毎日のように庭先へやってきて、近寄っても逃げず、時には足元にすり寄る猫。なでることもできてゴロゴロ言ったりと、とても野良猫に見えない猫を見かけることはないでしょうか?
首輪をしていれば飼い猫とわかりますが、そんな猫に限って首輪をしていなかったりします。首輪以外に飼い猫か野良猫(捨て猫)か、見分け方はあるのでしょうか?
こちらの記事では、野良猫と飼い猫の違いや見分け方を記載いたします。
▼目次
野良猫と飼い猫の違い
首輪を付けているか、付けていないか、など当たり前なことも含めて違いをあげていきます。
飼い猫 | 野良猫 | |
---|---|---|
首輪 | 付けている(場合が多い) | 付けていない(場合が多い) |
住処 | 室内(放し飼いは+外) | 外 |
健康面 | 医療を受けられる | 医療を受けられず、外傷、風邪で命を落とすことも |
餌 | 飼い主から与えられ、豊富、栄養十分 | 自分で探す必要があり、切実、栄養不足 |
警戒心 | 弱い(ことが多い) | 強い |
見分け方
見た目や外見からの見分け方
首輪
首輪を付けていて、飼い主の名前、連絡先が書かれていれば、飼い猫と判断してよいでしょう。※元飼い猫で首輪をつけたまま迷い猫、捨て猫になってしまう猫かもしれませんが、放し飼いの可能性の方が高いと思います。首輪の汚れ具合も確認してみましょう。
毛並み、毛艶
野良猫の場合、外で生活をしている為、ある程度汚れが付き、パサついています。
毛色が白、黒、淡色系であれば、お腹周りの毛の汚れ具合や毛に付いた葉っぱや小さなゴミなども判断材料と言えます。
飼い猫の場合、家の中で生活しており、汚れることが少なく綺麗です。また、人に撫でられていることから、人の手の油が毛に付き、毛艶が良くなります。
体格
野良猫の場合、痩せていることが多い。(場合によっては人から餌を十分に与えられ、太っていることも)
飼い猫の場合、体格が良い。(個体差ありますが、少なくても痩せ細ってはいないと思います。)
肉球
野良猫の場合、外を歩いていることから、肉球が汚れて黒ずんでいます。また、肉球が硬くなってしまっています。
飼い猫の場合、室内の綺麗な場所を歩いていることから、肉球の汚れが少なく、柔らかい。
目やに
飼い猫も野良猫も目やには健康に関係なく老廃物として出るものです。目やには放っておくと固まってしまいますが、飼い主がいる場合はケアされていることが考えられます。
野良猫の場合、目やにがついている、目立つ。
飼い猫の場合、目やにがついていない、目立たない。
顔つき
※野良猫の場合
- 顔に傷が付いている場合がある。(主にオス)縄張り争いでのケンカによる引っ掻き傷。
- 顔が縦長だったり口元が尖ったようにシャープな場合がある。(狭い場所を自由に行き来するため)
- 耳がピンと立っている。(耳を立て、常に物音の注意を払い警戒していることが多い)
- 目つきが悪い、目が据わっている。よく言えば精悍な野生の目つき。(自分で身を守らなければいけない緊張感や空腹感で自然と目つき顔つきがきつくなっていると思われる。)
- 耳や鼻が赤く腫れあがっている。(耳や鼻は毛が薄く、蚊に刺されやすい部位。外で生活するため蚊に刺されやすい。)
臭い
野良猫の場合、泥汚れ、耳や毛に入り込んだ汚れなど、蓄積された汚れがあります。このため体臭が強い。
触れるくらい近寄れれば、その体臭ですぐにわかるかと思います。(抱き上げることができれば、草や土の臭いもわかる)
飼い猫の場合、臭いは強くなく、飼い主や家族の人の臭いや家の臭いが混じったような体臭になる。
触れられるかどうか
野良猫の場合、警戒心が強く、近付いても逃げたり、自分からはすすんで近寄っては来ない。このため触れられないことがほとんど。(人慣れしている、元飼い猫、などは、近寄ってきたり、足元にすり寄る野良猫もいる)
人に追い掛けられたり、虐待を受けた経験があったりすると、人間は怖い存在になるため、人を見かけたら逃げ、威嚇をする猫もいます。
