ペットオークションで売れ残った犬猫はどうなるのか?

 ペットオークションは、繁殖業者やブリーダーが会場に犬猫を持ち寄り、競り形式で動物の売買を行っています。現在は全国20ヵ所以上の会場が存在すると言われ、毎週何百頭(多いところでは1000頭を超える数)の取引が行われています。

ペットオークション会場では、獣医師による健康状態の確認を行った上で競りにかけられることが多いのですが、毎週相当数の数が持ち寄られるため健康状態が悪い個体も少なからず出てしまいます。また、競りにはかけられたものの入札がなく売買不成立となってしまう場合も少なからずあるでしょう。

では、ペットオークションで売れなかった犬猫達はどうなってしまうのでしょうか?

単純に考えれば繁殖業者やブリーダーの元に返され、その後の扱いは業者やブリーダーでそれぞれの対応を行っていると考えて差し支えないと思います。その後は繁殖に回されたりセラピー犬として使役されたりといったケースもあるかもしれませんが、販売に適さなかった健康状態を考えるとまともなブリーダーであれば繁殖しても健康な子が産めないことを考えて避けることが多いとも考えらえます。また、セラピー犬のような役割を全うできる割合も多いとは考えにくく、都合良く譲渡先が見つかればいいと思いますが頭数が多かったり健康状態の程度によっては譲渡も難しいケースがあると考えられます。

では、繁殖業者やブリーダーの犬舎や猫舎で飼われ続けていくのかと言えば、それはコストの面から考えると困難だと思われます。彼らは商売でやっていることであって売れなければ自分で飼えばいいという考えではありませんので。
加えて、先般の改正動物愛護法では飼養管理基準に関する省令が制定され、令和3年6月1日より施行されました。こちらの省令には従業員一人当たりの犬猫の飼育頭数制限が設けられ飼養保管できる頭数の上限ができました。

「犬:1人当たり20頭(うち繁殖犬15頭)が上限」
「猫:1人当たり30頭(うち繁殖猫25頭)が上限」

上記の上限頭数では繁殖引退犬猫の数はカウント対象外ですが、販売や飼養又は保管する犬猫は対象です。このため売れ残りの犬猫が積み上がり増えてきてしまうようだと繁殖業者やブリーダーの営業自体が成り立たなくなります。
ある意味、業者にとっては深刻な問題と言えると思いますが、悪質な業者の成れの果ては劣悪環境での飼育や遺棄などといった犯罪行為に及ぶといったことかもしれません。

このような事情や背景を踏まえ、ペットオークション主催者側でも売れ残りの犬猫を引き受けることがあるようです。本記事では、ペットオークション側での売れ残った犬猫の対応を調べた結果をまとめました。

▼目次

  1. ペットパーク流通協会の取組み
  2. ペットオークション主催の会社に問い合わせてみた結果
  3. 売れ残りの譲渡活動は本当に社会貢献か?

ペットパーク流通協会の取組み

ペットパーク流通協会では、保護シェルターの運営及び、愛護団体への生体の引き渡しを行っているようです。
詳しくは、関東ペットパークHP -> 社会貢献活動 -> 保護シェルターの運営・愛護団体への生体の引き渡し のページで活動内容を確認できます。

関東ペットパークHP
-> https://kantobbpetpark.com/

上記記載から活動内容の一部を抜粋すると

何らかの欠点があり流通に乗れない生体や、ブリーダーの下で繁殖から引退した生体を一時的に保護しています。

2010年から2018年の間に9000頭以上の子を引取り、愛護団体やペットショップなどの提携団体と里親探しを行ってきました。

とあります。
また、流通できない犬猫は動物病院などで手術や治療をした後、愛護団体や譲渡会を通じて里親募集を行っているそうです。里親先が決まった風景の写真もホームページにて確認できます。

上記のことからペットパーク流通協会では、売れ残りの犬猫や繁殖引退犬猫の譲渡先を愛護団体やペットショップを通じて里親に引き取ってもらう活動を行っているのがわかります。

ペットオークション主催の会社に問い合わせてみた結果

ペットパーク流通協会以外にもペットオークションを主催している会社は複数あります。
そのうち規模の大きい主催会社に対して、ペットオークションで売れ残った犬猫の扱いについて問い合わせてみました。(計3社にメールで問い合わせしております)

その結果は、全て回答なし

問い合わせから一週間以上経っても返信はありませんでしたので、回答の意思はないと思います。
なお、主催会社のホームページに売れ残りの扱いについてどのような対応を行っているかなどの掲載はありません。

ペットオークションに参加する繁殖業者やブリーダーでもなく、一般人の問い合わせになるため返信の義務はもちろんありません。個人的には、繁殖業者やブリーダーに返却しているのでそこから先のことは把握していない、くらいの回答になるかと思っていました。3社揃ってノーリアクションだったのは残念でした。

売れ残りの譲渡活動は本当に社会貢献か?

