売れ残りのペット達は、殺処分や保健所行き、動物実験や繁殖場に連れて行かれてしまうなど、残酷な噂を耳にしたことはないでしょうか?
昨今のペットブームによりペット市場の規模は、1兆5,000億円にも上ると言われています。その裏側で密かに犠牲になっているのが犬猫などのペット達。特に売れ残りのペット達の行く末は、様々なようです。
もちろん、ペットショップも悪徳業者ばかりなわけがなく、多くは動物が好きな方が携わっていると思います。
こちらでは、売れ残った際の普通のペットショップの扱いとそれ以外の問題のある業者の扱いで分けてまとめます。それから少し踏み込んで、ペットの販売ルートに触れて、ペットショップから引き取られた後の行末を記載します。
ペットショップで売れ残った後の扱い(通常の業者の場合)
まず、ペットショップもビジネスで、商売をしている。ということです。
これを踏まえるとお金にならないことは極力しませんし、処分にお金がかかってしまうような方法も取らないということです。
基本的に、普通のペットショップでは、殺処分したり保健所に持ち込んだり、動物実験の施設へ引き渡したりということはしません。当然、法律や条令、慣行を守っています。
勝手に殺処分すれば、動物虐待。保健所は、生体販売の業者からの引き取りを拒否。動物実験の施設の引き取りはとっくの昔に禁止。
ですので、普通のペットショップでは、こんなことはあり得ないのです。
犬も猫も生後3ヵ月程度までは小さくて可愛く、よく売れる月齢はこの辺りだと思います。それからは少しずつ大きくなっていき、10ヵ月も経てば成猫、成犬として扱われますので、ペットショップでも売れ残らないように値下げをしていきます。
なかなか売れない犬猫の扱いを整理すると以下のようになります。
大きくなったら値下げして販売する。↓売れやすいお店に移される。↓赤字覚悟で値下げ販売する。↓(ここまででほぼ売り切れる)
それでも売れなかったら・・・
- お客様にワクチン代の実費だけもらい差し上げる。
- 店員の方が社員割引で購入する。(その後、知人へ譲るなど)
- そのまま店に置いて看板犬猫になる。
- 店の繁殖場に回される。(店が繁殖も行っている場合)
- ブリーダーに返される。(預かる期間を決めて販売している場合)
- ブリーダーに格安で引き取ってもらう。(繁殖に使われる)
- トリマーなどのペット専門学校に引き取られる。(練習台に使われる)
普通のペットショップであれば、上記のような扱いになると思います。
ペットショップで売れ残った後の扱い(問題のある業者の場合)
売れない犬猫は、エサ代がかかります。人の手間もかかります。場所も取ります。店側としてはいるだけでもお金がかかる事情があります。
値下げしてなんとか売り切ろうというのは、どこも一緒だと思いますが、その後の扱いに問題があるケースが出て来ます。
- 店が個人を装って保健所・動物愛護センターに持って行く。
- 安楽死させる。
- 庭に埋める。
- 遺棄する。
- 引取り業者に引き取ってもらう。
良血種やメスなどは、繁殖に使えます。上記のような扱いになる前に引き取り手が見つかると思います。一方、ミックスやオスなどで需要がなければ、最終的には処分することになります。
引取り業者について
引取り業者の役割は、ペットショップで余ってしまったペットを有料で引き取る業者です。
この背景には、2013年の動物愛護管理法の改正が影響しています。改正前までは保健所で引き取ってもらえていましたが、改正後は保健所で引き取りを拒否できるようになりました。これに伴い、行き場を失い余ったペット達を引き取る業者が増えてきたということです。
ペットの販売ルートと引き取り業者に引き取られた後の扱い
ペットの販売ルート
おおまかに飼い主に渡るまでの順路は以下の通りです。
ブリーダー| | ↓| | ペットオークション| ↓ ↓| ペットショップ ↓ ↓飼い主
そして、引き取り手(飼い主)が現れなかった場合、売れ残りになります。販売をしているブリーダーとペットショップで、引き取り手が見つからなかったら売れ残りになってしまうわけです。
売れ残ったペットを引き取る業者と引き取られた後
ブリーダーとペットショップで売れ残り、繁殖としても使われなかったペット達は、引取り業者が引き取る場合があります。
―――ブリーダー| | | ↓| | | ペットオークション| | ↓ ↓| | ペットショップ| ↓ ↓ || 飼い主 || | → 引き取り業者 ←
そして、引取り業者に引き取られた後はどうなってしまうのでしょうか?
引き取り業者もビジネス、商売のためにやっています。可哀想な犬猫を保護するための活動ではありません。
- 売れる犬猫は、安く転売。
- 繁殖に使える犬猫は、繁殖に回す。(生まれた仔は販売する)
- 色素が悪く繁殖に使えないメス、繁殖を終えたメス、売れない犬猫は飼育される。
他にも悪質な業者であれば、安楽死や遺棄などをする場合があるでしょう。また、飼育されるにしても良い環境で飼育されることは少ないのが現実だと思います。
安楽死や遺棄、劣悪な環境での飼育は、動物虐待にあたるため、動物愛護法違反で告発されるケースもあります。
「大量死、死骸の不法投棄に関するニュース」, 2014年11月16日, 日本経済新聞
こうした最悪のケースは、人の身勝手から起こり、命を軽視した許されない行為でしょう。
以上になります。大量に生産したら当然余るものが出てくる。命をモノ扱いしてはいけませんね。