野良猫の餌やりを止める。その後の猫達の扱いを検討している方へ

 こちらの記事は何らかの事情により、野良猫(飼い主のいない猫)に餌やりを止めざるを得ない方へ向けての記事になります。

また、どちらかというと感情論より方法論、どのように物事を進めるべきか考え、方向性を見極めるような内容です。

それから、餌やりを止める理由はそれぞれです。引っ越し、苦情、面倒を見きれなくなった、など。
このためある程度、包括的な内容になることをご了承ください。

▼目次

  1. どうなると一番いいのかを考える
  2. どんな方法があるのかを洗い出す
  3. 自分達にできることを整理する
  4. 猫達の把握、数や性別、健康状態、特徴など
  5. 譲渡に必要なタスク
  6. 自分以外の誰かに面倒を見てもらう(引き継ぐ)
  7. 動物愛護団体、猫ボラに助けを求めるという事
  8. 何もしない。ということがどういうことかを考える
  9. その猫、あなたが飼い主ではありませんか?

どうなると一番いいのかを考える

餌やりを止めた後、今いる猫達はどのように生活をしていくことができれば一番いいのでしょうか?

本来は、餌やりをしている方よりも真の当事者である、猫達の意見を聞くのが一番かと思いますが、それは難しい。
また、自由に行き来できる野良猫ですので、少なからず近隣住民の方への影響があります。近隣への配慮も不可欠です。

ですので、餌やりをしている方、野良猫、近隣住民の各々がどうなると最善なのかを考えるべきだと思います。

  • 餌やりの継続。
  • 譲渡、飼い主を探す。
  • 第三者に保護を依頼。

餌やりの継続

他の人に餌やりを引き継ぐ、餌やり場所を変える、近隣住民と協力して行う、地域猫活動を導入するなどが考えられます。
今の餌やりができなくなることを考えると、継続するとしたらこの辺りしか選択肢はないように思います。

譲渡、飼い主を探す

近隣住民が野良猫の被害に遭われている場合、糞尿や鳴き声、引っ掻き傷、猫アレルギーなどストレスを抱えて生活しています。
居着いて欲しいと思っている人はいませんので、譲渡、飼い主が見つかることでその場からいなくなってくれれば、それが望ましいです。
また、野良猫についても食べ物の心配はなくなり、健康面でも医療を受けられやすくなることで、飢えや痛みなどの苦痛から解放されます。
自由きままな生活は失ってしまうかもしれませんが、良い面が少なからずあるので、ペットとして飼われることはそれほど悪いことではないでしょう。
もし、元飼い猫で迷い猫、捨て猫であった場合は、飼い主が現れるのを待ち望んでいることもあると思います。

第三者に保護を依頼

餌やりを止めてしまった場合、飢えと直面する場合もありますし、飢えに耐えかねてゴミを荒らしたり、人の家の中に上がり込んでしまったり問題行動を起こすことが考えられます。
どうしても止める必要があり、譲渡先が自分では見つけられない場合は、第三者、動物愛護団体や猫ボランティアに協力を仰ぐのも手かもしません。
ただし、第三者が介入したことで、餌やりの当事者、野良猫、近隣住民の全てが望む結果になるかはわかりません。
動物愛護団体や猫ボランティアの方が代わりに餌やりなどの面倒を見てくれたとしても、近隣住民の方が納得する方法であるかはわからないからです。
また、動物愛護団体や猫ボランティアの方に引き取られた場合でも、猫にとって幸せなことであるかはまた別の話です。
狭いケージに囲われ、自由が効かず、譲渡会と呼ばれる場所へ連れてかれ、見知らぬ人達に囲まれる日々は、幸せとは程遠い生活かもしれないからです。

どんな方法があるのかを洗い出す

餌やりの継続、譲渡、保護の依頼などはすぐに思いつくところですが、他にも何か方法がないかを洗い出しておくのが良いでしょう。
以下、似たようなものが多いのですが、ご参考ください。

