地域猫はいるけど地域犬がいない理由

 地域猫がいるなら地域犬がいてもいいのでは?

でも、犬は噛み付くからね。狂犬病もあるし危ないから放し飼いにはできないよ。

何気なく会話をしていたらこれで終わりそうな素朴な疑問です。

地域犬がいない理由

理由をもう少し考えてみると一つには

狂犬病予防法の法律で、野良犬は捕獲(抑留)をしなければいけないと定められております。(狂犬病予防法第六条)

また、動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)では、第七条に以下のような定められており


「動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。」(抜粋)
「動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」(抜粋)


放し飼いはダメ、散歩するときも逸走防止のためにリードでつなぐ。といった事を示しています。

飼い犬でも基本的には、柵に囲われた敷地内以外での放し飼い禁止で、野良犬の場合は狂犬病予防法に基づいて捕獲されます。

これらのことから、野良犬も放し飼いの飼い犬も外には存在が許されていないというわけです。

もし地域犬として扱うなら

狂犬病予防法や動物愛護法などの法令を遵守すれば、地域犬として扱うことは可能なような気もします。

具体的には

  • 地域犬を保健所または、市町村に登録する。(犬の鑑札が交付されます)
  • 年1回の狂犬病予防注射を受けさせる。(狂犬病予防注射済票が交付されます)
  • 柵に囲われた係留できる場所を確保する。

最低限であればこれらは必須事項。
加えて、地域犬として扱うなら繁殖制限(不妊去勢手術)も必要になるでしょう。

また、必須ではないにしろ犬の生態や習性を考えると世話も大事です。

  • 給餌
  • 糞尿の管理
  • しつけ
  • 毎日の散歩

給餌、糞尿の管理はもちろんのこと、噛み付きや無駄吠えなどのしつけ、毎日の散歩も必要です。

なんだか、かなり大変ですよね。本当に犬好きでなければ世話がしきれないくらい。

それにこれだけでは足りなくて、もし噛み付いてしまったら誰が責任を取るのか?という議論も必要だと思います。散歩中の出来事なら散歩していた人の責任か地域犬を管理しているグループや団体が責任を取るのか。
猫と違い力の強い犬もいるので、子供やお年寄りだけでの散歩はNGなど、細かいルール作りも必要になってきそうです。

このように考えていくとここまでして地域犬をしたい地域ってほとんどいないのでは?と思えてきます。

また、地域犬というからには 2、3頭の少ない数ではなく、少なくても 5、6頭。多ければ10頭以上を管理することがあってもおかしくないです。世話する労力は相当なものだと思います。

これら以外にも日々の餌代、繁殖制限や狂犬病予防注射の費用、係留場所の土地の利用料などお金の面でも地域の協力がなければ続けるのは難しいでしょう。

地域猫と違い世話の大変さや地域住民への配慮、費用面でもより負担の大きいものと思われます。できないことはないけど、責任を持って世話を続けていくのが難しいのが地域犬だと思います。

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のらねこらむプロフィール

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のらねこらむ管理人

2017年4月に新居へ引っ越した直後から野良猫に悩まされる。
日々、野良猫との領地争いを繰り広げています。

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