野良猫に餌をあげ始める理由って、そんなに複雑なものではないと思います。
- よく家に来るのでつい餌を与えてしまった。
- 帰り道に必ずいる猫、コンビニ帰りに持っていたものを与えてしまう。
- 痩せていて可哀想だったから。
- 懐いてきて可愛かったから。
- 飼い猫にあげるついでに。
他にもいずれは飼うつもりで餌を与えていたり、ボケたおじいちゃんが残飯をばら撒いて餌付けしてしまったり。簡潔にあげればこのような理由になります。
この記事では、管理人の近所の猫屋敷住民のケースをあげ、あげ始めた経緯やその人の気持ち、地域の事情やあげてしまった後の事情など一歩踏み込んだ内容をまとめました。一つのケースとして参考になればと思います。
▼目次
- 地域の事情と主人公の猫屋敷おじいさん
- 元々は餌をあげていなかった。別の人があげていた
- 餌をあげていた人が引っ越す
- 冬になり痩せて凍える野良猫を見かけて餌を与え始める
- 近隣住民からの苦情、「餌をあげないで」と回覧される
- 役所の職員から直接注意
- 一旦は止めたものの、また餌やりを再開
- なぜ、餌やりを再開してしまったのか?
地域の事情と主人公の猫屋敷おじいさん
管理人の住む地域では、10年以上前から野良猫が住み着いていたようです。町内会長と対談をさせていただいた際に、「10年以上前からいるけど、増えてきたのはここ数年」という話がありました。
そして、管理人の近所には、猫屋敷があり、今回の事例紹介の主人公がこのおじいさんです。このおじいさんの家は、母屋と広い庭、ガレージが2つあり、100坪くらいの敷地があります。おじいさんは、この広い家で一人で生活をしており、いわゆる独居老人。高齢のためか家の手入れは全くされておらず、雑草は生え放題、庭には以前は手入れされていたであろう笹がたくさん生えています。ガレージの一つは物置とも廃屋とも言えるような状態で、10年近く放置されていたような様子です。
こんな敷地の状況だったので、管理人は初めて見たときは、誰も住んでいない廃屋なんだろうな。なんて思っていた程です。
それから、このおじいさんは、ほとんど家から出ないみたいで、見かけることがあまりありません。水道局の検査に来ていた職員が、居留守を使われて困っているのを見かけることもあるくらいです。だから、近所の人とのコミュニケーションもほとんどない。といった状況です。
元々は餌をあげていなかった。別の人があげていた
10年以上前から住み着いていた野良猫達。ですが、猫屋敷のおじいさんは元々は餌を与えていませんでした。
それ以前にあげていた人は、管理人宅の前の住民と送り迎えをしていた運転手。どうやらこの住民と運転手が野良猫達を可愛がっていたようで、餌を与えていたようです。
この話は、引っ越した後にお隣さんから聞いたのですが、どうりで野良猫が多いわけです。土地や物件探しをしている時に、住む以前の情報って知るにも限度がありますよね。こんな事情があったなんて・・・って思いました。
餌をあげていた人が引っ越す
餌をあげていた住民と運転手。この住民が、2、3年くらい前に引っ越しをします。引っ越す際に、世話をしていた野良猫達のことを引き取ることはせず、近隣の方へ世話をお願いすることもなく引っ越してしまったそうです。
しばらくして、家の建て替えも始まり、野良猫達の居場所がなくなりました。(ここが後の我が家)
冬になり痩せて凍える野良猫を見かけて餌を与え始める
家の建て替えが始まった後、ウロウロと餌を探し求めて歩き回っていたようです。餌を与える住民は他にもいますが、餌の量には限度があるというもの。一気に10匹も増えたら餌が足りるはずがありません。
そうこうしているうちに冬が訪れ、野良猫達には厳しい季節がやってきます。
餌や雨風凌げる住処を探して歩き回りますが、猫屋敷のおじいさん宅にももちろん訪れます。始めのうちは見ているだけで、餌をあげたりはしていなかったようですが、冬の寒さと空腹で可哀想な姿を見るに見かねて、残飯を与えてしまったのがきっかけのようです。「このままだと冬を乗り切れない」って思った。と聞いています。
この後、餌をあげ続けることになりますが、残飯だったものが、キャットフードになり。決まって玄関前で餌をあげるようになりました。