  • 自治体への相談
  • 猫カフェでの保護
  • アニマルシェルターでの引取り
  • 怪我、病気の猫の保健所引取り

自治体への相談

自治体への相談は、どのような対応になるかがケースバイケースです。
多頭飼いしていた家族が亡くなってしまった場合、里親探しの協力をしていただけるケースもあります。
譲渡会を開催している自治体であれば、協力をしてもらえるかもしれません。
地域によっては、地域猫活動を勧められる場合もあると思います。
ケースバイケースとは思いますが、自分の手に余るようなら相談するのは無駄にならないかと思います。

猫カフェでの保護

猫カフェがご近所にあれば、相談をしてみるのもいいかもしれません。昨今では保護猫カフェというのも存在します。
全てがウエルカムではないと思いますので、ダメ元でお話を聞いてもらうのが良いと思います。

アニマルシェルターでの引取り

飼い主のいない猫を有料で引き取ってくれる団体もあります。
アニマルシェルターの詳しくはこちらでは書き控えますが、猫の保護活動をされている団体です。

利用する場合、有料です。

金額は、月齢や年齢で変わったり、猫の健康状態によっても変わります。最低でも数万円は引取に費用が掛かります。さらに受け渡しに交通費がかかればその費用ももちろん余計にかかります。

※数万円の引取り費用が高いと思う方もいるかもしれませんが、責任をもって面倒を見るとお金がかかるものです。
※1匹の猫を飼育する場合、終生ちゃんと面倒を見続けると200万円以上のお金がかかります。

怪我、病気の猫の保健所引取り

保健所=殺処分

というわけではありません。
ここであげたのは、怪我や病気の猫です。痛みや病気で苦しんでいる猫を保護することは動物愛護の観点から大事なことです。
また、動物の愛護及び管理に関する法律でも負傷や病気の犬猫の発見者は、自治体・保健所等への通報に努める必要があります。

動物の愛護及び管理に関する法律

第三十六条 道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、猫等の動物又は犬、猫等の動物の死体を発見した者は、速やかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。
2 都道府県等は、前項の規定による通報があつたときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=348AC1000000105&openerCode=1

保健所では、獣医の方がおられますので、最低限の医療が受けられます。

また、保健所でも譲渡活動に力を入れている自治体も多くあります。
最近では、2018年度の犬猫殺処分ゼロを達成した東京都の例もあります。

保健所=殺処分と決めつけず、怪我や病気の場合は、獣医のいる保健所の力を頼るのも一つの手だと思います。

※殺処分が心配な場合は、保健所に相談する際にその可能性を伺ってみましょう。

自分達にできることを整理する

餌やりを止めた後、何かしら対応を取る場合は、自分達にできることできないことが当然出て来ます。

労力、場所、お金、時間 これらがないとできることも限られてしまいます。

労力 猫の数が多い場合、一人ではやり切れないことが出て来ます。
場所 譲渡をするにしても一時的な保護の場所が必要です。
餌やり場所を変えるにしても、新しい餌やり場所の確保が必要です。

お金 餌代はもちろんのこと、捕獲器、ケージが必要かもしれないし、医療費がかかることも。猫の数がいればいる程お金がかかります。
時間 事情により対応できる期限がある場合も。

自分達にできることを整理しておくことも大事だと思います。

猫達の把握、数や性別、健康状態、特徴など

誰かに引き継ぐにしろ、譲渡するにしろ、保護を依頼するにしろ、その猫達の数や性別、年齢、健康状態、特徴などは必要な情報です。
飼いたい方がいても、性別や年齢、健康状態が全く分からなければ、責任を持って面倒を見れるのか判断がつかないものです。

性別 毛色 年齢
(推定)
特徴 不妊
去勢
オス 3歳 右前足負傷
メス 2歳 左目が半目
オス 4歳 人懐っこい
オス キジ 3歳 尻尾が短い
メス 黒白 3歳 妊娠中

また、よく面倒を見ている猫以外に、月に1度くらいしか見かけない猫などがいたりもします。ほとんど見かけないような猫は、対象に含めるかを決めておいた方が良いでしょう。

