し立て。
- 野良猫への餌付けにより、糞尿、悪臭の被害を発生させた。
- 訴状取り下げの嘆願書の署名活動に際し、名誉棄損に当たる行為があった。
- 被告の飼い犬による鳴き声及び音楽の騒音(いやがらせ行為)による睡眠妨害があった。
判決
損害賠償150万円の支払いを命じた。
- 近隣住民に被害を与えることを認識しながら野良猫に給餌することの違法性。
- 犬、音楽の騒音に悪意があり、不法行為責任を負う。
- 原告の営業妨害(居酒屋経営)に対する、慰謝料が認められる。
2002/10/21 動物の愛護及び管理に関する法律違反被告事件 福岡地方裁判所
判例「平成14年(わ)第986号 動物の愛護及び管理に関する法律違反被告事件」, 2002年10月21日, 裁判所 COURTS IN JAPAN(最終閲覧日:2017年10月3日)
事案概要
インターネット上で野良猫を虐待している写真を掲載した。
- 尾及び左耳を波板切りはさみで切断してみだりに傷つけた。
- 自宅付近の川の水中に投げ捨ててみだりに殺した。
判決
懲役6ヵ月、執行猶予3年の判決。及び訴訟費用の全額負担。
- インターネットの掲示板という無責任な仮想空間において、動物虐待・虐殺行為を現実に実行して見せたもので、悪質な犯行である。
- 模倣犯、愉快犯の出現の危険も高めたものであり、社会に与えた悪影響は大きい。
- インターネット上で被告人の犯行が突き止められ、プライバシー情報が公に公開され、様々な嫌がらせ行為を受けており、社会的制裁を受けている。
- 前科前歴がなく、未成年であることを鑑みて、減刑措置がとられた。
2017/12/12 動物の愛護及び管理に関する法律違反被告事件 東京地方裁判所
判例「平成29特(わ)1985号 動物の愛護及び管理に関する法律違反被告事件」, 2017年12月12日, 裁判所 COURTS IN JAPAN(最終閲覧日:2020年9月18日)
事案概要
愛護動物である猫9匹を殺害し、4匹に傷害を負わせた事案。また、残虐な犯行をインターネット上に投稿した。
- 熱湯を繰り返し浴びせた。
- ガストーチの炎であぶった。
- パイプに取り付けたロープでその首をつるし、熱湯を満たした缶に漬けた。
判決
懲役1年10ヵ月、執行猶予4年の判決。
- インターネット上に動画投稿を行い、その凄惨な映像を見た者から、被告人の厳罰を求める非常に多数の嘆願書が裁判所に提出されるなど、社会に与えた影響も大きい。
- 被告人は、かつて猫の糞尿被害に遭った上で、駆除に至った。と述べたが、駆除の過程で虐待の楽しみを覚え、残虐行為をインターネット上に公開している。
- 動物愛護の精神に反する悪質なものであり、懲役刑を科すべき。
- 被告人は、公判廷で自己の行為が誤りであったことを認めるとともに、動物愛護団体に贖罪のための寄附も行っている。
- これらを踏まえ、執行猶予を付すのが相当であるが、行為の残虐性や常習性といった本件各犯行の悪質さを踏まえれば、執行猶予期間を長期間とすべきと判断した。
2019/5/28 猫の返還と損害賠償等請求事件 大阪地方裁判所
※判例は裁判所のホームページで見つけられず。(2019年11月9日時点)
事案概要
動物愛護団体に7匹の猫の飼い主探しを依頼。その後、譲渡先不明のため返還を要求するも応じず。
- 元飼い主が猫の譲渡先を確認するも教えてもらえず不信感を持つ。
- 元飼い主が猫ボランティアを通じて動物愛護団体に対し返還を要求。
- 動物愛護団体と猫を譲り受ける契約を結んだが猫は返還されなかった。
判決
約60万円の支払いを命じた。
- 被告となった動物愛護団体を運営する男性は、適切な飼い主探しをせずに猫を他人に譲ったか捨てたと認定した。
- 猫の返還については、預けた猫が特定できないとして却下した。
その他
また、この他にも動物愛護法違反(遺棄)のケースで以下のようなものもありました。(ソースなし)
捕獲した猫を捨てたとして、三重県警四日市北署は同県川越町の男性職員2人を動物愛護法違反(遺棄)の疑いで津地検四日市支部に書類送検された。住民から野良猫による排泄物の苦情を受けた職員が、「殺処分されるのはかわいそう」として捕獲した猫を山林に放した。この行為を遺棄にあたるとし、動物愛護団体が告発した。
※処分は不明。
以上