また、子供は猫を見ると追い掛けたりちょっかい出したりすることが多いので、子供を嫌がる猫もいます。
去勢・不妊
去勢・不妊済の場合、耳がカットされている場合があります(ハート型や上部がカットされた形)。また、去勢されている場合、玉袋は残りますが萎んだ状態になります。
飼い猫でない場合でも、完全な野良ではなく、地域猫、まち猫、元飼い猫の捨て猫いずれかになります。
見分けが付かなかったら・・その他の判断方法
野良猫か飼い猫(迷い猫)か見分けが付かなかった場合、客観的に判断する方法をあげます。
餌を与えてみる。
餌を与えるそぶりをした場合の挙動
餌を持っていなくても、ポケットから何かを取り出す素振りをしたり、ビニール袋をがさごそしてみて、その猫の挙動を確かめるのもいいかもしれません。
飼い猫の場合、放し飼いであったとしても餌はエサ皿に入れてだしてもらっていると思います。この場合、飼い猫は(餌の入っている)戸棚を開ける音、エサ皿を用意する音、缶を切る音に反応して餌がもらえると感じます。
野良猫の場合、エサ皿がない場合も多くあります。人から餌をもらうときは、その人がポケットやビニール袋から取り出し手に持ってから与えられます。手の平に乗せて食べさせることもありますし、地面にばら撒くように置かれることもあります。こうした素振りに慣れている場合、ポケットから何かを取り出す素振りやビニール袋の音、手を握っている仕草でもいいかもしれません。餌をもらえる期待のようなリアクションがあれば、それは野良猫なのかもしれません。
その場で食べるかどうか
多くの場合は、餌を与えたらその場で食べますが、餌を咥えて隠れて食べる子もいます。人前で食べるのに慣れているかいないか、人に対する警戒心が強いか弱いかとも言えますが、餌を咥えて隠れて食べるような猫は、野良猫である可能性が高いです。
また、母猫の場合、子猫に餌を持っていくために餌を咥えてどこかに行ってしまう場合もあります。これも飼い猫の行動というよりは野良猫の行動と言えると思います。
食べ方
与える餌が生肉(のかたまり)だった場合、食べ方は上手でしょうか?
飼い猫の場合、食べる餌が決まっています。キャットフードしかり、どんな餌でも食べやすいものばかりではないでしょうか。しかし、野良猫の場合は、色々なものを口にします。柔らかいものもあれば、固いものもあります。ネズミやトカゲ、野鳥だって捕れたら食べるわけです。ちょっと食べにくい餌を与えてみて、上手に食べることができたら野良猫の可能性が高いと思ってもいいかもしれません。
首輪を付けてみる。(触れる場合)
飼い主がいれば、次に来たときには外されているか、別の首輪を付けているでしょう。(首輪は、猫の首が締まらないように気を付けましょう。緩いヘアゴムのようなものでもいいと思います。)
ご近所さんに確認する。
写真を撮ったり猫の特徴をメモし、ご近所さんに状況を説明して確認しましょう。回覧板をまわせるなら手っ取り早いです。
後をつけてみる。
お暇なら・・・という話ですが。
行き先はどちらなのか?という話ももちろんですが、野良猫のように外に出歩き慣れていない飼い猫であった場合は、行き先もおぼつかず周囲の匂いを嗅いだり物陰を隠れたりすることがあります。出歩き慣れていればいつものルートをいつものように練り歩いているとは思いますが、そうではない場合、挙動でも野良猫ではない可能性を見つけられるかもしれません。
ただ、昼間からいい大人が猫の後をつけていたら結構怪しい人ですけどね。
警察や保健所に連絡する。(保護するなら)
保護する場合は、警察や保健所に連絡しましょう。飼い主がいれば、保健所に問い合わせをしていたり、名乗り出ると思います。
以上、首輪を付けていない場合は、パッと見で判断するのは難しいですね。しかし、じっくり観察すると分かることも多いです。それから、成猫で鳴き声をあげる子も飼い猫、元飼い猫の可能性が高いです。ただしこれも餌をねだりに鳴き声を上げていることもあるので、絶対にとは言えないのですが。ご参考になれば(管理人)