「根に持つ」って、動物に使うことはほとんどなく、普通は人に使いますよね。でも、猫には使われたりします。
根に持つというと、いつまでも嫌な事を覚えていたり、引きずっていたり。悪く言われた事を何年も忘れずにいる人もいます。陰湿なイメージがありますね。
こちらの記事では、猫の生態や猫の性格、私達が猫に持つイメージなどからなぜ根に持つと思われてしまうのかをご紹介します。
猫の生態
猫は基本的には単独行動。他の猫達と一緒に行動することは少なく、出歩く際も一匹です。
また、狩りも一匹で行います。犬のように仲間達と集団で行動し、獲物も協力して倒すようなことがありません。悪く言えば社交性や協調性が欠けているとも言えます。
そして、単独で行動しているため、自分の身は自分で守る必要があり、警戒心を強く持っています。
こうした生活を続けていくためには、天敵となる動物、生命の危機を感じた出来事を忘れてはやっていけません。もし猫に対して根に持っているように感じることがあれば、その猫の身に危険を感じるような出来事が過去にあったと考えてもいいと思います。
猫の性格と私達が猫に持つイメージ
気まぐれで自由きまま。飼い猫でも飼い主に従順な猫は少なく、多くの時間を自由に過ごしていると思います。
また、野良猫も猫嫌いの人間がいれば肩身の狭い思いをしますが、好意的な人間が多くいる地域では自由に自分の縄張りを闊歩しています。飼い慣らされることもなく、自由な存在。人に躾けられて行動を変えるようなこともあまりありません。飼い猫が何か悪さをして、飼い主が怒っても反省したりしおらしくなるというより「なんだ?」とか「チッ」って感じで立ち去るといった感じ。
こういった気まぐれで自由きまま、独立独歩な性格が好きな方と嫌いな方とで別れるところだと思います。
機嫌を損ねる飼い猫
飼い猫の多くは、お風呂に入ったり、病院に連れて行かれるのを嫌がります。そして、しばらくは人に寄り付かなくなったりもしますが、1日、2日も経てばいつものように振舞ってくれることがほとんどと思います。
機嫌を直してくれた。
というのもあるのでしょうが、猫にとっての飼い主は、餌を与えてくれる大切な存在です。餌をもらえなくなったら死活問題のため、いつものように餌をもらいに家の中の餌場や餌を持ち歩いている飼い主のところに足を運んでいるということも多いにあるでしょう。
お風呂や病院に連れて行かれたくらいの生命の危機を感じない出来事では、根に持つようなことはなく、しばらくすれば忘れていつものような振る舞いになるのだと思われます。
さっきまでは、ぷいっって感じだったのに、気付いたらいつものように接してくる。マイペースというか気分屋というか。そんなように思ってしまいますね。
狩りの仕方にみる猫の性格
猫の狩りは待ち伏せ型。ネズミを狩ろうとしたら巣穴を見つけて、そこから出てくるのをじっと待ち、待ち続けた後に鋭い爪を伸ばす。小鳥などを狙う際も小鳥が油断するまでじっくりと身を潜め、その時が来たら一気に襲い掛かります。
犬が仲間と協力して獲物を倒す様と比べる、狡猾、ずる賢い、陰険。そんなイメージを持つ方がいても仕方ありません。
猫の伝承や由来
化け猫や妖怪の猫又。化けて祟るような話が昔の書物や伝承に頻繁に出てきます。
鎌倉時代に編纂された『古今著聞集』には、奇妙な行動をとる猫を指し「魔に変化したものではないか」と疑う記述が見られます。また、兼好法師の『徒然草』には、飼い猫が年を経て猫又になり、人を食い殺すようになることが書かれています。それから、鍋島の化け猫騒動はテレビや映画に映像化されたことがあります。
その他では、干支には猫が入っていないことなど。逸話ではネズミに騙されて十二支に入れなかったとか。(代わりにネズミは入っている)
化け猫や祟りが起こるなどの当時の価値観も相まってこのような逸話が出来上がっているとも考えられます。
ウィキペディア「化け猫」, Wikipedia
まとめ
- 生命の危機を感じた出来事は決して忘れない。(根に持っているわけではなく、自分の身を守る為)
- 気まぐれで自由きまま、マイペース、気分屋。(私達が持つイメージから、根に持つように思えてしまうことがある)
- 猫の伝承や由来から化け猫や猫又といった迷信がある。(化けたり祟られるような陰鬱なイメージを持たれていた)
以上になります。管理人的には、根に持つ。というより神経質なのかな。って思っています。野良猫だと糞はいつも同じ場所にしにきますし、物音や気配にも敏感で、他の動物との接触も避けているような感じですので。