野良猫が近付いてきて鳴いたり、近付いていくと鳴いたり、玄関前でお座りをして鳴き続けることがあります。
発情期のうるさい声は独特ですし、ケンカの時の威嚇の声はその現場の状況からもわかりやすいです。また、子猫が泣き続けるのも母猫が側にいない時がほとんどなので、母猫を求めて鳴いているとわかります。
そもそも猫が鳴く理由と言えば、
- お腹が空いている
- 何か問題が起きている
- 警戒している
- 警告(威嚇)している
- 発情期
- 母猫を探している(母猫が探している)
- 構ってほしい、遊んでほしい
もっと大雑把に考えれば、不安や不満がある時の生理的要求と甘えたい時の心理的要求に分けられるかもしれません。
私達が野良猫の鳴く理由や原因を探し求める場合、猫語を理解できないので、鳴き声の感じとその猫や周りの状況で判断します。
例えば、猫同士が対峙していて、怒鳴るようなだみ声であれば、あぁ、ケンカやってるな。ってわかります。他にも、子育て中の母猫と子猫に近寄ろうものなら「シャーッ!」っとやられて、怒ってるな。ってわかります。子猫もミーミー泣きやまない、泣き続けているなら、母猫が近くにいなくて探しているのかな。と思います。
おそらく、この辺りの推察の多くは当たりだと思いますし、そうだろう。と納得している方がほとんどだと思われます。
しかし、特別な状況下とも思えない場面での「ニャー」とか「ニャァーオ」だと何をアピールしているのかよくわからないこともありますね。
これがもし飼い猫の場合だったら、飼い主もよくその猫のことをわかっているし、猫もとても賢かったりするのでなんとなくでもわかり、意思疎通が図れるものです。
エサ皿の前で鳴いていれば「ご飯が欲しいのかな」ドアの前で鳴いていれば「ここを通りたいのかな」外を見て鳴いていれば「外に出たいのかな」「誰か(他の猫が)いるのかな」
他にも暑い寒い、具合が悪いなど一見わかりにくいものでも、その声色やボディランゲージで飼い主はなんとなくでも察してあげられると思います。
しかし、野良猫の場合、餌やりをしている、面倒を見ている方でもなければ、コミュニケーションを取る機会も限られるので、その鳴き声の要求に察してあげることが難しいかもしれません。
野良猫が近付いてきて鳴いてくる
基本的に野良猫って警戒心が強いです。普段から人に近付く子は少ないですし、そういった子であればかなり人馴れしていると思います。
もしその鳴き声が、ケンカの時の声や威嚇のシャーでもなければ、友好的と考えていいと思います。
- いつものように餌をくれると思って
- 挨拶をしたくて、自分の匂いを付けたくて
- 構ってほしくて、遊んでほしくて
鳴き声も小さく「ニャッ」と高い声の感じだったり、喉をゴロゴロするなら私達も嬉しい気持ちになりますよね。あとは尻尾もピンと持ち上げているようだったら本当に友好的だと思います。
わざわざ見ず知らずの人に近付いてコミュニケーションを取ろうとしてくるのは、野良猫にしては珍しいことだと思います。
猫嫌いでなければ、こちらも歓迎するように優しく接してあげるのがいいのでしょうね。
野良猫に近付いていくと鳴く
子育て中であれば、母猫はじーっとこちらを睨んできますし、シャーッという声じゃなくても声色は厳しいものではないでしょうか。こうした分かりやすいものもありますが、普通の鳴き声で分からない時もあったりします。
管理人の体験談的には、「フゥーッ・・・」って感じでしたけど。その猫は、足を怪我していたみたいで、動けないことはないけどあまり動きたくなかったみたいです。足が痛いんだよ、こっちにくんなよ、のフゥーでした。
近付いていって鳴くだけで、その場から動かない、前足にくっと力を入れるような姿勢だったりすれば、ほとんどの場合は警戒心からだと思います。もし、友好的であるなら猫も立ち上がって近寄ってきてくれると思いますから。
玄関前でお座りをして鳴き続ける
これは、結構目撃します。餌やりしているお宅の玄関前で多いです。
おそらく、大体同じ時間に玄関先で餌やりをしているのだと思いますが、餌やりさんが忘れていたり、時間に遅れたりすると待っているのを知らせるのに鳴いています。あとは、いつもの時間に来れなかった猫が鳴き声で餌の催促を知らせるためにやっていることがありそうです。
管理人の近所の野良猫の場合だと、玄関先ならどのお宅でもいいというわけではなく、やっぱり特定のお宅。前述の餌やりしているお宅もそうですが、他にも猫を飼っているお宅に訪問していることもあります。(これはサカリの時期だからということもありそうです)
また、鳴き声で知らせると人が出てきて、餌を目の前に出してくれる。これで餌をもらえるなら、そうすることで餌が出て来ると学習するので、同じやり口をしているのだと思います。
多くの野良猫は、この場所のこの時間に餌が出て来る。で覚えていると思いますが、安易に餌を与える人が多い地域では、人に鳴き声で知らせれば餌が出て来ると勘違いすることもあるかもしれません。だから、車の中から餌をぽいっと投げあたえちゃ行けません。車に近付くと餌をもらえるって覚えてしまうと交通事故に遭う可能性が高まります。
裏庭から不機嫌そうな鳴き声
この他、管理人が思いつくところだと、裏庭のネットに足を引っ掛かってしまった猫。
なんだかずーっと鳴いているなぁと思ったら、ネットに足を取られていたドジ猫がいました。ニャ~なんてかわいい声じゃなくて、ナァーとかナ゛ァ~のような不機嫌そうな声で。
相当困っていたんでしょうね。滅多に鳴いているのを見たことがない猫でしたから。ただ、こういう猫って警戒心も強く、助けてあげようと近付くと威嚇するように声をあげてくる。なんとか近付いて網から足を取ってあげようとしてもめちゃくちゃ嫌がりましたからね。そして、網が外れたら脱兎のごとく逃走。恩知らず。でも、これが野良猫だと思います。人との距離をある程度保っている方がいいと思いますので。
こういった危機的状況でも鳴いて何かを知らせる野良猫もいると思います。
野良猫が鳴く理由の多くは、餌の要求
基本的に野良猫は単独行動で群れません。飼い主を持たず、飼い猫のように困ったことがあっても飼い主に鳴きつくことなんてありません。暑い寒い、痛い痒い、天敵に狙われていようとも自力でなんとかしています。人から餌をもらっている野良猫であったとしても、人に頼ってどうこうというよりは、そこが餌場だと思って自分で確保している感覚だと思います。
何かあったとしても自分で何とかしているのが野良猫ですから、見知らぬ人に何かを要求すること自体が多くありません。
餌をもらっているにしろ、鳴き声をあげれば人が気付いて餌を出してくれるからやっているだけで、何もしないで出してくれるなら鳴きもしないでしょう。
また、鳴き声は自分の居場所を知らせることにもつながるので、外で生活する野良猫が好んで鳴き声を上げることはないと思われます。
よっぽど人馴れしている野良猫は別として、野良猫が鳴く多くの理由は、餌の要求と思われます。