この子は飼ったら懐いてくれるのだろうか?
野良猫を家族に迎え入れようか迷っていたり、保護して里親に出そうか考えていると、この子は懐いてくれるものか、心配になったり不安があったりするかと思います。
もちろん野良生活をしてきている猫さんですし、外の生活を厳しい環境ながらも自由を謳歌してきたわけです。こういったこともあり飼い猫にしてみても懐くまで年単位で時間がかかったり、ある程度は懐くものの抱っこはさせてもらえないなど、一定の距離から縮まらないこともあったりします。
そして、野良猫ということで、ペットショップの猫達や里親募集されている猫達と違い、じっくり見ること、触れ合うこと、どんな性格の猫なのか聞くことができません。ですので、懐くか懐かないか見分けるのが難しいところです。
主様の飼い方、どんな猫さんとの関係を望んでいるかで変わってくるものですが、どんな野良猫が懐きやすいのか、「見た目」「性格」「生い立ち」「生活環境」の観点から見ていきたいと思います。
▼目次
見た目
年齢 → 仔猫の方が懐きやすい
一般的には、大人の猫は室内飼いするのは難しく、仔猫は人に馴れるのも早く飼いやすい。と言われています。
野良生活が長い大人の猫の場合、親離れをしはじめる生後数ヵ月後から行動範囲が広くなります。次第に自分で餌の確保もできるようになり、他の猫と競いながらも自分の縄張りを意識し、主張し、自分の生活圏というものを作っていきます。その後、最初の発情期を迎え、他の猫との交流も広がります。
ここまで成長していると、立派に「自活している」と言えると思います。
こうした自分の縄張りを持ち、他の猫との繋がりもある程度持ち、自分の生活をしている野良猫の環境を変えるのはストレスとなり、容易ではないということでしょう。
また、動物愛護の団体やボランティア活動をなされている方でも、保護したり引き取ったりするのは仔猫だけのところも多いようです。
性別 → オスのが懐きやすい
オス猫の方が懐きやすく、メス猫は懐きにくい。メス猫はクールで人と距離を置きたがる子が多いようです。よく言えば猫らしい気ままな性格といったところでしょうか。
メス猫は、オス猫に比べて体が小さく、母猫として仔猫を育てる、守る一面を持ち合わせています。自分の身を守るだけでなく、仔猫の身も守らなければいけないため、警戒心が強いことが多いようです。子育て中の母猫は気が立っていることが多く、近寄っただけで「シャーッ」っと威嚇されることがあります。
毛色 → 黒猫のが懐きやすい!?
毛色に黒が多いと懐きやすく、白が多いと懐きにくい。黒猫は温厚、白猫は気性が荒い。サビ猫は怖がりが多い。など。
これは本当のところはどうなのかな…と思うところですが、管理人の近所の野良猫は白猫がボス猫っぽく、ケンカも強く縄張りも広いです。
一方、黒猫は人に近付いて「ニャー」と鳴き声をあげたりしています。おそらく餌をねだりに鳴いています。サビ猫は近所にいないのですが、あながち間違ってはいないのかもしれません。
体形 → というより健康な猫の方が懐くかも!?
ガリガリな猫より健康そうな猫の方が懐きやすいかも?
ガリガリな猫で、いつも餌の確保に大変な猫は、日々の生活をしていくので精一杯。食べる事、生きる事が第一。健康な猫で、狩りをして餌を獲り、他の猫とも交流するような生活をしている猫の方が生活に余裕があり、好奇心も持ち、社交性がある、人馴れもしやすいのでは?ということ。
それから、健康そうな猫は、人から餌をもらっているかもしれません(≒人馴れしている)。人から餌をもらっている場合でも、極力人と接触しないようにしている猫もいるので、一概には言えませんが、人から餌をもらって健康そうな猫の方が人馴れもしやすいと思います。
また、ペットとして飼うのであれば、病気がちな猫より健康な猫の方が飼いやすいでしょう。
去勢・不妊 → 手術有りの方が懐きやすいかも!?
去勢、不妊をされている野良猫であれば、捨て猫と思われます。人に飼われていた経験があれば、少なくとも人馴れはしていると思います。
※お住まいの地域で地域猫、まち猫の活動をされている場合、地域で管理されている去勢、不妊済の猫の場合もあります。
性格
餌を与える時の反応 → 餌をねだるようなら懐きやすいかも!?