譲渡に必要なタスク

譲渡や里親を募集する場合、作業(=タスク)が発生します。

猫の管理 猫の数や保護する猫の把握しておきます。
保護スペースの確保 一時的に保護しておくスペースの確保。
捕獲の周知 近隣の方へ捕獲前に周知し、捕獲日の連絡、放し飼いや餌やりの注意喚起を行います。
動物病院へ協力依頼 負傷や病気の猫がいる場合、獣医に診てもらう必要があります。医療費の相談、診察日の調整など事前に済ませておくとスムーズです。
捕獲器の準備 自治体で貸し出しがあればお借りしましょう。なければ自前で作成、または購入が必要です。
餌やトイレ等の準備 餌の購入、ケージやトイレの準備など。保護の受け入れ準備をします。
捕獲作業 当日は、近隣の方へ餌やりを控えていただくなど協力を仰いでおくと捕獲がしやすくなります。
動物病院で初期医療 できれば、全頭診てもらった方がいいですが、最低限負傷、病気の猫は診てもらいましょう。
馴化(人馴れ)期間 人がいる環境や生活音など人と暮らすのに慣れてもらう期間。ある程度の人馴れは必要です。暴れたり威嚇ばかりする子は貰い手が見つかりませんし、トラブルにもつながります。
猫のプロフィール作成 猫達の情報をまとめたものを元に、飼い主になってくれる方へ向けてプロフィールを作成します。もちろん友人や知り合いなどであれば資料をわざわざ作る必要はありません。
譲渡先探し 親戚、友人、知り合い、動物病院やスーパーの掲示板を利用した里親募集、里親募集サイトへの登録、自治体が開催する譲渡会への参加など譲渡先を探します。
里親への仲介、引き渡し 一度見てみたいという方もいますので、猫と会う日の調整からお見合い当日のエスコート。引き渡しも同様に日程調整や引き渡し後のことを決めておきます。

この他、里親募集サイトに見られます、里親応募者への諸経費の請求は、条件によっては可能かと思います。
里親募集サイトを利用する場合は、利用規約を確認の上、請求可能な諸経費を確認しましょう。
また、個人間でやり取りする場合、応募者の方と十分な調整の上、諸経費を請求しましょう。

細かいところは他にも色々あると思いますが、大枠はこのようなタスクなものになると思います。(やらなくていいものもあると思います)

自分以外の誰かに面倒を見てもらう(引き継ぐ)

苦情がきてしまった場合や自治体や保健所などから指導を受けている場合は、餌やりの面倒を誰かに見てもらうことは難しいでしょう。
しかし、ご自身が引っ越しする、病気で入院するなどやむを得ない事情で餌やりができなくなってしまった場合は、誰かに面倒を見てもらえないか・・・となる場合もあるかと思います。

もし、身近に引き受けても良いという方いるなら引き継ぐ。ということになります。

猫の数 いつも何匹の面倒を見ているのか
不妊去勢手術 不妊去勢手術の有無
餌やりの場所 いつもどこで餌やりをしているのか
餌の時間 いつも何時に餌を与えているのか
1ヵ月の餌代 1ヵ月の餌代はいくらかかっているのか、誰が持つのか
糞尿の始末 糞尿の見回り場所や見回りの頻度など
苦情の有無 近隣から苦情は入っていないか、入っていたら誰で、どんな内容なのか

近隣の方が餌やりを快く思っていなかったり、反対している場合は、引き継ぐのは難しいですし、トラブルの元だと思います。
そのような事情の場合、町内会などの自治会に相談してもまず、良い回答は得られないでしょう。別の方法を模索した方が良いかと思います。

動物愛護団体、猫ボラに助けを求めるという事

地域に動物愛護団体や猫ボランティアの方がいれば、何かしら協力を依頼することは可能だと思います。

ただし、誰かに助けを求めるということは、その方達に猫達を任せる。ということです。

餌やりをしていた方が、できれば譲渡先を見つけて飼い猫になって欲しい。と考えていても、動物愛護団体や猫ボラの人達がその通り動いてくれるかはわかりません。
子猫は引き取れるけど、成猫は難しい。と拒否されることだって普通にあります。

