保健所で野良猫を捕獲しない理由

 保健所では野良猫の捕獲はしていません。管理人の住む地域も役所に確認したところ「捕獲は行っていない」とのことでした。

どんな正当な理由から捕獲を行っていないのか

ざっくり言えば、対象業務ではない。ということ。

野良犬に関しては、狂犬病予防法の法律で、捕獲(抑留)をする必要があります。

第六条 予防員は、第四条に規定する登録を受けず、若しくは鑑札を着けず、又は第五条に規定する予防注射を受けず、若しくは注射済票を着けていない犬があると認めたときは、これを抑留しなければならない。
出展:「狂犬病予防法

野良猫に関しては、狂犬病予防法の他、法律で捕獲(抑留)の必要が定められていないため、保健所では特に業務として行っていない。というところでしょう。

法律で捕獲の必要性はない。それだけで捕獲を業務としない、拒否する理由になるのか

法律で捕獲の必要性がなかったとしても、保健所で捕獲を業務として行うところがあってもいいはず。しかし、特例※がない限り、住民からの依頼で捕獲を行っている自治体はないでしょう。

※伝染病の蔓延、重大な生活被害、公衆衛生の確保が難しいような特例

それではなぜ、捕獲を業務としないのか?

やはり、対象となる猫が飼い主のいる猫なのか、野良猫(所有者不明の猫)なのか判断が難しいところが大きいのでしょう。

依頼してきた住民から「野良猫から生活被害を受けており困っている。捕獲してくれないか?」と相談を受け、捕獲。その後で飼い主が現れたらどうでしょうか。

個人の所有物である飼い猫を保健所が勝手に捕獲してしまったら。怒った飼い主が自治体を訴えでもしたら大変です。

民法709条 不法行為による損害賠償
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
出展:「民法

さらに、捕獲後、しばらくした後に殺処分でもしてしまったら、ことさら問題になるでしょう。

保健所の職員と言えば、地方公務員です。規定の業務、ルールを守って仕事をしていけば、給料も悪くない、退職金はいい。安定した職です。法律の定めもなく、業務にもなっていない、もしかしたら違法行為になるかもしれないことはやらないでしょう。

個人で捕獲をしてもいいのか、法律上の問題は?

野良猫を勝手に捕まえていいものか

野良猫の扱いを整理すると「所有者不明のイエネコ」にあたります。
イエネコは動物愛護管理法の対象となりますから、野良猫も同様にこの法律の対象となると考えていいかと思います。

そして、動物愛護管理法には捕獲の禁止、規制をする条文はありませんから、捕獲をするだけであれば違法行為となりません。ただし、捕獲時、捕獲後の動物の扱い方によっては、動物虐待とみなされることがあります。

動物愛護管理法では、動物虐待の規定が設けられています。

出展:環境省「虐待や遺棄の禁止

捕獲した後

捕獲した後のことは、こちらの記事をどうぞ。

野良猫を保護したらどうすればいいか野良猫を保護したらどうすればいいか

保護した後に何をしたらいいか、どうすべきか。

野良猫駆除、捕獲、保健所送りは合法か違法か野良猫駆除、捕獲、保健所送りは合法か違法か

合法か違法か?弁護士の見解、動物虐待に当たるか、保健所での引取りについての記事

補足:犬の場合。保健所の捕獲後の扱い

犬が収容された場合、飼い主を見つけるため、市町村及び保健所が2日間公示します。公示期間満了後1日以内に所有者がその犬を引き取らなければ、処分ができることとなっています。

公示期間満了後の処分については、保健所によって対応は様々かと思いますが、非常に短い期間で処分をされる可能性があります。

野良犬の扱いは?


以上になります。
保健所で捕獲をしない理由は、法律で業務とされていないから。単純明快です。


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