餌を与える時、以下のようないずれかの反応を見せると思います。
- 甘えたように鳴き、餌を要求する。
- 姿は見せるものの人がいなくなるまで餌には近づかない。(近付こうとすると逃げてしまう)
- 餌を置きに近寄ると「シャー」と威嚇する。
「ニャー」と鳴いて餌を食べにくる猫さんは、餌付けをされていますね。人を怖がらず懐きやすいかもしれません。ただ単に餌をねだりに来ている。ってこともありますが、それでも餌をくれる人には懐いてくれると思われます。(餌をくれる人以外には懐かないこともありますが)
それから人がいなくなるまで餌に近付かない、食べてくれないような猫さんは、怖がりか人と一定の距離を保つように生活しているんだと思います。単に怖がりな場合は、馴れてくれば甘えてくれるかもしれません。しかし、人と一定の距離を置き、人との関わりを持たずに生活している猫の場合は、猫は猫で自分の生活をしているので、飼い猫になって家に慣れても人に懐くことはないかもしれません。
また、餌を置き近寄ると「シャー」と威嚇する子。人が近くにいても食べることは食べるけど、唸りながら食べているような子は人が怖いので威嚇をしています。こちらは時間をかけて人が怖い存在でないと分かれば、馴れて懐くのではと思います。
近付いた時の反応 → 基本逃げます。逃げない、近寄ってくるなら懐きやすいかも!?
野良猫は、他の動物が近寄ってきたら基本逃げます。逃げなかったとしても逃走可能な距離を取ります。人に対しても犬に対しても同じく。野良生活をしているため、身の安全確保は第一。当然のことでしょう。
近付いても逃げない、むしろ近寄ってくる、足元にすり寄ったり、腹を見せてゴロンなんてすれば分かりやすいと思います。
たまに大人しいというか臆病というか…触れたり、手からゴハンも食べてくれるけど、自分からは決して近寄ってこない子もいます。こうした子の方が懐くのが難しいのかな。って思うことがあります。
生い立ち
野良猫になった生い立ちによっては、人馴れすることや懐くのが難しいことがあります。
生粋の野良猫
野良猫から産まれた猫、野良猫二世みたいな猫は、人と触れ合う機会が少なくなるため、人馴れが難しいと言われています。感受性が育まれる仔猫時代に人と触れ合わないと懐きづらくなります。これは猫に限らず犬など他の動物も同じです。
人を怖がる母猫に育てられた
生粋の野良猫に通ずるところですが、仔猫は母猫から色々なことを学びます。母猫が人を警戒したり怖がる素振りを見せれば、それを見て仔猫も人を怖い存在だと覚えます。
裏を返せば、母猫が人に餌をねだったり、甘えるような素振りを見せれば、仔猫の人に対する警戒感も薄れるということです。
人から酷い扱いをされた
人からいじめられたり、虐待を受けた経験があった場合、人は危害を加える存在となります。人と接する際、緊張感を持ってしまいます。こうなると危害を加えない人間だと理解してもらえるまで相当な時間がかかるものと思われます。そして懐いてもらえるかもわかりません。
また、虐待と言えるようなものでなくても、子供から追い掛けられたり、いじわるをされている場合も人(特に子供)を怖がったり警戒することがあります。
精神的なトラウマのようなものを持っていたりすると、心を開いてくれるのは難しいのではと思います。
元飼い猫、捨てられてから相当な時間が経っている
元飼い猫でも捨てられて野良猫になり、相当な時間が経過している場合、野良猫としての生活が出来上がっていることでしょう。自分の縄張りを持ち、他の猫との繋がりもある程度持ち、自分の生活をしている野良猫の環境を変えるのはストレスとなり、容易ではないでしょう。
他の野良猫との関係
- 他の猫と一緒に寝たり、毛づくろいをしたり、遊んだり、仲良く生活できる猫。
- 他の猫とケンカしてばっかりの猫。他の猫とあまり関わりを持とうとしない猫。
社交性や他の猫への好奇心がある猫の方が懐きやすいのではないでしょうか。
生活環境
生活する環境によっては、人との接し方も変わってきます。
地域猫、まち猫のような活動をされている地域では、野良猫に対して寛容と思いますし、世話係の方の優しさにも触れているものと思います。
逆に、地域猫、まち猫の活動がなく、猫嫌いの人が多い地域では、猫よけ対策が至る所でされており、場合によっては追い払われたり、棒で引っ叩かれそうになったり、野良猫にとって生きづらく、人は怖い存在と考えるのではないでしょうか。
こういった生活環境の違いも影響を与えると思います。
以上になります。十猫十色。その子の性格にもよってしまうところがあります。それを言ったらおしまいなのですが、少しでも見分けるポイントになればと思います。(管理人)