動物愛護団体や猫ボランティアの方々は、その方達の意思や理念を持って行動しています。
餌やりしている方やその地域の人が望む方法が取られるとは限らないのです。

アドバイスをもらう程度であれば、特に気にする必要はありませんが、対応をお願いするということであれば、猫達のことを全て任せることになります。
場合によっては、動物愛護団体や猫ボランティアの方の意思や理念に基づいて行動し、餌やりしていた方や近隣住民の方が望まれない結果になることだってあるということです。

何もしない。ということがどういうことかを考える

何らかの事情で餌やりができなくなった、止めざるを得なくなった場合、

餌やりは止めるけど、猫達の生活はなんとかしたい。

と思う方がいる一方、

餌やりを止めた後のことなんて知らない

なんていう人もいます。管理人の近所の餌やり住民がそうです。
自治会や役所の方から注意をされ、このままのやり方で続けると場合によっては損害賠償で訴えられる場合もある。
という説明を受けた途端、飼うのはできないし、トイレの面倒も見れないから餌やりは止める。という話でした。

この人、なんのために餌やりやっていたのか、問い質したくもなるもんです。

可哀想だから、可愛いから、懐いてくるから、可愛がりたいから。

自治会や役所から注意をされ、自分に危害が及ぶと途端に逃げ出す。
猫達のその後のことなんて何も考えていないんです。

猫達からすると当然のようにもらえた餌が、ある日突然もらえなくなるわけです。
私達自身に置き替えてみると、当然のようにもらえていた給料が、突然もらえなくなるようなものかもしれません。

そうなれば、餌を確保するために、ゴミは荒らさなければいけませんし、人の家に上がり込んで盗み食いする必要にも迫られるかもしれません。
上手く餌にありつけなければ、飢えや渇きに苦しみ、精神的な苦痛、ストレスに苛まされることでしょう。

近隣の住民の方もゴミを荒らされたり、家庭菜園を荒らされたり、家に上がり込んで来られたらとても困るでしょうし、迷惑に感じる人が多いと思います。

こういったことが起こることを何も考えず、餌やりを止めてそれでおしまい。だと思っている。責任感の欠片もありませんし、恥ずかしい大人、いや責任も取らないので大人ですらありません。

少しヒートアップしたところで、管理人の地域のその後を少し書きます。

管理人の地域では、餌やり住民が複数いるので、一人が餌やりを止めたところで、飢えて苦しむような猫はいませんでした。
少し変化があったとすれば、餌やり場所が変わったので、猫達が生活する拠点が餌やり場所よりになったということですね。

さらに、ほとぼりが覚めた後、餌やりを止めた住民が餌やりを再開します。

・・・もう、本当に勘弁してもらいたいです。

その猫、あなたが飼い主ではありませんか?

毎日餌を与えている、敷地内に寝床を提供している、多くの時間はあなたの家の付近で過ごしている。

飼っていない。とあなたが言い張っても、このような状況だとすれば、外飼いの猫だと思われても仕方ありません。

もし、そのような状況だとすれば、あなたが飼い主だと判断される可能性は、十分にあります。

動物の愛護及び管理に関する法律

第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=348AC1000000105&openerCode=1

上記のように、「みだりに、給餌若しくは給水をやめること」は、動物虐待にあたります。
「みだりに」ということは、特に正当な理由がなく。ということです。
あなたが飼い主であると判断された場合、餌やりを注意された、引っ越す、しばらく旅行に出掛けるから。などの理由で餌やりを止めることは正当な理由と判断されることはないでしょう。

給餌、給水のストップは、動物虐待です。
その場に猫達を残して置いていくとしたら「遺棄」にあたります。

飼い主として、終生飼養に努める必要がありますので、飼い主の責任を果たす必要が出て来ます。


以上になります。餌やりを止めるのって簡単なことではありません。これまで面倒を見ていたわけですから、その後の面倒を見る責任もついてまわるものです。猫達、近隣住民の方への配慮を大切に事後を考えていってもらえたらと思います。

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のらねこらむプロフィール

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のらねこらむ管理人

2017年4月に新居へ引っ越した直後から野良猫に悩まされる。
日々、野良猫との領地争いを繰り広げています。

対策グッズのほとんどは、実際に買って・試した結果をまとめたものです。
当サイトの情報が皆様の野良猫対策の助けになれば幸いです。
詳しいプロフィールは、こちら

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