そして野良猫達は、この猫屋敷に住むようになります。庭が広く、手入れがされていないことで隠れるところがいっぱいあり、餌をくれる人もいる。住処に餌場に野良猫達にとっては好都合な場所だったわけですね。
近隣住民からの苦情、「餌をあげないで」と回覧される
引き続き餌をあげ続けはしますが、家の中に猫を入れることはせず、糞を掃除したりもしません。近所の方とのコミュニケーションも相変わらずです。
餌を上げ続けて半年以上経ったある日、町内に回覧がされます。
「野良猫に餌を与えないでください」
どうやら近隣住民から役所へ野良猫に関する苦情が多く上がっており、役所から町内へ回覧をまわすように話があったようです。
この回覧は猫屋敷のおじいさんのところにもまわることになりますが、特に餌をあげることを止めることはなく。そのまま続きます。
この後、回覧はもう一度ありました。しかし、全く効き目はなく、餌やりを止めることはありませんでした。
役所の職員から直接注意
野良猫の相談に関しては、管理人も役所に一度しています。そして、役所の職員が家に訪れ、猫屋敷のおじいさんに直接注意をしてくれることになりました。また、この地域で餌をあげている他の住民に対しても役所の職員と町内会長とで一軒、一軒まわって説明をすることになります。
この結果、猫屋敷のおじいさんは、餌やりを止めてくれます。役所の方のお話では、餌を与えるならきちんと飼い主になって、健康面の面倒や糞の掃除をするように。と伝えたところ、
「飼ってまでは面倒を見たくない」ということだったようで、「それなら餌はもう与えない」というお話だったそうです。
その後、お隣さんからからも「〇〇さん、餌やり止めるって言ってたよ」と言った話も聞きました。お隣さんも花壇に糞をされてしまい、糞掃除が大変だったみたいで花壇をつぶしてしまっているほど困っていたお宅でした。
一旦は止めたものの、また餌やりを再開
止める宣言があってから数か月後、野良猫達が決まって朝の時間帯に猫屋敷に集まるようになります。しばらくは管理人も気付かなかったのですが、朝の6、7時くらい時間帯に集まってきている様子。
どうやらこの時間帯に餌をあげているようでした。
せっかく餌やりを止めてくれたと思った矢先の再開。
管理人もキャットフードが置かれているのを目撃したことがあったので、餌やり再開は間違いありませんでした。
なぜ、餌やりを再開してしまったのか?
ごめんなさい。ここの話は聞けていないのです。町内会長やお隣さんなど事情を知っていそうな人から話を聞けていません。もしかしたら餌やりを再開したことも知らないかもしれません。
地域の事情からになりますが、餌やりに関する注意が、回覧2回、直接注意が1回。聞く耳持たずやり続ける人もいらっしゃったようですが、猫屋敷のおじいさんのように止めてくれる方もおりました。
そして、何人かの人が餌やりを止めることで、当然、餌が足りなくなります。
猫屋敷のおじいさんとは別の餌やりをしている人と立ち話をしたことがありましたが、
「うちにいっぱい野良猫が来るようになって困っているんだよ」「餌が足りてないんだ」
と言った話がありました。この家も庭に野良猫を集めて、キャットフードをばら撒いている姿をよく見かけます。
猫屋敷のおじいさん宅では、餌を止めた後も引き続き餌はねだりに来ていたと思います。餌をやり続けると猫達も餌をもらえる時間帯や人、その素振りなどで理解します。普段は鳴き声をあまり出さない近所の野良猫達ですが、猫屋敷の家では鳴き声をあげているのをたまに耳にします。
鳴き声をあげると玄関が開いて、餌を置いてくれる。
というのを猫もわかっていますので、玄関前で鳴き続けるのです。最初の頃は、それでも餌はあげない。と強い気持ちを持っていたのかもしれませんが、次第に痩せていく姿を見てしまったり、そんな中で聞く鳴き声は悲痛なものに聞こえたりして、餌やりを再開してしまったのではないかと思っています。
今では、キャットフードを与えているので、常態化してしまったと思います。(残飯ならその場限りかもしれませんが、キャットフードはお店へ買いに行っています。餌付け目的と思われても仕方ないです)
以上になります。この他、わざわざ餌をあげにくるおばあさんもいたりします。でも決して家で飼ってあげようとはしないんですよね。家の中で飼ってくれれば誰も文句は言わないと思うのですが。