繁殖業者やブリーダーにとって売れ残りはコストになります。それを生業にしている側からすれば切実な問題でしょう。

売れ残りの問題を解決するためにかつては保健所などに持ち込んでいたこともあったようですが、それも今は保健所が引取り拒否をできるようになったため無理な話となりました。
また、引取り屋の存在もお金を出せば引き取ってはもらえるかもしれませんが、引取りの費用がかかってしまいます。加えて倫理的にも世間の厳しい目から見ても決して褒められる行いでないことは当人達も十分に分かっていることでしょう。本当に悪質な業者は動物を遺棄するなど違法行為に及ぶことがありますが、捕まったらただでは済みません。よっぽどの悪質業者でなければ犯罪行為に及ぶことは少ないのだと思います。

こうした背景を考えると繁殖業者やブリーダーにとって繁殖犬猫として使役することすらできない犬猫の扱いは事業継続の上でかなりのリスクと考えられます。安心した繁殖と販売ができないのは想像に難くないでしょう。
そこで、この問題を解決する一手にペットパーク流通協会のような譲渡活動があるのだと思います。

ペットオークションによる譲渡活動について肯定的に見るなら、売れ残ったり繁殖を引退させる犬猫の受け入れ先を見つけてあげることはとても良い行いだと思います。
なぜなら、犬猫は多産と言われますので1回の出産で数頭が生まれます。多い時には10頭近く産まれることがあります。犬猫が多産であるのは、自然界では外敵もいるし、餌が行き届かずに育たない子、病気にかかってしまう子など順調に育つ数が限られるためと考えられています。このため産まれてきた子の全てが健康で順調に育つ保障はありません。少なからず健康面に問題のある子が産まれることもありますので、こうした子を繁殖業者やブリーダーが責任を持って育てたり自分達で譲渡先を見つけなければならないとしたら商売として成り立たないでしょう。
このためペット流通を維持し、もしくは発展させるには売れ残りの扱いはペット業界における大きな課題と言えます。加えて、ペットショップなどに厳しい目が向けられるようになってきた昨今でもありますので、出来る限りの配慮をした上の譲渡活動の措置であると言われればその通りなのかもしれません。

一方で現状の大量生産、大量販売のペット流通を問題視する愛護家からするとこのような商売自体が犬猫を苦しめていると考える方もおられるようです。売れ残りや繁殖引退犬猫の受け皿があるから繁殖業者やブリーダーの大量繁殖が成り立っている、そしてペットショップでは大量販売が行われる、加えて作れば作るほど儲かる仕組みになっているから繁殖現場の飼育環境が悪くなることがあり、さらには虐待やネグレクトが起こってしまう、と。

動物愛護家の指摘もごもっともだと思います。虐待やネグレクトは犯罪行為、動物を物として扱うクレイジーな犯罪者と言われても仕方ないでしょう。ただし、そのような商売をされている方が全てではなく、繁殖の過程で全てが健康で飼い主の元に行きつけるわけではないことも実態としてあると思います。こうした動物達の受け皿なくしてペット流通は成り立たないのではないでしょうか?

もし、現状のペット流通の仕組みを否定するなら別の仕組みを考えないといけません。ペットショップでの販売を禁止してブリーダーからの直販のみにするなどの案はあるのかもしれません。しかし、それでも売れ残りや繁殖引退犬猫は必ず存在します。この動物達の扱いを考えてあげる必要はあると思います。そんなの繁殖業者やブリーダーが責任もってなんとかしろって話ならそれでもいいかもしれませんが、そうであれば生体価格が今よりとんでもなく上がるだけの話だと思います。

社会問題と広く認識されるくらいになればペット税などを設けて問題に取り組めるかもしれませんが、現状はそこまでの議論には至っておりません。

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のらねこらむプロフィール

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のらねこらむ管理人

2017年4月に新居へ引っ越した直後から野良猫に悩まされる。
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