猫が熱い食べ物が苦手だから「猫舌」なんだけど、犬も結構苦手。それでも猫よりはがっついて食べるけど。
真面目に書くと、猫は人にとってそれだけ身近で、今となっては慣れ親しんできた言葉で誰にもわかりやすく伝わりやすい言葉だから。
というと少々つまらない話ですが、猫舌のよもやま話的なものも踏まえてまとめてみました。素朴な疑問ですが色々な角度で探ってみると面白い。
▼目次
- 猫に限らず動物は熱い食べ物は苦手
- なぜ猫なのか?犬でも牛、豚、ニワトリでもなくなぜ猫?
- もし、犬舌だったらよだれをダラダラしてるのを想像しませんか?
人が熱いものをうまく食べられるのは食べ方
日本人は熱いものを食べるのが比較的上手い
長男長女の猫舌率は高い?
牛、豚、ニワトリには熱い食べ物は与えない
猫と犬の飼い方の違い
飼い方の違いによる食べ物の熱さの違い
飼い方の違いによって、食べる姿を見られやすい猫
猫と犬では唾液の分泌量が違う(冷ましやすさが違う)
猫は舌をよく使う
熱々の食べ物でビックリする猫の分かりやすいリアクション
猫に限らず動物は熱い食べ物は苦手
本来の話で言えば、自然界の全ての動物は自分の体温とほぼ同じくらいのものしか食べません。捕食する動物が狩りをした場合、その場でありつける獲物は体温程度の温かさです。火を使わず調理をすることがない自然界の動物は基本的に猫舌なわけです。
人が熱いものをうまく食べられるのは食べ方
人も例外ではなく、熱い食べ物は苦手です。産まれたばかりの赤ちゃんは熱い食べ物を食べられません。大人も鍛えられてはいますが、すき焼きでも卵をつけるし、肉まんは割ってからいただくことが多いです。(すき焼きの卵は冷ます他にまろやかに美味しく、肉まんは肉汁やほかほかの蒸気や具材の香りを楽しむというという面も)いくらかは冷ましていただいているわけですが、他の動物より日々の食事の中で熱いものに対する耐性は付いていますし、食べ方もうまくなっているというわけです。
日本人は熱いものを食べるのが比較的上手い
日本人って猫舌率は低い方です。熱いものを食べる時、口の中に空気を含ませて冷ましながらいただいているわけですが、食習慣的に日本人は上手です。
なぜか?と言えば、ラーメンやそばなどをズズズーッと食べるのを思い浮かべると空気を含ませている感がありますね。日本人は、ラーメンやそばは音を立てていただくのが普通ですが、欧米ではそういった習慣はなく、音を立てて食べるのはマナー違反になります。それで、音を立てずにいただくとなると口の中では冷ましづらいのでフーフー冷ますことになるのですが、ラーメンを食べる外国人はフーフー時間が長いです。また、欧米の方からすると日本の麺の長さは長いと感じるみたいです。(長いとすすりにくく冷めにくいので熱い)
他にも箸とスプーンやフォークの食器の違いによるところも。スープで考えると、欧米ではスプーンですくって口までもっていくことになりますが、日本はお椀を手に持ってお椀に口をつけていただきます。スプーンですくって口にもっていく過程で温度は下がってくれますが、お椀からそのままいただくとなれば温度は下がりにくいと言えます。いずれも適度に冷ましてからいただけばなんてことはないと思いますが、熱い食べ物をいただく機会は日本人の方が多いのかもしれません。
長男長女の猫舌率は高い?
うちの親情報。信憑性は特になし。
管理人の兄は猫舌。長男です。しかも初子で初孫。であると可愛がられるもんです。お粥もフーフー、お味噌汁もフーフー、焼き芋も炊き立てのご飯でもフーフーです。熱い物を食べる機会が少なくなると熱いものをうまく食べられなくなる=猫舌になるという理論です。
この理論で言うと猫舌の人って過保護に育てられた可能性も高いことにもなりそうです。
なぜ猫なのか?犬でも牛、豚、ニワトリでもなくなぜ猫?
牛、豚、ニワトリには熱い食べ物は与えない
かつては、牛や豚、ニワトリも家畜として人の身近にあった動物ですが、その家畜に熱い食べ物を与えることはまずありません。
これらの動物が熱い食べ物を苦手としていても牛舌、豚舌、鶏舌なんてわかりづらい。わかりやすく例えて「猫舌」という言葉を使っているわけなので、わかりにくい言葉を使わないのは当然でしょう。
では、熱い食べ物を与えることがあるとすれば?猫か犬になるというわけです。
猫と犬の飼い方の違い
猫は、ネズミを退治するために屋内で飼われる。犬は、番犬として屋外で飼われる。
元々、飼われ方が違います。
飼い方の違いによる食べ物の熱さの違い
単純な話、屋内で身近にいる猫の方が、人が食べているような熱めな食べ物を出されやすいという話。
物理的な話だと、同じねこまんま(残飯に味噌汁をぶっかけたもの)を出されたとして、近くにいる猫に与えるのと、玄関を出て外まで持っていって与えるのでも距離感と時間経過が異なります。
また、犬の場合は餌を与える際に躾をされている飼い主も多く、飼い主の指示を待ってから食べ始めます。この分、食べ物が冷めやすいと言えるでしょう。
飼い方の違いによって、食べる姿を見られやすい猫
屋内で身近にいる猫の方が、食事をしている姿を見られやすいでしょうし、犬のように屋外にいればなかなか見る機会が少ないでしょう。熱いものが苦手な姿は猫の方が見られやすかったと思われます。
猫と犬では唾液の分泌量が違う(冷ましやすさが違う)
熱い食べ物を食べるテクニックの一つに唾液を分泌して温度を下げるというものがあります。(私達は無意識にできています)
唾液の分泌量で言うと、犬はよだれをダラダラ垂らすことが多いですが、猫はよだれは垂らしません。猫の祖先はエジプトなど砂漠地帯の出身なので水が少なく、猫自身も汗はかきにくく、水をあまり飲まず、唾液の量も少ないです。どちらかと言えば犬より猫の方が熱いものを苦手とする理由の一つです。
猫は舌をよく使う
猫は舌をよく使う、だから舌が敏感で熱いものに弱い。というわけではありませんが、実際に自分の毛を舌で舐めあげる毛づくろいを頻繁にしますし、お水を飲むときも音を立てずにうまく舌ですくって飲みます。それから酸味を感じ取って(これはゴミ漁りをしている野良猫に多い)食べられるか食べられないかを判断します。
食べ物の熱さは、舌先が一番感じやすいことを考えると多機能な舌を持つ猫にとって熱さには敏感なのかもしれません。
熱々の食べ物でビックリする猫の分かりやすいリアクション
驚いた時のリアクションって犬より猫の方がオーバーだし、どことなく人っぽい驚き方でもあります。
印象に残るという面でも犬より猫なのかなって思いました。
もし、犬舌だったらよだれをダラダラしてるのを想像しませんか?
そんなわけで犬舌ではなく猫舌は妥当なものだと思うわけですが、仮に「犬舌」という言葉でもいいとして、犬舌って言われれると別のことも想像しませんか?
よだれをダラダラ垂らして、ハーハーと、熱さにうなだれているような想像をしてしまうのは私だけでしょうか?
そう思ってしまうと「熱いものが苦手な舌」という意味ではなくなってしまい、比喩としてわかりにくい。
やっぱり「猫舌」がしっくりくるものです。